犬に"毎日お風呂"は絶対NG!の理由
犬はもとを辿れば野生動物。野山で群れの仲間達と生活する中で、季節が変わるごとに被毛は生え変わり、走り回ることで不要な被毛は抜け落ちていました。
本来の犬の習性を考えると必ずしもお風呂は必要なものではないのですが、今現在人間と共に暮らす犬は食生活も生活環境も野生の犬とは違うため、清潔と健康を保つためにも洗ってあげることは必要です。
「お風呂」と言っても人間のように入浴させる必要はありませんが、健康と清潔を保つために、適切な頻度で犬用シャンプーを使用して洗ってあげることが重要。清潔を保つためのシャンプーですが、毎日してしまうと逆効果になってしまうので要注意です!
1.皮膚に負担
犬の皮膚の構造は基本的に人間と同じで表皮、真皮、皮下組織の3構造になっています。人間と大きく異なるのは表皮の薄さになります。
犬の表皮の厚さは人間と比較すると約1/3程度と非常に薄くとてもデリケート。体の一番外側にある表皮が薄いため、外部からの刺激にとても敏感です。
皮膚の状態が比較的健康な犬であったとしても、毎日シャンプーで洗うことは過剰になってしまいます。皮膚が乾燥し、痒みなどの皮膚トラブルに繋がる可能性が大です。
どうしても汚れが気になる場合は、四肢やお尻の周りだけなど部分的にシャンプーしてあげると良いでしょう。
2.体力と精神的負担
実は犬にとってお風呂やシャンプーなど被毛を濡らす行為は、とても疲れるもの。体力的にもかなり消耗しますが、水やお湯に対して恐怖心を抱いている犬であれば、精神的ストレスも大きくなってしまいます。
それが毎日となると心身ともに保てなくなるのは想像がつきますよね。シャンプーする予定の日は愛犬の様子をしっかりと確認し、あまり元気がないようであれば違う日に変更するなどの気遣いも必要になります。
シャンプー後にしっかりと乾かしたあとは、お出掛けなどはせずにゆっくりと休ませてあげましょう。
犬種や年齢にあわせた適切なお風呂の頻度
犬にとってお風呂やシャンプーは体力や精神的な負担になってしまうこともりますが、適切な頻度で綺麗に洗ってあげないと皮膚トラブルに発展してしまう可能性が強くなってしまいます。犬種や年齢にあわせて適切な頻度で洗ってあげましょう。
基本的にどんな犬種でもシャンプーの頻度は、月に1回が目安にはなります。しかし犬種によっては、やや頻度を多くしたほうが良いケースもあります。
1.犬種別
犬は犬種によって被毛の長さが違いますよね。犬種別の適切なお風呂の頻度は被毛の長さがポイントになります。
ポメラニアンやゴールデンレトリバーなどの「長毛種」は、被毛が長いためどうしても汚れが絡まりやすくなります。
日頃のブラッシングだけで綺麗に汚れを落とすことが出来る場合は、月に一度のシャンプーで問題ありません。どうしても取り切れない汚れが多く残ってしまう時はやや頻度を多くしましょう。
チワワやミニチュアダックスフントなどの「短毛種」も、基本的には月に1回のお風呂で十分です。
皮膚を守る被毛が短いため、どちらかと言うと頻度は少なめのほうが良いでしょう。低刺激のシャンプー剤を選び、愛犬の皮膚の様子を確認しながら頻度を決めていきましょう。
パグやフレンチブルドッグなど鼻ペチャな「短頭種」は皮脂量が多いため、お風呂の頻度も多めが良いと言われています。しかし、皮膚が弱い個体が多い犬種でもあるため注意が必要です。
2.年齢別
子犬の場合、ワクチンプログラムが終了してから少しづつ水やお湯に慣れていってもらいましょう。ワクチンプログラムが終了した直後は体調を崩しやすいので、一週間ほど時間を空けてから水やお湯を少しづつ足先にかけるなどして慣れていってもらいます。
その後、しっかりシャンプーできるようになってからは、子犬も成犬も月に1回のお風呂が目安になります。
注意したいのは老犬です。老犬はどうしても体力的な衰えがあるため、お風呂の負担が大きくなってしまいます。老犬のお風呂の頻度は2ヶ月に1回。あまり汚れていない時は濡れたタオルで体を拭いてあげるだけでも良いでしょう。
まとめ
本来「体を洗う必要がない生活」をしていた犬にとって、お風呂やシャンプーは少なからず負担のかかるもの。また近年ではアレルギーを持っている犬も少なくありません。どうしても皮膚トラブルが起きやすく頻繁なシャンプーが必要になる犬も多くいます。
一番重要なのは愛犬自身に必要なシャンプーの頻度を飼い主さんが見極めることになります。皮膚トラブルがある場合は獣医さんとも相談しながら決めていきましょう。