犬が理解できる単語やフレーズはいくつくらいなのか
ダルハウジー大学が行った研究結果では、『犬が認識できる単語は、平均して89単語である』としています。
研究の対象となったのは、165人の飼い主とその愛犬です。行われた実験には、乳幼児が初期言語をどれくらい理解しているのか、どれくらいの発達があるのかを評価するツールが採用されました。
- 自分の名前
- おもちゃ
- 食べ物
- コマンド
- ゲーム
- 家の中
- 家の外
これらに関する単語やフレーズ172個に対して、愛犬がどれだけ反応したか、という実験において、90%の犬が反応を見せたのが「自分の名前」「おすわり」「おいで」「おりこうさん」「待て」「ダメ」などです。
また、「お散歩に行く?」というフレーズにも反応することが分かっています。
飼い主が答えたアンケート結果によると、最も少なかった犬では15個、最も多かった犬では215個もの言葉に反応があったようです。ちなみに、実験に参加した犬の41%が競技スポーツを経験しており、18%が専門職の訓練経験を持ち、どちらの経験もない犬でも100単語~200単語に反応するとしています。
心理学者のジョン・ピリー(John Pilley)博士が退職後に飼っていた犬、ボーダーコリーのチェイサー(Chaser)は、1022個のおもちゃの名前を理解し、記憶しています。
ジョン・ピリー博士がチェイサーに言葉を教え始めたのは、チェイサーが生後8週の頃からで、遊びながら教えたそうです。生後8週と言うと、迎えてすぐの子犬の頃ですよね。
チェイサーが遊びに対して意欲を持っていたことも、1022個ものおもちゃの名前を覚えることができた要因なのではないかと思います。
ただし、そのトレーニングはハードなものでした。遊びの中とは言え、言葉を覚えるためのトレーニングは1日4時間~5時間。その中で、基本的なしつけのトレーニングやアジリティーのトレーニングも行ったそうです。
トレーニングのご褒美として食べ物は一切与えず、チェイサーが大好きなお散歩やフリスビーやボール遊びなどをご褒美として楽しんだそうです。
犬に単語やフレーズを理解して覚えてもらうためのコツ
ではここからは、犬に単語やフレーズを覚えてもらうためのコツを紹介します。是非愛犬と試してみてくださいね。
正しく名前を呼ぶこと
何よりも愛犬に覚えてほしい言葉は「名前」ですよね。
愛犬の名前を「ぎんじろう」としてみましょう。あなたは何と呼びかけますか?
- ぎん
- ぎんちゃん
- ぎんくん
このような呼び方をするのではないでしょうか。そうすると、犬は自分の名前を「ぎんじろう」だと知らずに「ぎん」「ぎんちゃん」として覚えてしまうでしょう。
愛犬が自分の名前を正しく覚えた後で、呼び名やあだ名で呼んであげるとよいと思います。犬に覚えてもらうために、短い名前をつける、ということも大事なのではないでしょうか。
言葉を統一すること
覚えてもらいたい単語やフレーズは、一貫して同じでなければなりません。昨日は「おすわり」だったけど、今日は「Sit」というのでは、犬を混乱させます。家族間でも統一しておきましょう。
ゆっくりはっきり発音すること
犬に単語やフレーズを教える時は、幼い子供に話しかける時と同じくらい、ゆっくりはっきり発音すると、犬が聞き取りやすく覚えやすくなります。
「お散歩」という言葉に反応し、「行く?」まで聞いて嬉しくて興奮する、ということがありますよね。単語だけではなく、ひとつのフレーズとして理解し、覚えているということです。
まとめ
ダルハウジー大学が行った研究結果では、『犬が認識できる単語は平均して89単語である』ということが分かっています。
1022個ものおもちゃの名前を覚えたボーダーコリーのチェイサーですが、我が家の愛犬たちはと言うと…どれも「おもちゃ」のひとつの単語で覚えてしまっているかもしれません。
日常生活の中で使う単語だけでも89個以上はありそうですし、愛犬がどんな言葉を覚えているのか、書き出してみると面白そうです。