犬が夏に食欲減退してしまう理由
犬は熱を発散させるのが苦手な動物です。人間と違い、全身が被毛で覆われており、汗もほとんどかけないので体温調節が難しいからです。そのため、暑さから食欲が落ちてしまう子も多いのです。
では、犬が夏に食欲減退してしまう理由について詳しくみていきましょう。
1.胃腸や消化器官の不調のため
暑さによる夏バテは、胃腸や消化器官のはたらきを弱めてしまいます。便が緩くなったり、反対に便秘が続いてしまうことも。
食べることでお腹の調子が悪くなるので、犬も積極的にご飯を食べなくなってしまいます。
2.運動不足気味になるため
「うちの子、夏はあまり散歩にいきたがらないな」ということはありませんか。
朝・晩の涼しい時間とはいっても、犬にとっては人間より暑さを感じます。日中のお出かけも控えざるを得なくなり、散歩の時間も減ってしまうと慢性的な運動不足になってしまいます。
1日の活動量が減ると、あまりお腹が空かないことも。そうすると、ご飯を食べる量は必然的に減ってしまいます。
3.過剰な水分摂取のため
愛犬が水をあまり飲んでいないことを気にして、必要以上に水分補給をさせていませんか。実は水分の取りすぎで胃酸が薄まってしまい消化不良を引き起こしたり、水分が多すぎるために下痢になる場合もあります。
消化器官の不調は犬の食欲減退につながってしまいます。もちろん熱中症予防のためにも水分摂取は大切ですので、愛犬にとって必要量を与えることを心がけてください。体重や個体によって適正な摂取量は異なります。
4.いつものご飯に飽きてしまうため
暑さによってご飯の食いつきが悪くなったり、水分不足が気になると水分量の多いペースト状のおやつを与えたりしていませんか。これも過剰に与えるのはあまり良いとは言えません。
普段のご飯以外の方が美味しく魅力的に思い、結果ごはんに飽きてしまうこともあります。繰り返すことによって「ご飯を食べなければおやつがもらえる」と学習します。
食欲が落ちているというよりも、わざと食べずにおやつをもらう、という構図が出来上がってしまうので注意が必要です。
夏バテ防止!ご飯の工夫やポイント
夏バテによる食欲減退は、元気があるのに食欲だけがないという特徴があります。しかし、元気だからとその状態が慢性化すると、体が栄養を吸収しづらくなってしまい、免疫力の低下から病気にかかりやすくなってしまいます。
いつものご飯にプラスすることで、食いつきがよくなる夏バテ防止になる食材やトッピングをご紹介します。最近食欲が…と気になる愛犬のためにぜひ試してみてください。
- 旬の夏野菜
- 豚肉
- 煮汁やだし汁
- ウェットフード
夏が旬のきゅうりやトマトは水分量が多いので、体を冷やす効果が期待できます。低カロリーなのでおやつとしてもおすすめです。犬にとって消化吸収が良い高たんぱく・低脂肪の食材である豚肉は、疲労回復も期待できるので夏場は積極的に与えたい食べ物です。
肉や魚、野菜を茹でたあとの茹で汁や、塩分を加える前のだし汁をいつものドライフードにかけてあげるだけで、美味しそうな匂いが犬の食欲をそそります。2日に1回などドライフードと交互にウェットフードを与えてみることも良いでしょう。水分量が多いので夏バテ防止にもつながります。
このように犬の夏バテを防止するご飯のポイントは、まず愛犬に「食べてみたい」と思わせることです。普段与えていない食べ物は新鮮に感じますし、良い匂いは人間も食欲をそそられますよね。
また、水分量やたんぱく質の多い食材を積極的に与えてみましょう。食べ過ぎにならないよう必要摂取カロリー内に収めてくださいね。
まとめ
犬が夏に食欲が落ちる理由は、愛犬自身の体の不調もあれば、飼い主さんの心配からくる行動ゆえの理由もあります。
犬は暑さが苦手なので適正量の水分補給と、食いつきがよくなるご飯の工夫をして夏バテ防止に努めましょう。