「ドジっ子な犬」の特徴とは
犬の中には機敏でしっかりした子がいるのと同時に、ちょっとした憎めない「ドジっ子な犬」もいます。機敏でしっかりした子も、気が抜けている時はドジな一面が見られることも多いでしょう。どんなに普段キリっとしていても、気が抜けているときはなんでもないところでコケたり、遊んでいる最中に寝落ちしたりします。
犬の知能は人間の2歳~3歳程度と言われていますので、その年ごろの幼児を思い浮かべると納得してしまうこともしばしばです。
さてそんな犬の中でも、今回は特に「ドジっ子な犬」の特徴をあげてみましょう。
1.周りがみえていない
「犬は幼児と同じ」と思うと、妙に納得してしまうことの一つに「周りを見ていない」ということがあります。
一心不乱に遊んでいたり何かに気を取られているとき、犬の意識は周囲の状況にまで気を配れません。散歩の最中、においが気になりすぎて前を見ていなくて電柱に頭をぶつけたり、側溝に落ちてしまう犬がいますが、こういうタイプは特に集中力が凄いタイプです。
一つの物事に集中しすぎてその他の事を忘れてしまうので、ドジっ子に見えてしまうんですね。好奇心が強くやんちゃな子の場合も、あまり痛みで懲りたりしないため、「自分が気になること」に対して集中が切れない、ということもあります。
2.通路の幅が分からない
狭いところに頭を突っ込んで出られなくなったり、長い棒を横にくわえてドアを通ろうとして引っかかったり、という犬の姿を見た事がある人も多いのではないでしょうか。これらは、自分と空間の位置関係やサイズ関係を把握できていないために起こっています。
犬は自分の身体の大きさを鏡などで把握することがないため、自分以外の他のものと大きさの比較をすることもありません。
しかも猫のように、骨格や体の柔らかさのおかげで頭が通るサイズであれば通過できる、というわけでもありません。そのため、好奇心の赴くまま狭い所に頭を突っ込んで抜けられなくなる、ということがよくあります。
長い棒が引っ掛かる件も、自分の身体の幅との差を理解していないので、「イイもの拾った!」という高いテンションで走っていると通路などで引っかかる、ということです。さらには、引っ掛かった理由を正しく理解していないので、同じことを何度も繰り返し、余計にドジっ子な犬に見えてしまうこともあります。
3.遊びたい気持ちが強すぎる
投げたボールと一緒に飛び上がって、結局キャッチできずに落ちてきたり、ボールが顔に当たってしまったりする子もいます。興奮が抑えられず衝動的に動いてしまう犬に多い行動です。
何度やっても一緒に飛んでしまう、落下を待てない、鼻にボールが当たって落としてしまうなど、見ている分にはかわいいドジなのですが、こちらも犬は何度もやってしまいがちです。
しかし、この「できない」ということは達成感を感じられず、意外と犬のストレスになっていることが多いので注意が必要でしょう。
飼い主がすべきフォローとは
ドジっ子な犬は、注意力が散漫というより、一つの事に集中しすぎているタイプの子が多いようです。そのため、同じドジを何回も懲りずに繰り返すことがあります。ひとつひとつはほほえましいものですが、何度も繰り返してケガやストレスの元になるのも困りますね。
では、このような犬には飼い主はどのようなフォローをすべきなのでしょうか。
そこでここからは、ドジっ子な犬のタイプ別におすすめのフォローの仕方を解説しましょう。
集中しすぎて周りが見えていないタイプの犬に対しては、愛犬がそのことに夢中になって集中しすぎる前に、声掛けなどで意識を外に向ける練習をすることです。においを嗅ぐことに集中しすぎるタイプや、遊びに夢中になってしまうタイプには特に「集中させ過ぎない」ことが大切です。
また、ボール遊びなどが下手な犬の場合は、投げ方を工夫して上手くキャッチする練習をすることも良いでしょう。転がしたり、あまり高く投げずに顔の高さを目掛けてあげたりすることで、犬も「待っててもキャッチできる」と覚えることができます。
さらに、狭い所で抜けなくなったり、棒を持っていて引っかかったりする犬の場合は、ケガや窒息などの危険と隣り合わせです。狭いところに入れないように家具やお庭の遊び場に工夫をしたり、長い棒を持った時には目を離さないようにするなどしてあげましょう。
いずれの場合も、それぞれの犬の性格や体格、環境やその場の状況によって飼い主が臨機応変に対応してあげることが必要でしょう。
まとめ
犬たちの見せるドジっ子な一面は、人間にとっては面白おかしいこととして受け止められがちです。
しかし、笑われていることを気にしない犬もいますが、繊細なタイプの犬の場合は、自分が笑われているということを敏感に察知し、傷ついていることもあるようです。
また、ただの微笑ましいドジっ子として済まず、状況やタイミングによっては大ケガにつながる危険性が潜んでいる場合も。
まずは愛犬の様子をよく観察し、ドジっ子が行き過ぎてケガなどにつながらないように環境を整え、行動を誘導してあげることも大切ですね。