犬が人に突進する理由
人間も、久しぶりに大好きな人に会ったり、怒りが爆発したりしたときなどに、相手に対して駆け寄ることがあります。その勢いがさらに増した場合、「突進」となってしまうこともあるでしょう。
このような時の人間はどのような心理状態かといえば、「嬉しい」「たのしい」「くやしい」「怒り」などの興奮状態にあると言えます。
犬の場合も同様に、普段は見られないような勢いで人に対して突進してくるときがあります。では、どうして犬は突進してくるのでしょうか。
1.嬉しすぎるから
愛犬に留守番をさせていた後やリモートワーク等でかまってあげられなかった時間の後などに、愛犬に顔を見せた途端に突進されて飛びつかれたという方も多いのではないでしょうか。勢い余って頭突きをされてしまったり、飛びつかれた途端に尻もちをついたら顔全体を舐め回されたりなんてこともあるかもしれません。
このときの犬の気持ちは、説明するまでもなく「嬉しい!!!」ということでしょう。自分の喜びを全身で表現してくれる姿をみることは、飼い主としてもとても嬉しくありがたいものです。
また「再会出来て嬉しい!」という気持ちの他にも、「やっと遊べる!」「やっと走れる!」という期待が高まって突進してくることもあるでしょう。
2.興奮しすぎているから
インターホンを鳴らされたり、窓からよその家の人や犬が通りかかったりした時など、それに気が付いた時にわき目もふらず窓や玄関口に突進して行く子もいます。窓に飛び掛かるように吠えていたり、玄関でいつまでも吠えやまないなんてこともあるかもしれません。
これは「誰か来た!という警戒状態が高まったある種の興奮から来ています。自分のテリトリーに対して侵入してきた敵に対する反応です。警戒状態から一気に興奮してボルテージが上がってしまい、攻撃的な状態になっていると言えるでしょう。
しかし本当に攻撃したいわけではなく、遊んでほしい、遊びたいという欲求で吠えていることもあります。一歩玄関の外に出て実際に顔を合わせると、一気にテンションが下がって友好的な普通の挨拶をする子も多いですよね。
3.視界が極端に狭くなっている
これは犬の性格にもよるかもしれません。熱くなりやすい子、遊びに熱中しやすい子というのは、ひとつの物事に集中しすぎてしまって周りが見えなくなることがあります。遊んでいる最中にテンションが高まって、いきなり走りだしてくるタイプの子です。
このタイプは周りを見て行動することが苦手なので、集中していること以外は目に入りません。ぱっと走り出した瞬間に、目の前にいる飼い主にぶつかったり、椅子などに引っかかったりすることがあります。
また、集中や興奮以外にも目の病気などで周囲をよく見ることができない場合も、声のする方へ距離などが分からないまま走る姿が「突進」と見えることがあります。
興奮状態の犬を上手く抑えるには
犬は興奮が高まると、「突進」という行動につながるようです。
小さな犬が突進してくる程度であれば、大きなケガなどの心配はないかもしれません。しかし、突進してぶつかり、打ちどころが悪ければ、犬自身のケガにつながることもありますし、これが大型犬であれば人間にもケガの危険があるでしょう。
可愛いからといって突進をさせ続けるのではなく、危険な場面を防止するためにも、犬たちの興奮を上手く逃がしてあげたり抑えたりする方法を考える必要があります。
まず、突進して体当たりや飛びつきを繰り返している場合、(こうすれば、キャーキャーと喜んでくれたり褒めてもらえる♡)と覚えている可能性があります。これをそのまま放置すれば、犬は自分の行動を認めてもらえていると解釈し、ますます突進・飛びつきを繰り返すようになります。
留守番の出迎えや来客などで犬が走って突進してきたら、高い声で応じず、黙ってその場を離れましょう。あるいは、黙って犬をケージやハウスにいれて、犬自身がある程度落ち着くのを待つようにしてみましょう。
愛犬が落ち着いた時点で改めてゆっくり声掛けをしたり、撫でてあげたりして、愛犬の気持ちをさらに落ち着かせます。犬が興奮したときは、まず一回クールダウンをさせる、これが大切です。
まとめ
犬が人間に突進する理由の共通点は、興奮が高まっていることです。嬉しい気持ち、警戒する気持ちそのものは悪くありませんが、その気持ちが高まりすぎると、犬は突進したり吠えたりというような行動で発散します。
興奮というのは一種のストレスなので、これが繰り返されたり長く続く事がないように、その都度クールダウンさせる必要があります。
愛犬の行動をよく観察し、あまりにも違和感があるようでしたら動物病院で一度相談してみることをおすすめします。