まずは犬の「耳の形状」を把握しよう
犬は犬種や血統によって耳の形状が異なり、その形状は大きく3つに分かれています。一般的にはぴんと根元から立ち上がっている立ち耳、立ち耳の中ほどから先端部が折れている半立ち耳、根元から後方あるいは下方に垂れさがっている垂れ耳の3種類です。
耳の種類を知っておくことは、犬の耳がどんな様子の時にどんな向きであったかなど、普段の観察に役立ちます。立ち耳の子の耳が一番動きが大きくて分かりやすく見えますが、垂れ耳の子の耳もいつもより立ってるな、いつもより後ろに倒しているなと気付くことができますよ。
立ち耳の犬種
立ち耳は柴犬、ハスキー、シェパードのようにぴんとまっすぐ立ち上がっている耳もあれば、チワワやパピヨン、フレンチブルドッグのように先端が横にひらくように立っている耳もあります。
半立ち耳の犬種
半立ち耳はボーダーコリー、シェトランドシープドッグ、ジャックラッセルテリア、ブルドッグなどに見られます。先端部分で折れていたり、中ほどで折れていたりと、これらももっと細かく分けることができます。
垂れ耳の犬種
垂れ耳はゴールデンレトリバーやダックスフンド、キャバリアなどに見られます。こちらも顔の側面に垂れる耳であったり、後ろ側に垂れる耳であったり、根元は軽く立ち上がって残りが垂れている耳であったりと、バリエーションがあります。
耳から読み取る心理
1.いつもよりぴんと立っている
立ち耳の子の耳が正面を向いてぴんとしているとき、垂れ耳の子の耳が根元が立ち上がって顔全体が逆三角形に見えるとき、これは緊張であったり警戒であったり、あるいは注目しているものがあるというサインです。
耳の様子とともに表情や視線を観察してみましょう。不安そうな顔をしていれば、何か不穏な音を拾ったのかもしれません。じっと一点を見つめていれば、そこに気になるものがあるのでしょう。視線の先に犬がいる場合、ちょっと強気になっている状態なので吠えたり突撃したりしないように注意してあげましょう。
2.後ろに寝かせている
立ち耳の子の耳が後ろ側にぺたりと寝ている場合、垂れ耳の子の耳の根本が後頭部へ引っ張られるように後ろ側に行っている場合、相手に対して友好的な気持ちを表しているサインです。飼い主に対してであれば甘えたい気持ちでしょうし、よく知らない相手や犬に対してこ唸る場合は敵意がないことを表しています。
また、この時の表情には注意が必要です。不安そうな顔をしていたり上目遣いがあったり、尻尾を丸めている場合は対手に恐怖を感じている状態であることが多いです。知らない人が上から手を伸ばしたりすると、こういった表情をして嫌がることがあります。
3.前傾気味になっている
立ち耳の子の場合によく観察できる耳の様子です。こちらはかなり緊張して、興奮している状態を表しています。視線の先によその犬がいたり、なにか気になるもの(普段見かけないもの、怖いことがあったと覚えているもの)があったりすると、警戒心の高まりとともに耳が前傾していきます。
この場合、興奮が高まりすぎないうちに対象から離れてしまうのが良いでしょう。相手が犬の場合、喧嘩を吹っ掛けてしまうことになるからです。吠えたり喧嘩したりして叱られてしまうと、ますますその相手に対して苦手な意識がついてしまいます。
まとめ
犬の耳は実はとても細かく動きます。左右で違う動きをすることもありますし、その動きで周りの様子をしっかり把握しようとしているんですね。
犬の耳の状態だけでなく、表情や視線の先なども確認してあげると、より一層彼らの気持ちを理解することにつながるでしょう。