犬がケガをしている時に見せる仕草
犬は人間の言葉を話すことができません。自分から「病院に行きたい」とお願いしたり、お薬を飲んだりすることもできません。
つまり、飼い主さんがいかに早く気付いてあげられるかが大事なポイントとなります。
そこで今回は、犬がケガをしている時に見せる仕草を解説します。是非愛犬の辛さに少しでも早く気づいてあげましょう。
1.体を丸める
人間の場合も手首や足首を負傷したときなど、身体をかがめて痛む部位をかばってしまうことがありますよね
犬の場合も同様で、体のどこかにケガをしている場合、その痛みを訴えることなく体を丸めて耐えることがあります。背中を丸めていたり、丸くなって部屋の隅で動かなかったりする場合は、何らかの痛みに耐えている可能性を考えましょう。
また、いつもは大喜びしている大好きなご飯や散歩の呼びかけにも応じない場合は、更にその可能性が高くなります。
2.足を地面に下ろしたがらない
前後の足や関節に痛みがある場合は、それが歩き方に見られます。ひょこひょことしていたり、妙にお尻をくねくねとさせていたりといった分かりやすい歩き方から、よく観察しないと左右や前後の足の使い方がおかしいと気が付かないものもあるでしょう。
特に足にケガをしている場合、ひょこひょこしていたり、手足を地面に付きたがらなかったりすることが多いようです。地面に下ろして当たったり、体重がかかったりすると痛みがあるのかもしれません。
3.一か所を舐め続ける
犬は、セルフグルーミングで自分の身体を舐めて綺麗にします。全体をまんべんなく舐めている場合は良いのですが、ある一か所を執拗に舐め続けている場合は注意が必要です。
皮膚に異常があったり、ケガをしていたりする場合にこれが見られます。犬の場合は体表の多くが被毛に覆われていて皮膚の異常が分かりにくいので、ずっと舐めているなと気が付いたらその部位をしっかりとチェックしてみてあげましょう。
見逃してはいけないサインと対応とは
愛犬に上記のような痛みの仕草が見られた場合、一過性のものですぐに元気になるのであればしばらく様子を見ても良いでしょう。しかし出血を伴っている場合や、食欲がない・嘔吐するなど他の症状も見られた場合は、早急に動物病院を受診しましょう。
まずは、ケガしていると思われる部位をしっかりと観察します。この時、明らかに出血を伴うケガをしていた場合は、出血の状態を確認します。キズが深いと思われる場合にはガーゼなどで患部を押さえて止血することも必要でしょう。
火傷の場合は早急に冷やします。基本的には流水で冷やすことを優先しますが、ガーゼで包んだ保冷剤を当てたりするのも良いでしょう。夏場の日中はアスファルトが焼けるように熱くなっているので肉球を火傷する子も多く、散歩の時間や道路状態などを事前にチェックすることは大切です。
いずれの場合も、表皮に傷を負っている場合は細菌感染などの危険もあるため、消毒が必要です。まず水道水でよく洗い流してください。ケガを負ってから30分以内をゴールデンタイムといい、この間に洗い流すことが重要です。人間用の消毒薬ではアルコール成分が強すぎることもあるので、出来る限り動物病院で処置してもらった方が安全でしょう。
また、丸くなって動かなくなってしまっている場合は、ケガの状態と合わせて愛犬の食欲と元気さをしっかり確認して下さい。誤飲で消化管閉塞を起こしていることもあるため、嘔吐などの症状があればすぐに動物病院へ行きましょう。
まとめ
「ちょっとした擦り傷、切り傷くらいで動物病院は大袈裟では…?」ということもあるため、ケガをしていても犬が痛がっていないようであれば様子も見ても良い場合もあります。
ただし、明らかに傷が深い場合や火傷、脱臼などのケガをしている時は早急に受診してください。
小さなケガでも場合によっては化膿したり、その他の感染症の危険もあります。様子を見て少しでもおかしいと思った場合はケガをした際や気が付いたときの状態などをしっかりと獣医さんに伝えることが大切です。