犬に二足歩行をさせてはいけない『絶対ダメな理由』は?
最近、テレビや動画で犬が二足歩行をしている姿を目にすることが増えています。その姿は可愛らしく、愛犬にも同じことをさせたくなる飼い主もいるでしょう。
しかしどれだけ可愛く見えても、愛犬に二足歩行をさせるのは避けるべきです。以下では、犬に二足歩行をさせてはいけない『絶対ダメな理由』をご紹介します。
1.関節疾患になる可能性がある
犬に二足歩行をさせることは、関節疾患のリスクを高める行為です。犬の骨格や関節は、四足での歩行を基本として進化してきたため、犬に二足歩行をさせることで、関節に不自然な負荷がかかります。
犬が二足歩行をしたときに特に大きな負荷がかかる部位は、膝関節と股関節です。これらの関節に過度な負荷がかかると、膝蓋骨脱臼や変形性関節症などが生じるリスクが高まります。
また関節疾患を元々患っている犬は、二足歩行によってその症状が悪化する可能性があります。
2.椎間板ヘルニアになる可能性がある
犬に二足歩行をさせることによって、椎間板ヘルニアになることもあります。椎間板ヘルニアは、脊椎と脊椎の間のクッションの役割を果たす椎間板が飛び出し、脊髄神経を圧迫する病気です。
本来四足歩行である犬が二足歩行をすると、脊椎やその周辺に不自然な負荷がかかり、椎間板が過度に圧迫されやすくなります。そのため二足歩行が繰り返されると、最終的には椎間板が飛び出し、椎間板ヘルニアに至る可能性が高まります。
3.ケガをする可能性がある
犬に二足歩行をさせることは、ケガのリスクを増大させる行為でもあります。犬は四足歩行の生き物であり、その骨格や体の構造は二足歩行には適していません。そのため犬の二足歩行は不安定で、転倒のリスクが高まります。
特に滑りやすい床や段差のある場所での二足歩行は、転倒して骨折や打撲を負うリスクが高く大変危険です。さらに二足歩行は犬の関節や筋肉に不自然な負荷をかけるため、捻挫や筋肉の損傷を引き起こす可能性があります。
関節疾患や椎間板ヘルニアによって犬の寿命が大きく縮むことも
犬に二足歩行をさせると、関節疾患や椎間板ヘルニアのリスクが高まりますが、これらの疾患は犬にとって重大な健康問題となります。なぜならば、これらの疾患が進行すると、犬は歩行困難や寝たきりの状態になる可能性があるからです。
もしそのような状態になった場合、犬のQOL(生活の質)が低下するだけでなく、消化機能の低下や循環器系のトラブルといった、さまざまな健康問題が起こるリスクが上昇します。そしてこれらの健康問題は、犬の寿命を大きく短縮させる要因となり得ます。
愛犬の健康と長寿を願うのなら、犬に二足歩行をさせるべきではありません。
まとめ
犬は四足歩行の生き物であり、二足歩行に適した骨格や体の構造を持っていません。そのため犬に二足歩行をさせると関節疾患や椎間板ヘルニア、そしてケガを引き起こす可能性があります。
関節疾患や椎間板ヘルニアは、進行すると犬を歩行困難や寝たきりの状態にする可能性があり、結果として犬の寿命を大きく縮めることも考えられます。
犬が二本足でちょこちょこと歩く姿は確かに可愛いです。しかし愛犬の健康や寿命に悪影響を及ぼすことを考えると、それほどのリスクを冒してまで二足歩行をさせる価値はありません。何かあってから後悔しても遅いので、愛犬に二足歩行をさせるのはやめましょう。
飼い主が教えなくても、何かのきっかけで犬が自分から二足歩行をすることがあります。その際に飼い主が何らかの反応を示すと、犬は注目してもらうために二足歩行を繰り返すようになる可能性があるため注意が必要です。