犬臭くない犬種とは
さまざまな犬種の中でも、頻繁なシャンプーやお手入れが必要な犬種もいれば、体臭が少ないと言われている「犬臭くない犬種」も存在します。
そこで今回は、「犬臭くない犬種」について解説します。
1.プードル
愛玩犬としてのイメージが強いですが、意外にも水鳥の狩猟の際に回収犬として活躍してきた歴史をもつプードル。大きさによってスタンダード、ミディアム、ミニチュア、トイの4種類に分けられる犬種で、どの大きさでも比較的体臭が少ない傾向にあるといわれています。
頭が大変よく、しつけしやすい犬種です。可愛らしいくるくるとしたシングルコートが特徴的で、抜け毛も少ないためニオイにくいのですが、毛並みにもつれや毛玉ができやすい面もあり、こまめなブラッシングは必須です。
2.チワワ
トイプードルと並んで大人気のチワワも、犬臭くない犬種だといわれています。
犬は体の大きいものほどアポクリン腺も多くなるので、大型犬の方がよりニオイやすく、小型犬のほうがよりニオイにくいと考えられています。チワワは超小型犬といわれるほど小さく、アポクリン腺も少ないので犬臭くない犬種といえるでしょう。
愛くるしい見た目と甘えん坊な性格に魅了されている方も多いはず。特徴でもある大きな目から目ヤニや涙やけになりやすく、そこからニオイがすることもありケアが必要です。
また、ロングコートの場合はその長い被毛の中に犬臭さがこもるので、ブラッシングをこまめにしてあげることをおすすめします。
3.バセンジー
「バセンジー」という名前に聞きなれない方もいらっしゃるかもしれません。中型犬に属する犬種で、引き締まったスタイリッシュな体と少し大きめの立ち耳、シングルコートの短毛で犬臭くない犬種といわれています。
バセンジーがニオイにくいのは、自分で毛づくろいをするというのも理由の1つでしょう。自分の汚れやニオイに敏感で、猫のように自分でなめて毛づくろいする習性があるのです。面白いですよね。
バセンジーはあまり吠えない犬種としても知られています。性格が落ち着いていて大人しいですし、吠えたとしても独特のヨーデルのような吠え声であまりうるさくないため、飼いやすいといえます。ただし寒さには弱い犬種なので、寒い時期等の防寒対策が必須です。
4.ミニチュアピンシャー
小柄でシングルコートのミニチュアピンシャーも、比較的ニオイにくい犬種です。小さいけれどもすらっと長めの脚に引き締まったスリムな体で、小型のドーベルマンといった見た目ですが、ミニチュアピンシャーの方が犬種としては歴史が古いです。
断尾・断耳するのが主流でしたが、動物愛護の観点からはやらないことが増えてきました。何もしなくても耳が立っているタイプの子もおり、その場合は耳の内部が蒸れないのでよりニオイにくいようです。皮膚が弱いので、傷つけにくいラバーブラシや濡らして固く絞ったタオルなどでお手入れするとよいでしょう。
そもそも犬の体臭の原因とは
犬の体臭の原因としては、皮脂や口臭、汚れなどが考えられます。
犬の体には「アポクリン腺」という汗腺が存在します。アポクリン腺からは皮脂が含まれた汗が分泌されるのですが、この皮脂が酸化したり、雑菌が繁殖したりすることで強いニオイになってしまうのです。
実はこのアポクリン腺は、人間でいう「ワキガ」の原因ともいわれる部分で、犬には全身にあります。体全体でニオイの元となるベタっとした汗をかくので、犬臭く感じるのでしょう。
口臭を犬臭いと感じる場合もあります。食べかすや歯垢、歯石がたまってニオイの原因になったり、パンティング(ハアハアと息をして体温を逃がすこと)や鼻づまりによって口の中が乾燥して臭く感じたりすることもあるのです。
フレンチブルドッグやパグなど、深いシワやたるみのある犬種の場合、皮膚と皮膚の間に皮脂や垢などがたまってニオイの原因になるケースもあります。また、室内犬の場合、犬のよだれや排泄物などの汚れがクッションやソファに付着して蓄積し、「何だか部屋が犬臭い」という状態になっていることも。
また炎症や内臓疾患によってニオイがすることもあります。元気がない、かゆそうにしているなど他に気になることがあるのなら、動物病院を受診することをおすすめします。
犬臭いニオイを抑えるコツ
ではここからは、犬のニオイを抑えるコツを紹介します。慣れているはずなのに気になってしまうニオイが愛犬からする場合は、今一度ケア方法を見直してみると良いかもしれません。
シャンプー・ブラッシング
犬の体臭が気になるなら、月に1、2回程度、犬の様子も見ながらシャンプーして清潔にしてあげましょう。洗いすぎて必要な皮脂まで失われるとかゆみや炎症を引き起こす場合もあるので注意が必要です。
お散歩後に汚れやニオイが気になる場合は、濡れタオルや犬用体拭きシートを活用するのもよいでしょう。シャンプーや濡れタオルで犬の体をきれいにした場合、生乾きだと逆に汚れの付着やニオイの原因になるので、ドライヤーでしっかりと乾かしてあげてください。
ブラッシングも、ニオイの元となる余分な毛と汚れが取り除けます。毎日やってあげるのが理想ですが、無理な場合でも長毛種なら2日に1回、短毛種でも3日に1回は必ずやるようにしましょう。
デンタルケア
犬のニオイケアだけでなく、健康管理という意味でもデンタルケアは大切です。犬の口内の歯垢は歯石となってニオイの元や歯周病の原因になってしまいます。
犬は歯垢が歯石になるペースがとても早く3~5日程度といわれています。歯垢の間に、歯ブラシで取り除くようにしましょう。難しければ、歯磨きガムやおもちゃを活用するのもひとつの方法です。
耳のケア
垂れ耳の犬種の場合、耳の内部が蒸れて雑菌が繁殖してニオイの原因になったり、外耳炎や中耳炎になったりする可能性もあります。
ただし、犬の耳は傷つきやすいため、飼い主さんがケアするのは難しい場合も。
愛犬の耳のニオイが気になった場合、まずは獣医師さんに診てもらい、必要であれば耳洗浄してもらいましょう。
まとめ
今回は「犬臭くない犬種」と犬臭さの原因、犬の体臭を抑える対処法についてご紹介しました。
「犬種的に体臭が少ない」といわれていても、もちろん個体差があります。また、犬の年齢やケアの仕方によっても異なってくるので、今回ご紹介した内容は、あくまで傾向であるということをご了承ください。
犬も生き物ですから、ある程度ニオイはするものと覚悟して、犬臭さごと愛してあげてくださいね。