愛犬がする「困った行動」と対処法
どんなに可愛がってしつけていても、愛犬の「困った行動」に悩むことはありますよね。ましてや初心者の飼い主さんならなおさらのことではないでしょうか。
そこで今回は、愛犬がする「困った行動」を対処法とともに解説します。
1.吠える
日本の住宅事情では、犬の吠える声にとても気を遣ってしまいますよね。しかし、無駄吠えといっても犬にとっては「無駄」ではなく何らかの意味や原因があるのです。
まずは愛犬が吠えていた場面・状況を思い出してみましょう。何らかのきっかけが思い当たりませんか?犬は、構ってほしいときの要求であったり、見知らぬ人や車が来た時に恐怖や威嚇であったり、飼い主さんと離れて心細く不安であったりする際に吠えているのです。また、体のどこかが痛かったり、認知症のなどの病気の症状が出ているときも吠えることがあります。これらは、理由や原因別に対処する必要があります。
構ってほしい要求から吠える行動が見られる犬の場合、飼い主さんは犬が吠える度に何らかの声掛けをしてしまっていることが多いようです。これは犬の「構って」という要求を叶えてしまっているから。吠え始めたら遊びを中断してクレートに入れたり、徹底的に無視して部屋を出たりするなどして、「犬が吠えても要求は通らない」ことを教えてあげましょう。吠えていないとき、静かに遊びの誘いをしてきたときにはしっかりかまってあげることを忘れずに。
恐怖や不安から吠えている場合、不安となっている事柄に少しずつ慣れさせてあげることが大切です。犬の居場所を外が見えないところにする、音が出る物を怖がる場合は音を出さずに近くに置いたり、遠いところから音を聞かせるなど順番に慣らしていきます。
来客時のインターホンに吠えてしまう場合は、日ごろから何でもないときに名前を呼んで近くに来させたり、簡単なコマンドを指示したりしててそれが出来たらご褒美をあげるという練習をしておくと良いようです。来客があっても、すぐ犬を近くに呼び寄せることが出来るようになります。
監修ドッグトレーナーによる補足
無視をする方法として、60秒程度吠なかったら褒めてあげましょう。繰り返しおこなってもずっと吠え続けるようであれば、別の方法に切り替えることも大切です。
2.噛む
犬は、本能的に噛む行動をとります。食べること以外にも物を掴んだり取り除いたりするときにも口を使います。人間の手と同じようなものなのかもしれません。そんな犬の「噛む」という行動には様々な理由があります。物に対する独占欲が発揮されたときであったり、怖いものや嫌なものから逃げたかったりするときに噛む犬もいます。
また構ってほしい時や撫でてほしい時に、飼い主さんの手を掴むつもりで噛んでしまう場合もあるでしょう。飼い主さんが「痛い」と反応することが、犬にとっては「構ってもらえた♪」と捉えられてしまうことがあり、噛む行動が強化されることがあります。これらも理由別に対処することが求められます。
吠えるときと同様に「構って」という要求で噛む場合は、徹底的に無反応・無視をするようにします。噛んでも良いことがないと教えるのです。また、普段は噛んでも良いおもちゃを与えて噛む本能を満足させてあげることも大切です。
ブラシや歯磨き、嫌なところを触られるなど嫌な事から逃げたくて噛んでいる場合は、「嫌なこと→楽しいこと」と覚えてもらうようにすると良いでしょう。根気が必要ですが、ブラシをする際におやつを少しずつ与えて「ブラシ=おやつ」として慣れていくと噛まなくなっていきますよ。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬がブラシに吠えてしまう場合は、家で無理にブラシに慣れさせるのは注意が必要です。
慣れてもらうまでは、トリミングサロンでプロの方にブラッシング等をお願いしましょう。その際に、愛犬が嫌がらないブラッシング方法やブラシなどについても教えてもらうと良いですよ。
3.トイレの粗相
室内飼育の場合、排泄の場所を覚えてきちんとそこでしてくれることは重要です。しかし、何度教えても覚えてくれないこともありますよね。これは、犬にとってはなかなか難しい問題です。トイレシーツの上でしているつもりという場合もあるでしょうし、そもそもトイレシーツの上でしなければいけないことを理解していない場合もあります。
この場合は、環境を整えてあげることが先決です。トイレシーツやトイレトレイなど、トイレスペースの大きさを見直しましょう。小型犬だからといってどんな犬種の子にもトイレシーツをレギュラーにしたり、トレイを小さなものにする必要はありません。むしろ体が全て入っても、余裕がある程度の広いスペースを作ってあげたほうが失敗を減らせます。また、男の子の場合は片足を上げて排泄をすることもあるため、壁に立てかけられるトレイを使うのも一つの方法です。
子犬の場合は、トイレシーツの足ざわりを覚えるまではサークルを使って行動スペースを制限してみても良いでしょう。この感触の所で排泄すると褒められると分かると、子犬はそそくさとそこへ行ってしゃがみ込むことが多くなります。
中々トイレの場所を覚えてくれない場合、「構ってほしい」というサインであったりトイレまで尿意を我慢できないなどの問題があるかもしれません。そのような場合は、散歩や遊びの時間を見直したり動物病院で検査をしたりすることも視野に入れてください。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬のトイレトレーニングはいくつになっても可能ですが、トイレがしっかりできるようになるまでには個体差があります。1週間程度で覚える子もいれば、1年かかってしまう子もいます。
飼い主は、愛犬の性格やペースに合わせて覚えてくれるまで根気よく諦めずに続けることが大切です。
まとめ
愛犬の「困った行動」は、実は犬にとっては何らかの理由があるため放置してはいけません。日頃からよく愛犬のことを観察し、どのようなタイミングでその行動をするのかを把握することでスムーズに対処することが出来るようになります。
ただし、病気などでその行動が強化されていることもあるため、痛みがある様子や体調が悪そうな様子があれば、早めに動物病院を受診しましょう。