犬の体を清潔に保つ方法は?汚れてしまう原因5つと日頃からしておくべきケアまで

犬の体を清潔に保つ方法は?汚れてしまう原因5つと日頃からしておくべきケアまで

犬の体は皮膚に覆われ、その皮膚には被毛が生えています。そのため、犬の体を清潔に保つということは、犬の皮膚と被毛を清潔に保つということです。外で泥だらけになって遊ばせたり、ぬかるみにはまったりしなくても、犬の体は日々自然に汚れていきます。犬の体はなぜ汚れてしまうのか、日頃からどういうケアをすればよいのかなどについて解説します。

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体を清潔に保つことはなぜ大切なの?

愛犬をシャンプーしようとしている飼い主

動物の体は数多くの細胞からできています。細胞は、動物の寿命よりもずっと短いサイクルで生死を繰り返すことで、その動物の長い寿命を繋いでいきます。体内の細胞の死骸は便となって排出されますが、皮膚細胞はフケ、被毛は抜け毛となって体表に蓄積されていきます。

また皮膚にはたくさんの皮脂腺があり、皮脂を分泌しています。このようなフケや抜け毛、皮脂などが溜まることで、被毛には毛球ができやすくなり通気性が悪くなって、皮膚が蒸れたり炎症を起こしたりという不具合に繋がっていきます。

たとえ外部要因によって汚れなくても、体は自らの新陳代謝によって汚れていき、そこに外の泥や室内のホコリなどが付くことで、さらに汚れが蓄積されていくのです。

このような汚れをきれいに落とすことで、犬自身もさっぱりした気分になり、皮膚や被毛も健康な状態に保つことができます。愛犬の体を清潔に保つということは、愛犬の健康を維持していくための土台となるのです。

犬の体が汚れてしまう原因

散歩の後に足先を拭かれる犬

では、犬の体が汚れてしまう原因についてみていきましょう。室内飼いが一般的になってきても、さまざまな原因で犬の体は日々汚れてしまうのです。

1.皮膚の新陳代謝

犬の皮膚細胞の寿命(ターンオーバー)は約20日です。このサイクルは、皮膚の環境が悪化することで短くなり、フケの量が増えてしまいます。フケは雑菌の餌になるため、膿皮症やマラセチア皮膚炎などのかゆみを伴う皮膚病の原因になります。

しかも犬の皮膚は人の皮膚の1/3程度の薄さしかないため、とてもデリケートにできています。皮膚の新陳代謝を健全な状態に維持するためには、皮膚環境を清潔な状態に保つことがおおいに役立ちます。

2.被毛の新陳代謝

皮膚と同様に被毛にも寿命(毛周期)があります。毛周期は成長期、退行期、休止期から成り、休止期が続くと古い毛の奥に新しい毛が生えてきて、古い毛が抜け落ちます。この抜けた毛は、生えている他の毛に絡まりやすく、毛球を作って被毛の通気性を悪化させます。

絡まった毛にはホコリやフケなどが付きやすく、また蒸れることで皮膚の環境を悪化させます。抜け毛を被毛に絡ませたままにすることは、犬の体に汚れを蓄積する大きな原因になるのです。

3.皮脂の蓄積

被毛に覆われている皮膚には、たくさんの皮脂腺があります。特に背中の部分に多く集まっています。この皮脂腺は、粘り気のある濃い皮脂を分泌します。皮脂は皮膚の乾燥を防ぐ他、体臭やフェロモンというような犬のコミュニケーションに重要な役割を果たしています。

また、新鮮な皮脂には殺菌作用があります。しかし古くなった皮脂が残っていると、殺菌作用が失われ、逆に雑菌の餌になります。そのため、皮膚の表面には常に新鮮な皮脂が分泌され、古くなった皮脂は除去することが大切になります。

4.汚れの付着

被毛に抜け毛が絡まり、フケが付着するだけが犬の体の汚れの原因ではありません。

犬は毎日外に散歩に出ます。足先には泥が付き、体にも砂や草などが付着します。室内にもホコリがあります。普通に生活することで、外界の汚れも付着し、蓄積していくのです。

5.顔周りやお尻周りの汚れ

外に出られない寝たきりの犬でも汚れやすくてデリケートな部分が、顔周りとお尻周りです。

顔は目ヤニや涙、よだれなどの分泌物が付き、お尻周りはおしっこやウンチといった排泄物が付くためです。

日頃からしておくべきケア

犬のブラッシング

どうしても汚れてしまう犬の体を少しでも清潔に保つためには、日頃からしておくべきケアがあります。

ブラッシング

犬にとって欠かせないケアが、ブラッシングです。

まずは、抜け毛を体に残さないように心がけましょう。毛が長く伸びないため、短毛種は長毛種よりも成長期が短い分、毛周期も短いです。そのため、目立たないかもしれませんが、実は短毛種の方が抜け毛は多いのです。

長毛種は毛が絡まりやすいため、そして短毛種は抜け毛が多いため、いずれの場合もしっかりとブラッシングをするように心がけましょう。

ただし、力を入れすぎると皮膚にも被毛にもダメージを与えますので、優しく行ってください。

定期的なシャンプー

犬は猫ほど頻繁にはグルーミングをしません。そのため、定期的なシャンプーで体に付着したフケや古い皮脂を洗い流す必要があります。

シャンプーの前には、必ずブラッシングを行い、抜け毛を取り除いておきましょう。

過剰なシャンプーは皮膚を乾燥させ、かえって皮膚環境を悪化させます。かかりつけの獣医師と相談しながら、愛犬にあった適切なシャンプーの頻度を見つけることも大切です。

歯磨き

歯磨きも、欠かせない大切なケアのひとつです。

犬の口の中には、とてもたくさんの雑菌が存在しています。口の中に残ってしまった食べかすとそれらの雑菌が歯に付着することで歯垢や歯石ができ、歯周病を引き起こします。

歯周病が悪化すると、歯や顎の骨を溶かし、膿がたまり、歯周病菌が内蔵にまで到達してさまざまな病気を引き起こしてしまいます。ぜひ毎日の歯磨き習慣をつけましょう。

老犬のためのケア

老犬になっても、体に汚れは蓄積します。しかし、体に負荷をかけないことが大切です。そのため、こまめにケアを分割することで、1回のケア時間を短くすることをおすすめします。

シャンプーができなくても、犬の体を拭くためのシートなども市販されていますし、ぬるま湯で濡らしたタオルを使っても構いません。特に顔周りやお尻周りは、毎日きれいに拭き取るようにしましょう。

まとめ

浴槽の中の犬

愛犬の健康を維持するためにも、愛犬の体をケアし、清潔な状態を維持することが大切です。また飼い主さんが愛犬の体をきれいにすることで、愛犬自身もさっぱりとした気分を味わえるでしょう。

また、ケアが飼い主さんとのスキンシップとなり、愛犬との関係をより深めることにもつながります。

シャンプーやブラッシング、歯磨きなどを嫌がる子も多いですが、若い頃から少しずつ慣らしていき、ケアは楽しいものだと思えるようにしてあげましょう。

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