「犬は亡くなる直前に姿を消す」説は本当?
昔から「愛犬が亡くなる前に庭からいなくなってしまった」「物陰に隠れるようにして亡くなっていた」「少し目を離した隙に息を引き取っていた」という話をよく耳にします。
犬は亡くなる直前に飼い主から離れたがる、姿を消すという説は有名ですが、実際のところ、本当に犬が意図的に飼い主の前から離れようとしているかどうかは定かになっていません。
しかし前述したような話が多いことや、犬の野生時代の習性が残っていることなどを考えると、あながち嘘ではないのかもしれません。
現在は室内で飼育されている犬が大半なので、別の場所へと勝手に出て行ってしまい、知らない土地で亡くなるという事態は回避できるでしょう。できることならば、飼い主として最期の瞬間まで隣で見守ってあげたいですよね。
犬が亡くなる直前に飼い主から離れたがる理由は?
なぜ犬が亡くなる直前に飼い主から離れたがると言われているのでしょうか。ここでは、その理由としてよく語られている説を5つご紹介します。
1.飼い主に迷惑をかけないため
犬にとって飼い主は、信頼できる大切な仲間のような存在です。そんな飼い主に死に際で弱っている自分のせいで負担をかけたくない、迷惑をかけたくないという思いから、離れようとするという説もよく言われます。
実際、群れで行動する野生動物の中には群れについていけないと悟った時期に、迷惑をかけないように群れから自ら離れて静かに死に場所を探す…という習性を持つ動物も多いようです。
2.飼い主を悲しませたくない
犬は長らく人間と共に暮らしてきました。その過程で犬は人間の感情を読み取る能力に長け、共感能力を持つようにもなったと言われています。
そのため、自分が亡くなったり弱ったりする姿を飼い主が見た時、飼い主を「悲しませたくない」と思い、亡くなる直前になると姿を隠そうとする犬もいると考えられています。
3.静かな場所で休みたい心理から離れた場所に行く
亡くなる直前は体力・気力共に衰弱している状態なので、とにかく静かな場所で落ち着いて休みたいと感じている犬が多いです。
静かな場所で休みたいという心理から移動し、飼い主から離れた場所に良い寝床を見つけてそのまま亡くなってしまう…という事例もあります。
この場合は、飼い主さんと離れたいという意思で動いているのではなく、単純に「休みたい」という思いを優先した結果、ひっそりと亡くなってしまったという状況ができてしまったと考えられます。
4.「敵に襲われないため」という野生時代の名残
現代の犬たちも野生時代の本能や習性が受け継がれていることが多く、犬が亡くなる直前に飼い主から離れたがる不思議な行動も、野生時代の名残ではないかと考えられています。
亡くなる直前は体が衰弱しきっている状態です。そのため、もしも敵がやってきて襲われたら逃げたり抵抗したりする余裕はありません。そのため、自分だけで敵から身を隠せる場所へ移動し、静かに死を迎えようとしているのではと考えられています。
5.弱っている姿を見せたくないという動物のプライド
野生動物の多くは、自分の弱い姿を他の動物に見せようとしないという本能的習性を持っています。これは少しでも弱い姿を見せてしまうと、あっという間に獲物として認識され、襲われてしまうからです。
この動物のプライドとも言える習性が影響し、飼い主や家族、その他の人や動物の前から姿を消そうと離れたがるのではという説もよく囁かれています。
まとめ
いかがでしたか。現在では、死期が近づいている犬が家から出て行ってしまう…という状況は少ないものの、やはり飼い主の見ていないところで亡くなるというケースは多く耳にします。なるべく愛犬の最期を看取れるよう、日頃から家族の誰かは隣にいてあげたいですね。