犬の「執着心が強い」と起こりうるトラブル
今回は、犬の「執着心が強い」と起こりうるトラブルの特徴と対策法について解説します。
1.ごはんの早食い
犬の執着心が強いと起こりうるトラブルには、ごはんの早食いがあります。
食への執着心が強いのでしょう。犬は、ごはんやおやつを取り上げられそうになったことがきっかけで、食に執着心を持つことがよくあります。とくに保護犬の場合、ごはんを食べることができない期間があったことが食への執着心を生むこともあります。また、もともと食への執着心が強い性格の犬も存在します。
基本的に犬は咀嚼をしませんし、ごはんを丸飲みするのが自然な食事スタイルです。
しかし、次のような特徴がある場合には、その早食いは食への執着心が強いことによるトラブルである可能性が高い、と考えてよいと思います。
- ご飯を数十秒で食べ終わる
- 飼い主や家族に見られていると唸り声を上げながら食べる
- 食事中に目の前を通ると足首を咬まれる
- 喉に詰まりそうになることがある
- 喉に詰まりかけて苦しそうにすることがある
- 未消化のドッグフードを吐き出してしまうことがある
- 消化不良による軟便や下痢をすることがよくある
対策が必要な場合には、ケージの中でごはんを食べてもらう(扉を閉める)、早食い防止用の食器を使う、食事の回数を増やす、決められた時間に食事を与える(自動給餌器を使う)等の方法を試してみることをおすすめします。
2.おもちゃを丸飲みする
犬の執着心が強いと起こりうるトラブルには、おもちゃの丸飲みがあります。
物への執着心が強いのでしょう。お留守番中、その「物」があることで退屈から逃れることができたり、不安が緩和されたりする存在なのかもしれません。
犬が執着してしまうその「物」は、多くの場合、飼い主が犬に与えたおもちゃです。
問題は、そのおもちゃでひとり遊びをさせるだけではなく、一緒におもちゃを使って遊んだことがあるでしょうか。おもちゃを使った「ちょうだい」「持って来て」「放して」などのしつけをしたことがあるでしょうか。
愛犬に対してそのおもちゃをただ与えるだけだったことが、逆に物への執着心を生んでしまった可能性もあると考えるべきです。
- おもちゃを奪われると思い、飲み込んでしまう
- おもちゃを隠すと必死で探し回る
- おもちゃを探して興奮し、チアノーゼを起こす
- おもちゃで一緒に遊ぼうとして手を咬まれたことがある
- 家具の下に物を大量に隠し持っている
このような特徴を見せることがあります。対策は、先にも言ったように、「ちょうだい」「持って来て」「放して」など、おもちゃを使ったしつけを行うことです。飼い主に「ちょうだい!」と言われたら、スムーズにおもちゃを渡したり放すことができるようになることが大切です。
3.分離不安行動を起こす
犬の執着心が強いと起こりうるトラブルには、分離不安行動があります。
飼い主への執着心によって、分離不安症を発症することで起こる行動です。犬自身では感情を上手くコントロールすることができず、異常とされる行動を起こしてしまうことがあります。
次のような特徴がある場合には、分離不安症である可能性を疑うことができます。
- 執拗に飼い主の後をついて回る
- 飼い主の姿が見えなくなると吠え続ける
- お留守番中、嘔吐や下痢をする
- お留守番中の粗相が増える
- お留守番中、家具や物を破壊する
とくによく見られるのがお留守番中の分離不安行動です。飼い主がそばにいないことで不安を感じ、発散するために行動を起こすのです。粗相は生理的な反応による行動でしょう。
対策ですが、分離不安症には、「薬物療法」と「行動療法」を併せることがよい、とされています。
薬物療法を行う場合には、必ずかかりつけの獣医師、または犬の分離不安症の専門医に相談しましょう。行動療法を併せたい場合には、分離不安症への行動療法に詳しい、または特化したドッグトレーナーに依頼するとよいでしょう。
その前に、今すぐにできる対策があったら…と思われる場合には、お留守番前のスキンシップやコミュニケーションの時間をうんと増やしてみてください。そして、お留守番する時間を短くしてあげてみてください。
まとめ
犬の執着心が強いと起こりうるトラブル・特徴・対策法を3つ解説しました。
- ごはんの早食い
- おもちゃを丸飲みする
- 分離不安行動を起こす
飼い主の何気ない愛犬に対する行動が、犬の執着心を生んだり強めたりすることがあります。生まれ持って執着心の強い性格である犬もいます。
執着心ゼロにまで改善することは難しくても、今以上に執着心を強めたり、トラブルを起こしたりすることがないよう、対策をしてあげてくださいね。