飼い主がリーダーであるべき理由
犬のしつけ本に『飼い主がリーダーになるべき』とよく書かれていますが、それはそもそもなぜなのでしょうか。
対等ではない関係性に疑問を抱く飼い主さんもいるでしょう。主従関係がないと犬にとってどのような不利益があるのでしょうか。
犬は野生時代、群れを作って生活していました。群れの中には必ずリーダーがいて、仲間を守ったり食料を調達したりと、自分の仲間を危険にさらさないという役割を持っていました。「群れの仲間たちは、リーダーに従い服従する」という関係性が、群れの存続のために必要だったのです。
時が経ち、犬は人間と暮らすようになりました。しかし人間主体の現代で犬がリーダーになってしまうと、飼い主さんはもちろん、犬自身も環境に適応できず、ストレス過多となってしまうでしょう。
人間と犬との安全な共同生活のために、また、犬に安心して過ごしてもらうためにも、飼い主さんが犬にバカにされないようなリーダーになる必要があるのです。
愛犬があなたをバカにしているときの仕草や行動
では、具体的に犬のどのような仕草や行動が、飼い主さんをバカにしているというサインなのか、確認していきましょう。
1.犬が散歩の主導権を握っている
愛犬との大切なコミュニケーションである毎日の散歩ですが、愛犬の好きなように歩いている、ということはありませんか。愛犬が常に飼い主さんの前を歩いたり、グイグイと引っ張る散歩もNGです。
そのような散歩の仕方をしていると、(この人は言う通りにしてくれる!)と、相手を選んでバカにすることもあります。また、散歩の時に愛犬をコントロールできていないと、思わぬ事故や愛犬が脱走する危険性もあります。そのため、散歩は飼い主さん主導で行う必要があります。
対応策としては、子犬の頃からリードトレーニングをすることが一番ですが、成犬でも根気強く繰り返し行えば学習します。例えば、日替わりでルートを変えるなど、愛犬も一緒に散歩を楽しめるように工夫をして、飼い主さん主導で散歩をするようにしましょう。
2.飼い主の指示を無視する、従わない
飼い主さんをバカにしていると、愛犬が飼い主の呼びかけや指示を無視することがあります。きちんと信頼関係ができていれば、呼ばれると反応しますし、指示にも従います。
声掛けをした際に、愛犬の耳は動いていて、明らかに聞こえているはずなのに冷たいなぁ、と思うことはありませんか。このとき犬は(別に言うことをきかなくてもいいや)(自分の方が偉い)と思っている可能性があります。
対応策としては、愛犬とのコミュニケーションの取り方を見直してみることをおすすめします。
愛犬がぐっすり寝ている時にいきなり撫でたり、大きな声で話しかけたりしていないでしょうか。わたしたち人間同様、そんなことをされたら犬もびっくりします。自分都合で動くのではなく、愛犬の気持ちに寄り添ったコミュニケーションを取ることが大切です。
3.思い通りにならないと攻撃的になる
飼い主さんが愛犬の要求に応え続けた結果、いざ自分の思い通りにならないことがあると激しく唸ったり、エスカレートすると噛みついてしまう、という行動にでます。
今まで自分の思い通りになっていたのに、急にストップがかかると犬も理解できないですよね。愛犬としては(なんで言うことを聞いてくれないんだ!)という気持ちになります。
対応策は、散歩やごはんなど、なにか要求されてもすぐには反応しないことです。愛犬の要求すぐに応えることを繰り返すと、犬は自分の望みはなんでもすぐに叶うと学習してしまいます。
また、噛みついてくるなどの攻撃性が高い場合は、自分で解決しようとせず、専門家にお願いすることも視野にいれましょう。
4.マウンティングする
犬が飼い主さんの足や腕にしがみついて、腰を振る動作を「マウンティング」といいます。構ってほしいときや愛情表現としてする場合もありますが、「自分のほうが偉い!」と力関係を誇示する意味合いも含まれているかもしれません。
どちらか判別することは難しいですが、愛犬との信頼関係が崩れかけている可能性もあるので注意が必要です。
ただし、愛犬が自分にマウンティングしてきたときに、強く叱ってはいけません。やめるまで無視をするか、きっぱり「ダメ!」と短い言葉で注意してください。なぜマウンティングをするのか、愛犬との関係性を一度見直してみてください。
まとめ
今回は、愛犬があなたをバカにしているときの仕草や行動について解説しました。
犬は言葉を話せない分、仕草や行動でしっかりと自分の気持ちを表現します。
もし今回ご紹介したなかに当てはまる項目があったとしたら、飼い主としてはショックかもしれません。しかし、愛犬との関係性をこれから改善していくことは十分可能です。
愛犬の気持ちに寄り添い、適切なコミュニケーションをとるよう心がければ、愛犬も必ず飼い主さんの思いに応えてリーダーとして認めてくれるはずです。
愛犬にストレスなく過ごしてもらうためにも、しっかり信頼関係を築けるよう日々頑張りましょう!