犬の里親詐欺って何?実際にあるの?
皆さんは「里親詐欺」という犯罪をご存知でしょうか。「犬を迎え入れたい」「引き取りたい」と言ってきた里親候補者が、実は違う目的で犬を引き取ろうとしている…という詐欺が横行しているのです。
実際、譲渡後に「なんだか違和感を覚える」「本当に大丈夫かな」と不安に感じた譲渡主が連絡を取ったところ、連絡がつかなくなったり視察をしに行ったら明らかに犬を飼育する環境ではなかったという事例が報告されています。
犬のブリーダーさんはもちろん、何らかの理由で愛犬を別の人にお願いしようと考えている方は、譲渡する相手の情報を詳細にそして正確に把握し、犬がきちんと大切に育てられる環境であるかどうか確認することが重要です。
犬の里親詐欺…その残忍な目的は?
では、犬の里親詐欺を行う詐欺師たちは、具体的にどのような目的で犬を引き取っているのでしょうか。その行動には、実に恐ろしい以下のような目的が隠れています。
- 虐待
- 転売
- 食肉
- 毛皮
譲ってもらった犬をより高い価格で転売するという心無い詐欺師だけでなく、虐待目的であったり食肉や毛皮にするために犬を引き取るという、考えたくもない残忍な目的のために里親に名乗り出る人もいます。
詐欺師たちはお金や快楽のためならば、こうした非情で残忍な手段を取ることもあります。犬を譲る際は必ず相手の素性を確認してください。
犬の里親詐欺師がやっている5つの手口とは
犬の里親詐欺を行う詐欺師たちは、どのような手口を使うのでしょうか。ここでは、詐欺師がよくやっている手口を紹介するので、譲渡時に心当たりや違和感を覚えたら、一度譲渡を見送り、しっかり自宅の環境や素性を確認しましょう。
1.今までの飼育経験を話して相手を安心させる
里親詐欺を行う詐欺師たちは、まず譲渡主を安心させるために今までの犬の飼育経験を話したり、すでに環境が整っていることを話してきます。
本当に犬を愛している里親候補者もこのようにアピールしてくることが多いので、なかなか見分けがつかない譲渡主も多いです。
2.同時期に複数の譲り主に連絡を取っている
詐欺師たちは犬をなるべく多く引き取るために、同時期に複数の譲り主に連絡を取っているケースが多いです。そのためブリーダー同士で交流がある場合、「その人、この前うちにも来たよ」というような違和感を覚える情報が得られることも。
また、同時期に複数の譲渡主に連絡を取っていることもあり、アピール時に話している情報に矛盾点が生じることもあります。飼育環境や今までの飼育経験について矛盾する点が生じていないか細かくチェックしましょう。
3.メールアドレスや電話番号を明かさずSNS上だけでやりとりする
詐欺師が使う手口として、SNS上のメッセージのみでやりとりするという方法があります。これは、メールアドレスや電話番号だと本人確認ができてしまうため、逮捕を逃れるための手段だと思われます。
譲渡する相手とは直接会い、自宅の環境を確認するまでが絶対条件です。しかし、それ以前にメールアドレスや電話番号を明かしてくれない場合は「怪しい」と警戒しましょう。
4.自宅での譲渡を拒否する
詐欺師たちは居場所を知られたくないため、自宅での譲渡や飼育環境のチェックを躊躇する態度を見せることが多いです。犬を迎え入れたいと考えているならば躊躇する必要はないので、少しでも拒否する態度を見せた場合は毅然と譲渡を拒否するべきでしょう。
グループ犯罪の場合、複数人で部屋を借りて飼育環境を見せる用の部屋を用意している場合もあります。きちんとそこで生活している様子があるかどうかも確認しましょう。
5.譲渡後に連絡がつかなくなる
犬の里親詐欺は、譲渡後に発覚するケースが非常に多いです。その理由として、譲渡後に譲渡先の相手と連絡がつかなくなるという事例が多数報告されています。
すでに犬が他所に転売されていたり、あるいは虐待されていたり、最悪の場合には別の目的のために命を奪われている可能性があります。非常に危険なので、譲渡前に本人の連絡先だと証明できる電話番号や住所などをしっかり把握しておきましょう。
まとめ
里親詐欺は、その目的が非常に残忍な理由であることから、現在は広く注意喚起されています。犬を育てているブリーダーさんはもちろん、どうしても他人に愛犬をお願いしなければいけない事情ができてしまった場合の里親募集でも、十分注意して相手を選びましょう。