犬の「しっぽ」から読み取れる犬の気持ち
しっぽは体のバランスをとるほか、感情表現をするという大切な働きがあります。しっぽを振っていると機嫌がいい、しっぽを下げていると怖がっているという大まかな情報は、皆さんお聞きになることも多いのではないでしょうか。
しかし、実は犬のしっぽはかなり細かい気持ちまで表すことがわかっています。振っているのに本当は怒っている、なんてこともあるかもしれません。
1.ピンと立てている時の心理
犬たちは何かに集中すると、しっぽをピンと縦に伸ばして立たせることがあります。これは特に自分に自信がある犬によくみられる行動で、警戒心を表していたり威嚇や自分の大きさを誇示するために行うことがあります。
しっぽを立てたままゆっくり左右に振っている場合、やや相手を警戒して観察している状態です。相手がよく知っている人や犬であった場合はここからぶんぶんと勢いよくしっぽを振り回すようになります。姿勢を低くしたら、遊びに誘っているサインです。
しっぽを立ててゆらゆらさせながら、近寄ってきた人や犬に吠え始める場合は興奮状態になっています。緊張状態が続いているので、一度落ち着かせられると良いでしょう。
2.だらりとぶら下げる時の心理
しっぽが下がっている場合、疲れていたり無関心だったりテンションが低い状態と言えます。下がっているだけでなく、足の間に巻き込むようにしている場合は恐怖や不安がある状態です。腰を落として上目遣いになっていれば、とても怖がっているといえます。
しっぽを自然に垂らしたままゆらゆらと振っている場合はリラックスして機嫌がよい状態のことが多いです。触ってもいいよ、遊んでもいいよという犬側の気持ちが表れている状態ですね。下げたまましっぽの先だけを小刻みに振っている場合は不安だけれどこちらのご機嫌を取っている状態と言われています。
3.水平に伸ばしている時の心理
体の後方へ水平にしっぽを伸ばしている場合、犬たちは緊張して相手を警戒している状態です。怖がっているわけでもないのですが、相手に興味を持ち緊張感を持ちながら観察をしていることがあります。
ここから勢いよくしっぽを振る「歓迎モード」になるかしっぽを丸めて「降参モード」になるかは、犬とのあいさつ次第でしょうか。
意外？「しっぽ」を振っているのに怒っていることも
犬のしっぽは感情を表すといわれていますが、感情そのものというより興奮度合いを表しているというほうが近いかもしれません。勢いよく振り回していても、友好的かどうかはそれだけでは分かりません。しっぽの角度、表情、耳の向き、などをよく観察してみましょう。
ぶんぶんとしっぽを振り回していてもけたたましく吠えている場合、歯を剥いている場合などはどんなにしっぽを振っていても「怒っている」場合が多いでしょう。緊張か、恐怖かは分かりませんが、興奮して「近寄るな！」と叫んでいる状態です。
反対に、しっぽをだらりと下げていたり足の間に巻き込んでいても、先のほうだけぷるぷると振っていることもあります。これは友好的な態度というより「もう降参するから！あなたのほうが強いから！」と必死に訴えている状態と言えます。
まとめ
上記にあげたしっぽによる感情表現は全ての犬に当てはまるものではありません。それぞれの犬たちの性格にもよるので一概には言えませんが、犬たちはしっぽ以外にも様々な体のパーツを使って感情を表現するということを覚えておくとよいでしょう。
目線、耳の向き、声、姿勢、シチュエーションなどをあわせて考えて挙げることが大切ですね。
