犬の年齢を人間に換算する方法は?
愛犬の年齢を人間に換算すると何歳なのか知りたいときに、インターネットや書籍に掲載されている人間年齢換算早見表を参照している人は多いでしょう。しかし、計算式を使って犬の人間年齢を求めることもできます。それでは、その計算式をご紹介します。
1.一般的な計算式
昔は犬の人間年齢を求めるときに『犬の年齢×7』で計算されるのが一般的でしたが、現在では以下の計算式が一般的になっています。
- 小型犬、中型犬:24+(犬の年齢-2)×4=人間に換算した年齢
- 大型犬:12+(犬の年齢−1)×7=人間に換算した年齢
小型犬や中型犬と大型犬で式が違うのは、体のサイズによって成長速度や寿命が異なるためです。
小型犬と中型犬では、1歳が人間の17歳、2歳が24歳に相当し、3歳以降は1年ごとに人間の4歳分として加算されていきます。それを計算式にすると、上記の『24+(年齢-2)×4』になるのです。
一方、大型犬では1歳が人間の12歳に相当し、2歳以降は1年ごとに人間の7歳分として加算されるため『12+(犬の年齢−1)×7』という計算式になります。
例えば、5歳の小型犬なら24+(5-2)×4 =人間の36歳に、5歳の大型犬なら12+(5-1)×7=人間の40歳になります。
2.新たな計算式
最近では科学的な観点から、犬の年齢を人間の年齢に換算する新たな計算式が発表されています。犬の年齢の自然対数(ln)を16倍にして31を加えるという方法で、以下の計算式になります。
- 16ln(犬の年齢)+31=人間に換算した年齢
この計算式は、犬と人間のDNAのメチル化パターンの比較結果から導き出されています。この新しい計算式を用いると、4歳の犬は16ln(4)+31=人間の約53歳、7歳の犬は16ln(7)+31=人間の約62歳、12歳の犬は16ln(12)+31=人間の約70歳となります。
『ln』が出てきてよく分からないかもしれませんが、スマホの計算機アプリの『ln』ボタンを使って計算すれば簡単です。
ただしこの新たな計算式は、ラブラドールレトリーバーを基にした研究から導き出されているため、他の犬種には適用できないと考えられます。
犬の年齢ごとに変えるべきライフスタイルは?
愛犬の健康と幸せのためには、年齢に合わせてライフスタイルを変えることが大切です。以下では、子犬期、成犬期、シニア期前半と後半という各ライフステージで、どのようにライフスタイルを変えるべきかご紹介します。
1.子犬期(小型犬:10ヵ月齢頃まで、中型犬:1歳頃まで、大型犬:15ヵ月齢頃まで)
子犬期は、犬の一生で最も成長と発達が著しい時期です。だからこそ、子犬期は心身の成長を最大限にサポートすることを意識したライフスタイルが求められます。
まず食事についてですが、急速に成長し、活発に動き回る子犬には、より多くのエネルギーと栄養素が必要となります。そのため、子犬に必要な栄養素がバランスよく配合されている子犬専用のフード(総合栄養食)を、適切な量と回数で与えることが重要です。
次に、運動についてです。子犬は体力があり、十分な運動が必要ですが、骨や関節がまだ成長途中であるため、適度な散歩やソフトな遊びを通じて適切な運動量を保つことが大切です。
さらに、子犬期は社会性を育む大切な時期でもあるため、さまざまな人間や他の犬との交流を持つことが推奨されます。
最後に、子犬には十分な休息も必要です。子犬は成犬よりも多くの睡眠を必要とするため、快適な寝床を用意し、良質な睡眠を促しましょう。
2.成犬期(小型犬:10ヵ月齢〜8歳未満、中型犬:1〜7歳未満、大型犬:15ヵ月齢〜5歳未満)
成犬期は、犬が最も活動的でエネルギッシュな時期であると同時に、心身の安定が求められる時期でもあります。そのため、この時期はエネルギーの発散と心身の安定を両立できるようなライフスタイルにする必要があります。
食事面では、子犬用から成犬用のフードに切り替え、適切な量を1日2回与えましょう。そして運動面では、成犬期は体力とエネルギーが溢れているため、毎日の散歩や運動を通じて、それぞれの犬に合った運動量を確保することが大事です。
適切な食事と適度な運動は、肥満やさまざまな病気の予防になり、健康維持に繋がります。
精神的な面では、心身の安定を保つためにも、家族以外の人や他の犬との交流を通じて社会性を維持し、新しいことを学ぶ機会を提供することが重要です。
健康面では、定期的な予防接種や寄生虫の予防薬の投与をしっかり行うとともに、年に1回は健康診断を受けるのが理想的です。
3.シニア期前半(小型犬:8歳以上、中型犬:7歳以上、大型犬:5歳以上)
シニア期前半に突入すると、犬は徐々に老化の兆候を見せ始めます。これを踏まえ、シニア期前半は、老化の始まりと健康状態の変化を意識したライフスタイルを心がけることが重要となります。
食事については、シニア期に入るとエネルギー消費量が減るため、適正体重を維持するための食事管理が求められます。フードはシニア犬用を選択し、与える量に注意しましょう。
運動面では、シニア期前半から活動量が減少してくる傾向がありますが、筋力や関節の健康を維持するためにも、適度な運動は引き続き必要です。ただし成犬期よりも体力や運動能力が成犬期より落ちてくるため、散歩の距離やペースを適宜調整しましょう。
シニア期に入ると、健康面での問題が発生する可能性が増えるため、半年に1回は健康診断を受けることが推奨されます。
また老化に伴って、足腰が弱くなったり視力が低下したりするため、住環境を見直し、シニア犬がストレスなく安全に過ごせるように配慮が求められます。
例えば、コルクマットなどを敷いて床を滑りにくくしたり、部屋の段差をなくしたり、家具や壁の角にコーナーガードをつけたりしましょう。
4.シニア期後半(小型犬:12歳以上、中型犬:10歳以上、大型犬8歳以上)
シニア期後半、いわゆるハイシニア期になると老化がさらに進み、さまざまな健康上の問題が起きやすくなります。この時期のライフスタイルは、健康維持を中心に考えることが重要です。
食事面については、消化能力の低下や特定の疾患への対応など、より個別化されたニーズが出てきます。そのため、年齢に合ったシニア犬用のフードを選んだり、場合によっては獣医師が推奨する療法食を与える必要が出てくるかもしれません。
運動面では、関節の問題や体力の低下により、シニア期前半よりもさらに活動量が減少してくるでしょう。しかし筋力維持や心肺機能維持のために、適度な運動は必要です。犬の体力や体調に合わせて、無理のない散歩や遊びを行いましょう。
健康面では、シニア期後半の犬は4ヵ月に1回の健康診断が推奨されます。日頃から飼い主が犬の体調や行動の変化に敏感になり、犬の体調に異変を感じたら、すぐに動物病院を受診することも重要です。
またシニア期後半になると、認知機能の低下が進行する可能性があるため、簡単なゲームや新しい経験を通じて脳を活性化させましょう。
まとめ
愛犬の年齢を人間に置き換えると何歳なのかを知ることは、愛犬の成長過程を理解する上で重要です。ぜひ今回ご紹介した計算式を使って、愛犬の年齢を人間の年齢に換算してみてください。思っているよりもずっと大人かもしれません。
また愛犬が健康で幸せに生活するためには、その年齢に応じてライフスタイルを変えてあげることが大事です。子犬期からシニア期に至るまで、それぞれのライフステージに合ったライフスタイルを心掛けましょう。