「ほじょ犬マーク」の目的と知っておきたいこと
「ほじょ犬マーク」をご存じでしょうか。もしかしたら多くの人は、補助犬のことは知っていても、「ほじょ犬マーク」にことはレストランや施設で目にしていても気づいていないかもしれません。
そこで今回は、「ほじょ犬マーク」について解説いたします。
1.身体障害者補助犬への理解
ほじょ犬マークが作られた目的は、主に次のようなものがあります。
- 良質な身体障害者補助犬(盲導犬介助犬聴導犬)を育成すること
- 補助犬を使用する身体障害者が施設等を円滑に利用できるようにすること
- 身体障害者の自立を促進させること
- 身体障害者の社会参加を促進させること
これらを主な目的として、平成14年5月22日に成立され、平成14年10月1日に施行されました。
設立・施行を行った厚生労働省は、『補助犬のことを国民に広く理解していただくことが重要である』としています。
2.どのような目的で使用することができるのか
ほじょ犬マークは、『身体障害者補助犬法の趣旨に基づいた普及啓発を行う場合に自由に使用できる』とされています。
- 身体障害者補助犬の普及を啓発するためのイベントを案内するポスターに使用すること
- 身体障害者補助犬の普及を啓発するためのグッズを作成し、販売すること(実費相当分)
このように『身体障害者補助犬の普及を啓発することを目的とした使用』が認められています。
3.認められていない使用方法
ほじょ犬マークを使用する際に、気を付けるべきポイントがあります。
施設やチラシ等で使用する場合、その媒体がいかにも「ほじょ犬マークを設立・施行した厚生労働省が(その施設やチラシを)承認または推奨していますよ!」というような、消費者に誤解を与えるような使用方法は認められていません。
また、ほじょ犬マークそのものをモチーフとした商品を販売すること、営利を目的とした作成や販売は、身体障害者補助犬法の趣旨に反するため認められていません。
今すぐに処罰だ!ということはありませんが、使用方法の見直しが求められます。
4.権利はどこに帰属されるのか
ほじょ犬マークの権利(著作権など)は、厚生労働省に帰属します。
また、チラシ等で使用する場合、以下のような使用上のルールを順守する必要があります。
- カラーまたはモノクロで使用することができる
- カラーで使用する場合には色を変えてはいけない
- ほじょ犬マークの拡大または縮小が可能
- ほじょ犬マークを変形させて使用してはいけない
- 任意の文字を入力する場合、作成の趣旨に基づいた内容であること
このような決まりを守って使用しなければなりません。
5.厚生労働省からのお願い
ほじょ犬マークの使用方法が正しいかどうかをご自身で判断することが難しい場合、事前に問い合わせをするように、と厚生労働省の公式ホームページに記載があります。また、使用実績に関して、使用後の報告がお願いされています。
詳しくは厚生労働省の公式ホームページにてご確認いただけます。
補助犬とは
では、「ほじょ犬マーク」で表すところの「補助犬」とは、どのような犬を指すのでしょうか。
盲導犬
補助犬のひとつに、盲導犬があります。視覚に障害のある人を補助することを目的として訓練されています。
障害物を避けて歩いたり、段差のある場所を教えたり、視覚に障害のある人が安全に行きたい場所へ行けるように補助してくれます。
聴導犬
補助犬のひとつに、聴導犬があります。聴覚に障害のある人の耳代わりとなることを目的として訓練されています。
スマートフォンの着信音を知らせたり、インターホンが鳴る音を知らせたり、赤ちゃんの泣き声を知らせたりすることができます。
病院では、聴覚に障害のある人の名前が呼ばれた時、知らせてくれます。
介助犬
補助犬のひとつに、介助犬があります。障害のある人に手や足の代わりとなることを目的として訓練されています。
冷蔵庫を開けてペットボトルの飲み物を運んだり、床や地面に落としてしまったスマートフォンを拾って渡したり、着替えを手伝うなどすることができます。
また、障害のある人に緊急事態が起きた時は、周りの人々に助けを求めることもできます。
まとめ
ほじょ犬マークの目的と知っておきたいことを5つ解説しました。
- 身体障害者補助犬への理解
- どのような目的で使用することができるのか
- 認められていない使用方法
- 権利はどこに帰属されるのか
- 厚生労働省からのお願い
みなさんは街で補助犬を見かけたことがあるでしょうか。社会のマナーをしっかり学び、訓練された犬たちです。
補助犬を連れている場合でも、援助が必要な場合があります。犬の衛生面もしっかり管理されています。
身体に障害があり、補助犬を同伴している場合、「お困りですか?」「お手伝いできることはありますか?」と、積極的に声をかけてください。
ちょっぴり勇気のいる行為ですよね。声をかけたかったけどできなかった…という方もいらっしゃると思います。
助けを必要としていない場合もありますが、補助犬を連れている人に声をかけてはいけない、なんてことはありません。