犬は『飼い主の声』と『他人の声』を聞き分けられる?
結論からいいますと、犬は飼い主の声と他人の声を聞き分けています。
犬は人間よりもはるかに優れた聴覚を持っていて、音にはとても敏感です。人間には聞こえない小さな音も聞くことができますし、なんと1km離れた場所の音も聞こえるんだとか!
犬の耳が良いことはわかりましたが、それだけでは「飼い主の声」と「他人の声」をちゃんと聞き分けているかどうかはわかりませんよね。
そこで、今回は犬に関する研究で行われたある実験についてご紹介します。
犬が飼い主の声を聞き分けられるかについての実験
今回ご紹介するのは、京都大学の研究グループによって行われた実験です。
この実験では、「飼い主」と「飼い主以外の知らない人」の姿をスクリーンに映し、同時にそれぞれの声を流して犬の反応を見るという方法で行われました。
スクリーンに映す姿と声の組み合わせは、以下の4通りです。
1.「飼い主の姿」+「飼い主の声」
2.「飼い主の姿」+「知らない人の声」
3.「知らない人の姿」+「飼い主の声」
4.「知らない人の姿」+「知らない人の声」
犬はどのように反応したのでしょうか?
この実験では、犬は2と3の組み合わせを見せると「?」という不思議そうな表情でスクリーンを見つめる時間が長くなる、という結果がでました。
飼い主の姿なのに知らない人の声がする、逆に知らない人の姿なのに飼い主の声がするという不思議な状況に、犬が「あれ?おかしいな?」と戸惑っていることが伺えますね。
このことから、犬は飼い主の姿だけでなく声も聞き分けていることがわかります。
犬が聞き分けられるのは「飼い主の声」だけではない
京都大学の研究グループは「飼い主の声」以外にも、犬が「飼い主の足音」を聞き分けられるかどうかについても実験を行っています。
実験の方法は部屋にひとりでいる犬に「飼い主の足音」と「知らない人の足音」を聞かせるというものです。
この実験は以下の4つの組み合わせで行われました。
1.「知らない人の足音」+「知らない人が部屋に入る」
2.「知らない人の足音」+「飼い主が部屋に入る」
3.「飼い主の足音」+「飼い主が部屋に入る」
4.「飼い主の足音」+「知らない人が部屋に入る」
足音を聞かせた後に部屋に入ってきた人を、犬がどれだけ見つめるのか、その時間を計測します。
実験の結果、犬は知らない人の足音が聞こえた1と2では、2の組み合わせの時のほうが部屋に入ってきた人を見つめる時間が長い、という結果がでました。
知らない人の足音だと思っていたのに、大好きな飼い主さんが入ってきたので驚きと喜びで見つめる時間が長かったのでしょう。
飼い主の足音を聞かせた3と4では、部屋に入ってきた人を見つめる時間にほとんど差はなかったようです。おそらく、4では飼い主さんが入ってくると思ったのに知らない人が入ってきて、ビックリして見つめる時間が長くなったのではと考えられます。
反応から推測すると、犬は飼い主の足音も聞き分けられているようですね。
まとめ
犬は「飼い主の声」「飼い主の足音」をしっかり聞き分けていることがわかりました。
また、犬は他にも「飼い主の車の音」を聞き分けることもできるそうです。犬によっては単語を1,000種類ほど覚えられるといいますし、犬の能力の高さには驚かされますね!
みなさんも外出先から家にいる家族に電話をかけて犬に向けてもらい、話しかけて愛犬がどんな反応をするか試してみてくださいね。