1.引っ張って遊んで!
愛犬が飼い主さんのところにおもちゃを持ってきたにも関わらず手を出しておもちゃを取ろうとすると、逃げたりくわえたまま離さなかったりすることはありませんか? こちらが引っ張れば引っ張るほど、犬も強くくわえて離さなくなることが多いと思います。
このようなときは、おもちゃを引っ張り合って遊んで欲しいと思っている可能性があります。犬にとって、おもちゃをくわえたり引っ張ったり、噛みちぎったりすることは、狩猟本能が満たされる魅力的な遊び。
特に、走って追いかけてつかまえる、引っ張り合うといった行動は、犬に本能を刺激するため、「ボール遊び」や「引っ張りっこ遊び」を好む犬が多いのです。
おもちゃを離してもらうコツ
犬が飼い主さんのところにおもちゃを持ってくるのに離さない場合は、引っ張りっこで遊んで欲しいと思っていることが考えられます。そのため、おもちゃを取り上げようとして引っ張るほど、犬も余計に楽しくなって興奮してますます離さずに強くくわえるでしょう。
このような場合は、あえて引っ張り返したり追いかけて取り上げたりせずに犬がおもちゃを離すのをただ待ってみてください。遊んでもらいたいと思っている犬は、相手をしてもらえないとおもちゃへの興味も失い、どうすれば遊んでもらえるのか他の方法を考えるでしょう。
引っ張りっこ遊びをする場合は、飼い主さん主導のルールを教えることが大切。遊びはじめを飼い主さんからにしたり、引っ張り合うなかで「離して」「出して」の合図を教えましょう。犬がルールに従えない場合は、遊び自体をやめてしまうと効果的です。
2.まだ片付けないで欲しい
犬がおもちゃを離さないとき、「まだ遊んでいるから片付けられたくない」と思っている場合もあるでしょう。大好きなおもちゃで遊んでいるときに、飼い主さんに渡したらそのまま片付けられてしまったというような経験があると、犬はなかなかお気に入りのおもちゃを手放さなくなってしまいます。
全てのおもちゃを出しっぱなしにせず、飼い主さんが管理することはとても大切なことです。遊びのルールとしても望ましいことですし、犬がおもちゃに対して飽きにくくなるというメリットもあります。
しかし、片付けられたくないという思いでおもちゃを離さなくなるということも考えられるので、おもちゃ遊びのルールを決めることや愛犬の気持ちに配慮することも必要です。
おもちゃを離してもらうコツ
「おもちゃを取り上げられたらもう返してもらえない」と犬が思ってしまわないように、おもちゃを離してくれたときにすぐに片付けないようにすると良いでしょう。
犬がおもちゃを離して飼い主さんに渡してくれたらもう一度渡しましょう。また、一度片付けてもまたすぐに出してあげてください。これを何度かくり返していると、犬は「渡してもすぐに片付けられるわけではない」「おもちゃを渡してもまた返ってくる」と学習をします。
おもちゃを手放すことへの抵抗感が少なくなるので、スムーズにおもちゃの受け渡しができるようになるでしょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
おもちゃを離してもらうために、何かと交換するのも効果的。愛犬の好きな食べ物やおやつを用意して食べている間におもちゃを片付けてしまいましょう。それでもおもちゃを離さない時は無理に取り上げるのはNGです。
無理やり取り上げると警戒してしまい、交換ができなくなってしまいます。また、交換におやつなどを利用する際は、与えすぎにも注意が必要です。
3.自分だけのものにしたい!
犬が飼い主さんのところを離れておもちゃを抱え込んでいたり、誰かに取られないように離さない場合は、所有欲や独占欲の強さが考えられます。
自分のものを誰かに触られることを嫌がったり、飼い主さんが他の犬を可愛がると怒ったりする犬の場合は、おもちゃへの所有欲も強い可能性があります。ただ離さないだけでなく、おもちゃを奪われると思って攻撃することもあるので注意が必要です。
おもちゃを離してもらうコツ
おもちゃに執着して離さないときは、力づくで無理やり取り上げられることは絶対にNGです。こうした対応を取ると犬は飼い主さんに対して敵意を持って攻撃する場合もあります。所有欲が強い犬の場合は、まずは「ひとり遊び用」と「一緒に遊ぶ用」のおもちゃを分けるようにしましょう。
ひとり遊び用のおもちゃは、出しっぱなしにして犬が好きなときに遊べるようにしてかまいません。一緒に遊ぶおもちゃは、引っ張りっこ遊びなどができるように大きめのものを選んだり、ひもをつけるなど飼い主さんの手元から離れないようにしましょう。
一度手放すと自分のハウスやベッドに持ち込んでしまうことがあります。そのような状況にならないように常に飼い主さんの手が触れないようにしましょう。その上で「離して」「ちょうだい」のトレーニングを徹底して行うことが必要です。
まとめ
犬がおもちゃを離さないことは、ごく自然な行動でもあります。大好きなおもちゃを、「離したらもう戻ってこないかもしれない」「誰にも渡したくない」と思うのは当然のことですよね。
それでも、離してもらわないと困ることもありますし、上手に遊ぶためにもスムーズに離せるようにしておくことは大切です。
愛犬の気持ちを考えながら、しっかりとコミュニケーションをとって上手におもちゃ遊びをしてくださいね。