犬の噛みたい欲求を満たすことと歯の強さ
犬の噛みたい欲求を満たすために硬いものを噛ませる飼い主さんや、噛ませましょうというアドバイスをする各分野のプロの方がいますが、それはやめてあげてください。
犬は確かに噛む力は強いですが、それと歯自体の強さは別物です。人間のエナメル質の半分以下の厚さしかない犬の歯は、硬いものを噛むのには適していません。
犬の歯は人間の歯よりも弱いため、噛ませるのであればハサミで切れるものやゴム製品のように弾力があるものにしましょう。
犬の噛みたい欲求と歯を守るを叶えるラップの芯
犬の噛みたい欲求を抑制する、やめさせる、という話しではなくむしろそうした犬として持っている欲求は叶えてあげるべきです。
ただ、あくまでも犬の歯を傷つけてしまうような硬さのものを与えることは犬を傷つけることになるため、決してやってはいけないということ。
しかし、こんな話しをしても「でもうちの子はすぐにガムもおもちゃも壊してしまってもたないのよね…」という声も聞こえてくるのも事実です。
結論を言うと、すぐに壊れても別になんら問題はありませんからその分犬が噛んでくれる物の数を用意してあげてほしいのです。
とはいえ、それ専用のおもちゃもありますが、それだとコストがかかってしまうためできれば抑えたいとも思うでしょう。そこでおすすめしたいのがラップの芯です。
どのご家庭にもかならずあるラップですが、通常は巻かれているラップを使って残り物や料理などに使い最後に残った芯は捨てますよね。
ですがあのラップの芯、実はすごく優れものであの硬さと強度が犬の噛む欲求を満たすのにちょうどいいのです。
まずラップは紙でできているのでビリビリと破くことができます。これだけでも結構犬にとってはすごく楽しいのですよね。
そして次は強度、つまり硬さですがこれも非常によくすぐにふにゃふにゃと破壊されず噛み続けることができ、もちろん歯を傷つけてしまう心配もありません。
破くという行動のそれは犬の狩猟本能でいうところの毛皮をはいでいく行為になりますし、ラップの芯そのものを噛むことで噛みたいという欲求も満たしてあげることができます。
ラップの芯の空洞を利用して菜食エンリッチメントにも
さらにラップの芯は噛みたいという欲求や剥ぎ取るという本能を満たすだけではなく、実は食事における菜食エンリッチメントにも活用することができるんです。
ラップの芯って空洞になっていますよね。それが非常に高いポイントになっており、その空洞にフードを入れてあげることで鼻を使って食べ物を探すという嗅覚の刺激にも役に立ちます。
すでにノーズワークなどで鼻を使うことが日常になっている子であれば、タオルや紙にフードを包んでそれをラップの芯の穴の中に入れると難易度も上がって楽しいですね。
もし日常的にそうしたエンリッチメントをする機会が少なく、鼻を使うことが減ってしまっていたりすぐに諦めてしまう子であれば、更に隠したりせずそのままラップの芯の穴にフードを入れるだけにしてみましょう。
すぐに取り出せるようになってきたら、タオルやいらなくなった靴下などに包んで取り出しやすい状態でラップの芯の穴に詰めてみたりするなど、難易度を調整しながらいろいろ試してみてください。
こうした欲求を満たし犬本来の本能を満たしてあげることは、動物福祉の向上につなげることができます。
犬は人間社会で制限をかけられることのほうが多いからこそ、どうすれば動物福祉を向上させることができるかを考えなければなりませんが、それがお手頃な物で1つプラスにすることができるなら嬉しいですよね。
まとめ
どのご家庭にもかならずあるラップの芯で犬の噛みたい欲求を満たせること、また菜食エンリッチメントにもなることをご紹介しました。
エンリッチメントになるアイテムはたくさん売られていますが、たくさん買い集めるにはちょっと慎重になる飼い主さんも少なくないでしょう。
しかし、家にある手軽なもので噛みたい欲求を満たしながらも歯を傷つけず、それでいてエンリッチメントにもなるものがあれば飼い主さんとしても助かりますよね。
ぜひラップの芯を捨てずに犬との楽しいゲームのツールとして活用してみてください。