犬が口元を「パクパク」させる理由
愛犬が口元をパクパクさせている姿を見たことがあるでしょうか。私は頻繁に見ることはありませんが、初めてみた時は驚きましたし、たまに見るからこそ不安になることもあります。
犬は意外な理由で、口元をパクパクさせることがあります。犬が口元をパクパクさせる理由を知れば、愛犬のそんな姿を目撃することができると思います。
また、犬が口をパクパクさせる時の注目すべきポイントや対処法、動物病院へ連れて行った方がいいかどうかまで解説しますので、ぜひお役立てください。
1.発情中のメス犬のフェロモンの香りを嗅いだ
犬が口元をパクパクさせる理由は、発情中のメス犬のフェロモンの香りを嗅いだことです。つまりこの理由は、オス犬に該当する理由です。
お散歩中、地面のニオイを嗅いだ後、口元をパクパクさせることがあります。何か毒物のニオイを嗅いでしまったのではないか、思わず舐めてしまったのではないかと、心配されるかもしれません。
おそらくその場所で、発情中のメス犬がおしっこをしたのでしょう。フェロモンの香りを嗅ぎ、興奮したオス犬が口元をパクパクさせることがあります。よだれを垂らすこともあります。
注目すべきポイントは、口元をパクパクさせた後の犬の行動です。
なかなか興奮がおさまらず、そわそわとしたり、必死に地面のニオイを嗅ごうとしたり、リードを強く引っ張るなどすることがあります。
お散歩中に興奮してしまうことは、事故やトラブルの原因にもなりかねません。早めに帰宅するようにしましょう。繁殖の予定がないのであれば、去勢手術も検討されるとよいと思います。
2.相手を落ち着かせるため(カーミングシグナル)
犬が口元をパクパクさせる理由は、相手を落ち着かせるためです。カーミングシグナルと言って、相手に気持ちを伝えるための行動のひとつです。
お散歩中に他の犬と出会った時、その犬に向かって口元をパクパクさせることがあります。不安そうな犬に対して、「敵意はないよ、仲良くしよう」という気持ちを伝えるためです。
注目すべきポイントは、マズルにシワを寄せること、歯をカチカチ鳴らすことです。怒っているようにも見えてしまうかもしれませんが、相手と仲良くなりたい気持ちがある時のコミュニケーションとしての行動です。
カーミングシグナルは犬同士だけではなく、犬が人に対して気持ちを伝えるための手段として使われることがあります。
もしも飼い主に向かって愛犬が口元をパクパクさせていることがあれば、「落ち着いてほしい」という気持ちを伝えようとしています。愛犬の前でイライラした態度を見せてしまった時などです。
3.口腔内に異常や病気がある
犬が口元をパクパクさせる時、口腔内に異常や病気がある、ということを疑うことができます。
- 歯磨きをする習慣がない
- 口臭がひどい
- 歯石がある
- ドライフードを噛みづらそうにしている
このような場合、口腔内に異常が起きやすく、すでに病気を抱えていることがあります。
とくに注目すべきポイントは、口臭・歯石・よだれです。これらの症状がある場合、すでに歯周病である可能性が非常に高いです。
口元をパクパクさせるのは、違和感や痛みがあるからです。
口の中の細菌は、全身へと流れていきます。心臓病の原因になりやすいと言われています。口元をパクパクさせることが日常的に起きているのであれば、口腔内の健康診断を受けてみてください。
口臭や歯石がひどい状態なのであれば、今すぐに動物病院へ連れて行きましょう。犬は我慢強い動物です。口の中のひどい痛みで苦しんでいる状態だと思います。
まとめ
犬が口元をパクパクさせる理由を3つ解説しました。
- 発情中のメス犬のフェロモンの香りを嗅いだ
- 相手を落ち着かせるため(カーミングシグナル)
- 口腔内に異常や病気がある
犬が口をパクパクさせることには、肉体的な理由がある場合もありますし、精神的な理由がある場合もあります。
どちらにしても、まずは理由を明確にしたいですよね。理由が分からなければ、ずっと不安な思いを抱えることになります。
愛犬が口をパクパクさせる理由がどうしても分からない時は、かかりつけの獣医師に気軽に相談してくださいね。