犬が大好きな「ニオイ」!それぞれの好む理由
犬は人間より圧倒的に優れた嗅覚を持っており、能力は犬種や個体にもよりますが人間の100倍〜1億倍とも言われています。犬は視覚能力は低いとされていますが、その分を補う優れた嗅覚で、人間には察知できない微量のニオイを感知しながら行動に移すことができます。
そんな犬には、私たち人間には到底理解できないニオイの好みが存在しています。愛犬と暮らす中で、「なぜこんなニオイが好きなの?」と首を傾げた経験を持つ方もいるでしょう。
その疑問を解くために、ここでは犬が大好きな「ニオイ」とそれぞれの好む理由についてご紹介します。
1.たんぱく質の多い食べ物のニオイ
肉食動物の犬は、全般的にたんぱく質のニオイを好む傾向があります。犬は生きるために食べ物のニオイに強く反応する性質を持っており、その中でも肉や魚のようなたんぱく質のニオイには瞬時に反応できます。
さらに犬は、ニオイを細かく解析する能力を持っています。愛犬がいつもより高い肉に鋭い反応を示すのは、優れた嗅覚のおかげなのでしょう。
2.甘みのあるニオイ
犬の舌はあまり甘味を感じることはできないとされていますが、甘みのある香りに強く反応を示す犬は多いようです。実際に「バニラのニオイをしつこく嗅ぐ」「さつまいものニオイが好きみたい」といった愛犬家による口コミが見られます。
ただ、強い甘みに対して敏感に反応を示しても、食べたいかどうかはその犬の好みに分かれるようです。
もし犬に甘い食べ物を与えるなら、犬用のおやつやさつまいも、果物のような安全な食べ物を選んでください。チョコレートやバニラアイスクリームといった、犬が食べると中毒物質を含む可能性のある物は与えないようにしましょう。
3.飼い主のニオイ
犬は飼い主本人も大好きですが、飼い主のニオイも大好きです!犬が飼い主のニオイを嗅ぐ行為は、犬にとって大切なコミュニケーションの一貫です。
また、犬はニオイの違いを敏感に感じ取る能力を持つため、飼い主の微妙な変化にも気づくことができます。疲れている時に犬が心配しているかのような態度を取るのは、飼い主のニオイから何かを感じ取っている可能性が高いです。
4.ほかの犬のニオイ
愛犬と散歩に出ると、ほかの犬をクンクン嗅ぎまわったり、ほかの犬が残したと思われるニオイを執拗に嗅ぎ続けたりする光景を度々目撃するかと思います。犬はお互いのニオイを嗅ぎながら情報交換を行うので、基本的にほかの犬のニオイに強い興味を示します。
犬同士がお尻のニオイを嗅ぎ合うことを「犬の名刺交換」などと呼ばれることがありますが、ニオイだけで相手の性格や健康状態など詳しい情報を得ているというのですから驚きですよね。
ただし、犬のタイプや相性によっては過剰な挨拶を嫌がられるケースもあります。ほかの犬の反応に合わせて、飼い主は愛犬の行動を制限した方がいいでしょう。
5.血液や体液のニオイ
犬は野生の本能的に、血液や体液のニオイに鋭く反応を示します。好きかどうかはその犬にもよりますが、たんぱく質が含まれる血液や体液には本能的に反応してしまうのでしょう。
独特なニオイがするため、人間にとってはあまりいいニオイとは思えないですよね。しかし犬にとっては、情報収集のために嗅ぎたくなるようです。
6.ミミズのニオイ
犬はミミズのニオイを好む傾向があり、それも腐りかけのミミズのニオイに反応を示すことがあります。犬がミミズに体をこすりつける行動を見せることがありますが、「好きなニオイをつけたい」という意味がある、と言われています。
また、「泥臭いミミズのニオイで自分の体臭を消して身を隠したい」という野生的な意味もあるようですが、本当のところはわかりません。犬がミミズのニオイにやたら反応するのは、猫がまたたびに興奮するのと近いのかもしれないですね。
7.人間が臭いと感じるニオイ
犬が好むニオイはほぼ、人間にとって決していいニオイとはいえないでしょう。身近な所でよく見かけるのは、汗臭いニオイがついた飼い主の靴下に犬が興奮する様子です。
人間にとっては理解しがたい犬の行動ですが、それが汗臭いものだとしても大好きな飼い主のニオイであるのは間違いありません。ほかにも、ほかの犬の糞尿や生ごみといった臭いニオイにも犬は強い反応を示します。
ニオイの好みはその犬にもよりますが、鼻から情報収集をする犬にとって強い興味を示す対象物になります。そのため、人間が臭いと感じるニオイに愛犬が興味を示しても、自然な行動のひとつだと受け止めてみてください。
まとめ
犬の嗅覚は私たち人間が想像できないほど優れているので、無我夢中になってニオイを嗅ぎ続ける愛犬を見かけてもそっと見守ってあげましょう。
犬が好むニオイの理由を知ることで、全ては無理ですが少しでも理解することができるのではないでしょうか。
愛犬からしつこく嗅ぎ回られるのがつらい、と感じることもあるかもしれませんが、犬にとっては大切なコミュニケーションの一貫です。ぜひ満足するまで嗅がせてあげてみてください。