犬の洋服は本当に必要?
「犬に洋服は絶対必要!」「犬に洋服なんていらない」どちらの意見も聞いたことがあるのではないでしょうか。
結論から言うと、犬に洋服が必要かどうかはケースバイケースで、その犬の体質や状況によって必要性が異なります。
この記事では、犬に洋服が必要なタイミングや犬のタイプ、洋服を着せるときや選ぶときの注意点を解説するので、しっかりチェックしておきましょう。
洋服を着せるべきタイミングや犬種
では、まずは犬に洋服を着せるべきタイミングや犬種について解説します。どんなときに犬の洋服が必要になるのかを学び、上手に活用しましょう。
極端な暑さや寒さ、雨のとき
まず犬に洋服が必要になるタイミングが、体温調整のサポートが必要なときです。寒さが厳しいときには犬の被毛だけで体温をしっかりと守れなくなることがあるので、洋服を使って保温することが必要です。
特に、暑い地域が原産の犬種は、寒さに弱い傾向があるため、日本の冬の寒さに耐えられない場合があります。また、下毛のないシングルコートの犬種も、体温を保温する機能が弱いため、寒い時期には洋服を利用するといいでしょう。
暑い時期には冷たい水で濡らした洋服を着せたり、黒い被毛の犬には白っぽい色の洋服を着せたりするのが暑さ対策に効果的です。
さらに、雨の日にはレインコートを利用することをおすすめします。水を嫌がらない犬であっても、濡れてしまうと体が冷えることがありますし、散歩のあとも濡れたままできちんと乾かせずにいると皮膚に雑菌が繁殖してしまう可能性があります。
汚れや抜け毛を防ぎたいとき
外に遊びに行くときに洋服を着ておくと、被毛が汚れることを防ぐことができます。多少の汚れは仕方のないことですが、散歩に帰ってから十分なケアができないときなどは、洋服を着せておくと安心です。
反対に、他人の家に遊びに行くときやドッグカフェなどに行くときは、洋服を着せておくことで抜け毛が散らばることを防ぐのに役立ちます。
怪我やトラブル予防、掻きむしりを予防したいとき
山や川、湖など自然の中で犬を遊ばせるときは、洋服を着せておくと枝や岩などで体に傷がつくことを防げます。また、水遊びをするときは、ライフジャケットを着せて安全確保をすることも大切です。雪遊びするときは凍傷予防のために、スノーブーツなどの靴を使うといいでしょう。
ちなみに、洋服は皮膚を保護することにある程度役立ちますが、ノミ・ダニ予防としてはあまり意味がありません。ノミ・ダニ予防や必ず駆虫薬を使用しましょう。
アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などで痒みが強い場合、掻くことで症状をさらに悪化させることがあります。まず痒みを抑えることが先ですが、同時に皮膚を保護する服を着せて、掻き壊さないようにすることができます。皮膚疾患がある場合は、必ず獣医師に相談しましょう。
子犬や老犬
子犬や老犬の場合、皮膚がデリケートであったり体力があまりなかったりすることから、頻繁にシャンプーするのはNGです。そのため、体の汚れをできるだけ防いでシャンプーの回数を減らせるように、洋服を利用するといいでしょう。
また、どちらも体温調節が上手にできなくなりがちなので、若い頃よりも寒がりになる傾向があります。子犬や老犬の場合は、寒さ対策として積極的に洋服を取り入れるといいでしょう。
さらに、子犬の場合はしつけトレーニングの一貫として、洋服を着せてみるようにしましょう。今後、病気や怪我をしたとき、体に包帯を巻いたりエリザベスカラーを使用したりすることも考えられます。
本当に洋服が必要になったときに嫌がってしまわないように、洋服を使って体に何かを身につけることに慣らしておくことをおすすめします。
犬に洋服を着せるときのNG行為
ではここからは、犬に洋服を着せるときのNG行為について解説します。愛犬のために良かれと思ってしていることでも、実は犬にとっては負担になっている場合もありますので注意が必要です。
嫌がっている場合に無理やり着せる
犬に洋服を着せるときに、嫌がっている犬に無理やり着せようとするのはNG行為に該当します。
犬にとって洋服は、絶対に着なくてはならないというわけではありません。
状況に合わせて他のものでも対応できる場合があります。それと並行して、子犬期からおやつを使いながら、少しずつ洋服を着せる練習をするようにしましょう。
見た目重視で着心地を重視しない
犬の洋服は可愛いものがたくさんあります。しかし、その可愛さなどの見た目だけで選ぶのはNG行為です。見た目重視ではなく、犬の着心地を重視して選ぶようにしましょう。
犬が体を動かすときにそれを妨げないように、伸縮性のある生地が使われているものを選ぶのがおすすめです。
なお、犬に洋服を着せるとき、足をおかしな方向に向けて関節を傷めてしまわないように、ある程度ゆとりがあるものや前開きのものなど、着せやすいものを選ぶといいでしょう。
また、過度な装飾があるものは、被毛に引っかかったり皮膚を傷つけたりする恐れがあるので注意してください。
外と室内で同じ服を着せる
犬に洋服を着せるとき、散歩など外で着るものと室内で着て過ごすものは分けた方がいいでしょう。特に、外で着た洋服には汚れやウイルス・菌などが付着している可能性があります。
また、洋服を長時間着せたままにするのも避けた方がいいでしょう。季節などによりますが、洋服を着ていると内部が蒸れてしまって皮膚トラブルを起こすこともあります。
さらに、被毛が擦れて毛玉になってしまうといったこともあるので、洋服は必要に応じて着脱し、着替えの際に皮膚や被毛の状態を確認するようにしてください。
まとめ
「毛のある犬に洋服はいらない」と言われていた時代もありますが、今ではその土地の気候や犬の体質、状況に合わせて適切に使用することがすすめられています。
もちろん、嫌がっている犬に無理やり着せることや、見た目だけにこだわって犬の負担になる洋服を着せることはNGです。
愛犬が快適に着られる洋服を選びつつ、飼い主さんもキュートな愛犬の姿を楽しんでくださいね。