長い鼻・顔を持つ犬種とそれぞれの特徴
では、長い鼻・顔を持つ犬種にはどのようなものがあるでしょうか。
1.ボルゾイ
ボルゾイは、新幹線のように長い鼻先と流線形の体が特徴です。見た目の通り走るのは得意で、ロシア貴族に愛されたこともあり、優雅な印象を持ちます。
ロシア原産ですが、中東の犬を祖先に持つと言われています。狼狩りに使用され、ロシアの寒さに耐えられるように改良されました。
ギネスブックに「世界一鼻の長い犬」という記録はありませんが、世界一長いのでは、と言われている犬はボルゾイです。
2.グレーハウンド
グレーハウンドはボルゾイと同じく、長い鼻先と筋肉質の引き締まった体を持つ犬です。走るのが得意で時速70㎞以上で走る犬もいます。
ヨーロッパで猟犬として使われ、西洋絵画によく描かれています。しかし古代エジプトやギリシャの遺跡にもグレーハウンドのような犬が描かれ、中東の犬を祖先に持つとされています。
3.サルーキ
サルーキは、長い顔と脚に飾り毛が特徴的な犬です。古代エジプト王に愛された犬と言われ、壁画にも描かれています。
肋骨が浮き出るくらい体脂肪が少なく、こちらも時速70㎞以上で走ることができる犬もいます。
4.アフガンハウンド
アフガンハウンドは、人間のロングヘアのような飾り毛が特徴です。引きずるほど長い被毛は寒暖差から体を守るためのものです。山岳地帯を走るために体高も高く、スラリとした美しい犬です。
『旧約聖書のノアの箱舟に乗った犬』と伝えられ、古い歴史を持つ犬とも言われています。
原産国のアフガニスタンでは猟犬でしたが、美しい見た目から、ヨーロッパでは鑑賞用として改良されてきました。
5.ウィペット
ウィペットは、グレーハウンドを小型化した犬種です。農村でウサギを退治するためにつくられた犬と考えられています。長い顔に引き締まった流線形の体を持ち、走るのが得意です。
グレーハウンドとイタリアングレーハウンドの中間の大きさで、短毛のため被毛の手入れはしやすいです。
6.ラフコリー
ラフコリーは、長い顔と脚、白・茶・黒の美しい被毛を持つ犬です。スコットランド原産で牧羊犬として活躍していましたが、ヴィクトリア女王に気に入られてイギリス貴族の間で流行しました。
『名犬ラッシー』に登場する犬で、穏やかで家庭犬に向いています。飼い主には忠実でも防衛本能が出てしまうことがあるので、しつけはきちんとしましょう。
長い鼻・顔を持つ犬種に共通する特徴
ここからは、長い鼻・顔を持つ犬種に共通する特徴について解説します。
充分な運動量が必要
どの犬種にも共通しているのは、引き締まった脂肪の少ない体です。祖先は砂漠地帯で狩りをしていた犬が多く、走るのが得意でスタミナがあります。
これらの犬種を飼育するには、毎日充分な運動量を確保できることが絶対条件です。
骨折など骨の病気や歯の病気が多い
他の犬種と比べて体力のある犬種ではありますが、骨が細いことから骨折しやすいです。大型犬でも高所から落ちると簡単に骨折するので、飼育には注意が必要です。
また骨の病気を発症する、歯並びが上手く形成されないということから大掛かりな治療が必要になることもあります。
被毛の手入れが大変
艶のある被毛をなびかせて走る優雅な犬種が多いため、日頃のお手入れはもちろん大変です。
また、皮膚炎になりやすいデリケートな犬種が多く、大型犬なのでトリミング代もかかります。
眼疾患
長い顔を持つ犬種には猟犬として使われていた犬が多く、動体視力が発達しています。特殊な顔の形をしていることから、正面よりも側面の方がよく見えるとされています。
しかし、眼疾患を発症する犬が多いです。先天性のものも多いので、異常を感じたらすぐに治療を受けてください。
まとめ
今回は長い鼻・顔を持つ犬種を解説しました。全身がスラリとしていて、思わず見惚れてしまうような犬種ばかりですが、貴族のようにプライドが高い面や感情を表に出さない面があり、しつけが難しい犬種もいます。
管理が難しいので、初心者には不向きです。犬の飼育経験が豊富というのも、これらの犬種を迎える際の条件になるでしょう。
もし今回ご紹介した犬種を迎えたら、手間とお金をかけ、優雅な犬生を送らせてあげてください。