犬が反応しがちな『音』5選!それぞれの特徴や癒やし・ストレスを与える音の種類とは?

犬が反応しがちな『音』5選!それぞれの特徴や癒やし・ストレスを与える音の種類とは?

犬も人も、耳から多くの情報を得て周囲の状況を把握します。しかしその精度や感度、感じ方には、違いがあります。その違いが原因で、犬と人が一緒に暮らしていく上で思わぬ障害が生じることもあります。しかしこの違いを認識しておけば、愛犬との関係をより良いものにすることもできるでしょう。犬が反応しがちな音や、音が犬に与える影響を解説します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬の聴力と人の聴力を比べてみると…

音をしっかり聞こうとする犬

人は多くの情報を視覚から得ますが、犬は視覚よりも嗅覚や聴覚から得る情報の方が多いといわれています。そのため、人と犬の聴力を比べてみると、数値的には犬の聴力の方が数倍も優れているように見えます。

<可聴域の違い(数値が高いほど高音になる)>
人=20〜20,000Hz
犬=65〜60,000Hz
※人には聞こえず犬には聞こえる犬笛の周波数は約30,000Hzです

<可聴音圧の違い(数値が低いほど音が小さくなる)>
人=最低0db
犬=最低−5db

違いは数値だけではありません。聞こえ方についてもだいぶ違いがあることが分かっています。

例えば、『人は2つ以上の周波数を含む音を聞き分けられるが、犬には聞き分けられない』といわれています。

また、人間は音源に背を向けていても自分の背後で音が鳴っていることを認識できますが、犬は音源の方向に耳を合わせないと聞き取れません。そのため、音源の方向に耳を合わせて必死に音を聞き取ろうとします。

このように、犬と人の聞こえ方には数値では表せないような違いもあるため、単純に「犬の聴力は人間の◯倍」とは言えません。しかし、少なくとも私たちには聞こえない高音や小さな音が聞こえていることは確かです。

このことは、同じ家にいても、愛犬には私たちには聞こえない「エレベーターの稼動音」「壁の中の排水管を流れる水音」「外の足音や話し声」などが聞こえているということを意味しています。この違いを意識すれば、双方がより心地よく暮らせるようになるでしょう。

犬が反応しがちな「音」

雷と犬

ではここからは、犬が反応しがちな「音」について解説しましょう。犬がつい反応してしまう音の種類を把握できれば、愛犬が暮らしやすい環境を構築する上で役に立つかもしれません。

1.獲物となる小動物の声

犬が主に獲物としていた小動物が発する声や、それに近い周波数の音(約8,000Hz)には敏感に反応します。

犬はこの音を感知すると、音源の位置を定めてしっかりと音を聞き取ろうとして、首を傾げたり耳の角度を調整したりというような仕草をします。

2.犬の遠吠え

犬の祖先は縄張りを作り、群れで狩りをしていました。そのため、狩りを始める合図を森に散らばっている仲間たちに知らせるため、また縄張りに侵入しようとしている他の動物を威嚇するために、遠吠えをしていました。

そのため今でも外飼いの犬は、他の犬の遠吠えを聞くとそれに同調して遠吠えを始めることがあります。

また、救急車や消防車のサイレン音を聞くと遠吠えを始める犬もいます。これは、サイレン音が犬の遠吠えの周波数と近いためだと考えられています。

3.経験上良いことがあると予測できる音

犬は、何か音を聞いた直後に起こった出来事とその音を結びつけて記憶します。そのため、なにか良いことが起きると予測できる音には、敏感に反応するようになります。

例えばドライフードの袋や缶を開けたり、器にフードを入れたりする音などです。また散歩好きな子は、飼い主さんが散歩に行く準備をしている音にも敏感に反応するでしょう。

また、普段から留守番時間が長い犬の場合は、飼い主さんが帰宅するときの足音や鍵束、車の音などにも敏感です。

4.雷、花火、工事の衝撃音など

本能的に恐怖を感じる音もあります。雷、花火、工事の衝撃音などの、地を揺るがすような大きくて低い音(低周波)です。

低周波は、自分よりも遥かに体の大きな動物が発する音なので、身の危険を感じる犬が多いのです。また突然耳にする音なので、より恐怖心を煽るのかもしれません。

5.経験上嫌なことがあると予測できる音

音と出来事が関連した記憶は、良いことに限りません。嫌なことが起きると予測できる音にも、敏感に反応します。

いきなりドライヤーで強烈な風を吹き付けられた、恐怖心を煽るように自分に向かって掃除機をかけられた、などを覚えていて、ドライヤーや掃除機の音を聞いただけで逃げ出す犬もいます。

また、インターホンが鳴ると知らない人が家に入ってくる、電話が鳴ると飼い主さんが自分を無視して長話をするといった経験から、インターホンや電話の音を嫌うようになることもあります。

「音」が犬に与える影響

愛犬に話しかける飼い主

では、犬が反応しがちな音について理解できたところで、今度は癒しやストレスなどの影響を与える音の種類について考察してみましょう。

高揚感

飼い主さんが愛犬に向かって呼びかけるときの少し高めの明るく優しい声色は、愛犬を喜ばせ、高揚した気持ちにさせます。

意識してこの声で褒め、同時に撫でる、ご褒美をあげるといった経験をさせると、愛犬は褒められているとしっかり認識できるようになっていきます。

癒やし

飼い主さんが愛犬に向かって「かわいいね」などと小さな声で優しくささやくときの声色は、愛犬の気持ちを落ち着かせ、安心させます。これも、音と経験を繰り返すことで、より強化されていきます。

またある種のクラシック音楽は、犬の気持ちを落ち着ける効果があるといわれています。犬によって効果に差があるでしょうが、悪天候の日などは愛犬が落ち着くようなクラシック音楽をかけ、外の音をなるべく聞こえないようにするのもよいでしょう。

緊張感

家の外や散歩中の暗がりから聞こえてくる話し声や犬の鳴き声などは、愛犬を警戒させ緊張を引き起こします。

寝床は窓際や玄関脇を避け、なるべく外の音が聞こえづらい場所を選びましょう。立地によっては、四方八方からさまざまな音が聞こえてきます。人には聞こえない音も犬には聞こえていると意識することは、とても大切です。

恐怖感

人が不機嫌な時に出す低くて大きな怒鳴り声、自然界にはない金属音や警報音などの高音、大型車のエンジン音などは、犬の恐怖心を引き起こします。

地声が低くて大きな声の飼い主さんは、意識して高めで優しく小さめの声で話しかけるようにすると良いでしょう。

まとめ

片耳をあげる犬

万が一愛犬が嫌な経験をして苦手な音ができてしまっても、その後の環境改善と新しい経験によるその記憶の書き換えにより、苦手な音を克服させることができます。

ただし自己流ではなく、動物行動学に強い獣医師やドッグトレーナーなどの専門家に相談しながら克服していくことをおすすめします。

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