ウンチ放置はなぜ繰り返されるのか
近年では空き地や道路に犬の排せつ物を持ち帰るように促す看板があったり、条例で禁止されていると回覧があったりするのですが、それでも残念ながら犬の「ウンチ放置」は繰り返されています。
これはなぜなのでしょうか。今回はその理由について解説します。
1.昔の感覚のままでいるから
前述した通り、かつてはたしかに犬は散歩の最中に排泄するものであり、排泄物はそのまま放置、という時代がありました。
しかし時が経つにつれて、それは不衛生だという声が上がるようになり、次第にスコップを持ち歩いて、愛犬が排泄をしたら近くの土に埋めたりする時代になります。
犬を飼育している人の感覚がこのようなかつての時代のまま、という場合ではと、犬の排泄物を放置してしまうことがあるかもしれません。
2.誰も見ていないと思うから
雪国の場合、春の雪解けの季節になると、露出した路肩に点々と犬の排せつ物が現れます。雪の季節に散歩をしていて、犬が排泄をしたあと「雪に埋もれているから(見えないから)いいか」と放置されているのです。
雪が降る季節は朝晩が暗く、通行していても犬の排泄状況など誰も見ていないと思っているのかもしれません。また、雪に埋もれているから、そのうち雪と一緒に溶けてなくなるだろう、とでも思っているのかもしれません。
また早朝や深夜など、ひと通りの少ない時間に散歩をして犬が排泄したときも、だれも見ていないからいいかと思うのかもしれません。
3.不衛生であるという観点がない
排泄物は放置するとハエがたかってウジが湧いたり、悪臭がしたりする原因になります。また排泄物には様々なウイルスや細菌、寄生虫といった病原体が含まれる場合があります。放置されていれば雨風に晒され、これらの病原体が周囲に広がる可能性もあるのです。
同じ散歩ルートを通る犬がその付近を舐めたりすれば病原体に感染する可能性も考えられますし、子どもたちが不用意に地面を触ってそれらが口に入ってしまう恐れもあるでしょう。
犬の排泄物を放置する人には、このような観点が無いのかもしれません。
犬の糞を放置するのは法律違反!見つけたときは?
かつて犬は散歩の最中に排泄を済ませることが普通とされていた時代もありましたが、現代では犬猫の糞尿を外に放置しないことがマナーになりました。しかしまだまだ、外にウンチが放置されていることも事実です。
犬猫の糞の放置については、軽犯罪法や廃棄物処理法という法律によって禁じられており、懲役や罰金の罰則が科せられる場合があります。また自治体によっては条例が設けられており、こちらも罰則が定められているところも多いのです。
犬の散歩をする際は、排泄を家で済ませてきたり処理の道具を持ち歩いたりなどして対処することが求められています。
自分の犬ではない犬の排泄物を見つけてしまった場合、見つけてしまった人に処理をする義務も責任もありません。しかし見つけてしまうと気になってしまうのも確かですし、その地区での放置を減らしたいと思うのも確かです。
見つけてしまった場合、気が進まないものですが自分の犬のものと一緒に拾って持ち帰るという方法があります。1~2枚多めにビニール袋をもっていくと慌てずに済みます。しかしいつも拾っていると「放置しても誰かが拾ってくれる」と放置を助長する可能性もあるでしょう。
地域の愛犬家と協力し挨拶を通して、犬の排泄物を放置してはいけない・拾うのがマナーであるということを地道に啓蒙していく必要がありますね。
まとめ
一部の飼い主によってお散歩時のマナーが悪いとみられると、地域全体で犬の散歩についてイメージが悪化してしまう恐れがあります。飼い主ひとりひとりがきちんとマナーを守り、排泄物による迷惑を減らしていきましょう。
また、散歩の最中は飼い主同士の挨拶を意識し、お互いに声を掛け合うことも大切です。新たに子犬を迎えた人にはマナーを啓蒙していけたらいいですね。