犬の『くしゃみ』の原因
犬がくしゃみをすることはそれほど珍しくはなく、犬と暮らしている方であれば一度は愛犬のくしゃみを見たことがあると思います。
犬のくしゃみは一時的な生理現象のこともあれば、病気が原因になっていることもあります。
1.異物による刺激
ご自宅でもお散歩中でも犬はいたる所のニオイを嗅ぎますよね。クンクンとしている時にホコリや砂または植物の種や食べ物の破片など、異物が鼻の中に入ることでくしゃみをすることがります。
異物が排出されてしまえば治まるくしゃみなので心配ありません。
2.ニオイや気温による刺激
犬は刺激の強いニオイを嗅ぐことでくしゃみをすることもあります。香辛料や殺虫剤、その他タバコやお香の煙がくしゃみの原因になることも。
急激な気温の変化に鼻の神経が刺激されてくしゃみをすることもありますし、強い光を浴びることが原因になる事もあります。
3.アレルギー
近年ではアレルギーがある犬も少なくないですよね。ハウスダストやダニやカビ、植物の花粉がアレルゲンとなっている犬は、くしゃみをしたり一緒に鼻水が出てしまうこともあります。
4.病気
犬のくしゃみが長く続く場合は、病気が原因になっている可能性があります。ウイルス感染や細菌感染であれば鼻の粘膜が刺激され、くしゃみが頻繁に出てしまうことも。
その他、副鼻腔炎や蓄膿症、鼻腔内腫瘍でもくしゃみが出やすく鼻水も止まらなくなることがあります。
心配の要らない犬の『くしゃみ』
犬のくしゃみは原因が様々です。くしゃみをした前後は愛犬の様子をしっかりと確認しましょう。
- 単発で終わる
- くしゃみはしていても元気がある
- 刺激になるもののニオイを嗅いだあとのくしゃみ
一回、もしくは数回のくしゃみで治まるようであれば、一時的なものである可能性が高いので問題ありません。
また、くしゃみをした後の愛犬の体調や食欲に特に変化がなく、お散歩にも行ってくれるようであれば心配のないことが多いです。
そしてくしゃみをする前の愛犬の様子も思い出してみましょう。お散歩中に草むらなどのニオイを嗅いだ後、香辛料や殺虫剤のニオイを嗅いだ直後のくしゃみであれば、少し様子を見ても大丈夫でしょう。
もしもその後、体調の変化が見られたら動物病院に連れて行きましょう。
注意したい犬の病気による『くしゃみ』の症状
何らかの病気が原因となるくしゃみは、一過性のくしゃみとは症状が異なります。犬のくしゃみの原因が病気やアレルギーの場合、基本的に長期間のくしゃみが続いていて、連続して止まらないケースが多いよう。
1.ウイルス感染・細菌感染
ウイルス感染や細菌感染は、人間でいうところの風邪のようなものになります。これらの病気は長期間続く連続のくしゃみと共に鼻水や咳、発熱の症状が現れることがあります。鼻炎を発症している状態なので、早めに動物病院に連れて行ってあげましょう。
2.副鼻腔炎・蓄膿症
また副鼻腔炎や蓄膿症は、くしゃみと一緒にドロッとした鼻水が出続けることがあります。これらの病気の症状では、犬にとって重要な嗅覚が衰えることもあるので深刻な問題です。また、症状の悪化で食欲が落ちることもあります。
3.鼻腔内腫瘍
鼻腔内腫瘍という病気は、鼻の中に腫瘍が出来てしまう病気。くしゃみや鼻水以外にも鼻血が出ることもあります。腫瘍が目を圧迫することにより、涙や眼脂が出ることもあります。鼻腔内腫瘍が小さいうちは顔貌の変化はありませんが、表情が変わった場合や血液検査やレントゲンでを実施してもらいましょう。
鼻腔内腫瘍は多くが悪性のため早期発見、早期治療が非常に重要になります。
4.歯周病
犬のくしゃみとは一見関係ないような病気ですが、歯周病もくしゃみの原因となることがあります。歯周病が進行してしまうことにより、くしゃみが止まらなくなってしまうことがあるのです。
犬の犬歯など上あごの歯の根は鼻腔のすぐ近くにあります。鼻腔の近くで歯周病が発症すると歯根の細菌感染が鼻腔にまで広がり、激しいくしゃみ、鼻水や鼻血などの症状が現れることがあります。
5.アレルギー
犬のくしゃみの原因となる代表的なアレルゲンは、ハウスダストや花粉、またスギやイネ科などの植物由来のものがあります。いずれもアレルゲンと接してしまうと、くしゃみと鼻水の症状が現れます。
また、アレルゲンが原因でくしゃみをしている場合は顔や体を痒がって、しきりに前足で顔をこすったり、ソファなどに体を擦り付けることもあるでしょう。
アレルゲンが特定できている場合は、愛犬をアレルゲンに近づけないような工夫が必要になります。また特定できていない場合は、一度動物病院で血液検査をして調べておくと安心でしょう。
まとめ
犬のくしゃみは人間と同じように何回も連続して出る、何日も続いている、くしゃみ以外の他にいつもと違う症状が見られる時に病気が疑われます。問題のないくしゃみが多いですが、日々愛犬の様子を観察して気になる症状が現れたらすぐに動物病院で診察してもらいましょう。