犬にとって『アイコンタクト』には2種類の意味がある
一般的に犬は野生動物の習性上、目をじっと見つめられることを嫌います。しかし、長い歴史の中で人間と暮らしてきたことで、親しい間柄でアイコンタクトをとる行為には、愛情が含まれていることを認識できるようになったと判明しています。
実際、現在の犬たちにとって『アイコンタクト』には2種類の意味があります。1つは相手に対して警戒や敵意の意味を示す時、そしてもう1つは愛情を込めてコミュニケーションをとる時です。
後者の場合、ある研究によると飼い主とアイコンタクトをとった時に幸福度が増したという結果も出ているため、信頼関係を築いている間柄では愛情として受け取ってくれることがわかっています。
実は逆効果!?犬にNGな『アイコンタクト』4選
アイコンタクトには、愛情の意味合いも含まれていると認識している犬たちですが、アイコンタクトの取り方を間違えると、「警戒されている」と誤った解釈に繋がってしまいます。ここでは、犬にNGなアイコンタクトを紹介するので気をつけましょう。
1.初対面の犬の目を始めから覗き込む
ご自身の愛犬ではなく、初対面の犬やまだ親しい間柄でない犬と交流する際、馴れていない段階で目を覗き込むようにしてアイコンタクトをとるのは絶対にNGです。
親しくない間柄の場合、アイコンタクトは愛情や仲良くしたいという意味合いではなく、敵意や警戒といった意味があると解釈されてしまいます。初対面からアイコンタクトをとるのではなく、まずは手を差し出して安心できるまで匂いを嗅がせてあげましょう。
2.アイコンタクトを取りながら嫌なことをする
アイコンタクトをとる際、褒めたりスキンシップを取ったりする人が多いでしょう。このような経験の積み重ねにより、「この人とアイコンタクトをとる時は良いことが起こる」「幸せと感じる」と愛情として認識してくれるようになります。
反対に、アイコンタクトを取りながら叱ったり嫌なことをする頻度が高いと、アイコンタクトにネガティブなイメージを持ってしまい、不安や恐怖心を煽るようになってしまいます。
3.怖い表情でアイコンタクトをとる
睨むような怖い表情でアイコンタクトをとることはやめてください。ネガティブな感情を持っていなかったとしても、犬は人の表情から感情を読み取る能力に長けているため、「敵意を向けられている」と受け取ってしまいます。
アイコンタクトをとる時は、なるべく笑顔や柔らかい表情を意識して向けるようにしてください。すると、「笑顔だから相手もポジティブな感情を向けてくれている」と愛情として受け止めるようになります。
4.長時間、無表情で目を合わせ続ける
アイコンタクトは基本的にチラッと短時間向けたり、何かの合図に送ったりすることが多いです。長時間じーっと見つめられると、たとえ飼い主であっても犬は緊張してしまうことがあります。
また、その間に無表情でじっと見つめられたら…これは愛情によるアイコンタクトではなく、警戒心を持たれていると感じても不思議ではありません。長時間見続けたり無表情でアイコンタクトをとることはやめましょう。
犬に愛情が伝わる正しいアイコンタクトの方法は?
愛犬とアイコンタクトをとる際、敵意や警戒、緊張といったネガティブな感情ではなく、愛情を込めてアイコンタクトを送っていると受け止めてもらいたいですよね。そんな時は、以下のポイントを押さえてアイコンタクトを送ってみましょう。
- 笑顔や柔らかい表情を意識する
- 声をかける際はなるべく優しく高い声音で
- アイコンタクトで近寄ってきたら褒めてあげる
- アイコンタクトの直後に愛犬が喜ぶことをする
このポイントを意識するだけでも、犬たちは「アイコンタクトを飼い主さんととると嬉しい」「幸せ」と愛情を感じてくれるようになります。
アイコンタクトは、さまざまな場面で役に立ちます。日頃から愛犬と積極的にアイコンタクトを取り、散歩中にも飼い主の指示を聞けるように習慣づけておきましょう。
まとめ
いかがでしたか。犬にとってアイコンタクトには2種類の全く異なる意味があるため、誤った方法でアイコンタクトを送ってしまうと逆効果となってしまいます。紹介したような正しい方法を参考に、愛犬と積極的にアイコンタクトをとりましょう。