1.不安が強くなる
犬は年齢を重ねると、不安感が強くなる傾向があり、その影響で飼い主さんに甘えるような様子を見せたり、飼い主さんのそばを離れなくなったりすることがあります。
聴覚や視覚などの感覚が鈍くなることで、周囲の変化に気が付きにくくなり、ちょっとしたことで驚いたりストレスを感じたりするようになるのです。そのようなことから、ひとりでいることに不安を感じやすくなって、頼りになる飼い主さんから離れられなくなってしまいます。
シニアになった犬が妙に甘えるようになったり、そばから離れなくなったりしたと感じたときは、冷たい態度で接すると余計に不安を強くしてしまうので注意しましょう。
2.体の不調を感じている
年齢を重ねた犬は、少しずつ体に不調や違和感を感じるようになってきます。病気ではなくても、筋力や体力が低下して体を思うように動かせなくなったり、痛みを感じるようになったりすることが増えるでしょう。
思ったような動きができなかったり、排泄のコントロールができずトイレの失敗が増えたりして、犬自身がショックを受けることもあります。そのようなことから不安やストレスを感じて、飼い主さんに甘えるようになることもあるのです。
シニア犬がそばに来て体を休めたり、寝ながら「クーン」「キュンキュン」と鳴いたりすることが増えるようであれば、体の不調を感じていることも考えられるのでしっかり様子を見てあげてください。
3.認知症の症状
近年では、犬の長寿化に伴って加齢を原因とする疾患が多く見られるようになっています。そのひとつが「認知症」で、10歳を超えた頃から発症する犬があらわれ、13歳をすぎると急増すると言われています。
ただし、加齢の進行は犬種によっても異なるため、小型犬では平均よりもやや遅く、大型犬では平均よりも早く発症する傾向があります。
そんな認知症の症状のひとつとして、飼い主さんに甘えたり分離不安症のような症状を見せたりすることがあるのです。単純に可愛らしく甘えるだけでなく、留守番などで離れているときにパニックになったり暴れたりすることもあります。
シニア犬になって、これまでできていたことができなくなったり、留守番中の様子に変化があったりしたときは、加齢が原因の可能性も考えてみてください。
シニア犬がよく見せる行動と適切な対応
犬は年齢とともに心と体が変化し、シニアになると行動にも変化があらわれます。
気力も体力も十分な若い頃は、元気に遊び回っていた犬も、年齢を重ねることで寝ている時間が増えたり、飼い主さんにべったり甘えたりするようになるでしょう。
また、これまでできていたことができなくなったり、わがままになったように見える行動をしたりすることもあるでしょう。それが原因で排泄を失敗してしまったり、物を壊したり汚したりすることも増え、様々な形でのトラブルが目に見えるようになります。
シニア犬になって、「なんでこんなことするんだろう」「こんな子じゃなかったのに」「どうして困らせることばかりするの」などと感じることが増えたら、加齢が原因となっている可能性も考えてみてください。
その場合は、叱ったり無理強いしても解決せず、犬に余計な不安とストレスをかけてしまうので接し方にも注意が必要です。シニア犬にとって過ごしやすい生活環境を整えるとともに、安心させてあげるような声かけやスキンシップを心がけましょう。
まとめ
犬はあっという間に年を重ねます。少し前まで元気いっぱいで手に負えないと思っていた愛犬も、少しずつ体力や筋力が衰えて、気持ちや行動に変化があらわれてくるでしょう。
シニア犬になると心身の不調が原因で、飼い主さんに甘えることが増えます。そのようなとき、冷たくされたり厳しくされたりすると、犬はショックを受けて心を閉ざしたりストレスを感じたりするため、注意しましょう。
愛犬が安心して過ごせるように、シニア犬に配慮した環境を整えながら、優しく接していつでも頼ってもらえるような飼い主さんでいてくださいね。