旨味は感じない!わんこの味覚4種類
では、そもそも人間が持っている味覚とは何でしょう。それは「苦味・甘味・酸味・辛味(塩味)・旨味」の5種類です。これに対し、わんこは味覚を4種類しか持っていません。
人間にあってわんこにない味覚は、「旨味」であると言われています。これは舌の上に存在する味覚を感じるセンサー「味蕾」の数が、人間とわんことで異なるからです。ちなみに、猫はさらに「甘味」も感じないということがわかっています。
わんこの「美味しい」の基準
味覚が異なるということは、「美味しい」と感じる基準も異なるということです。ではわんこが「美味しい」と感じる基準とは何なのでしょうか。
1.匂いが良い
食べものの美味しさを決めるのは味だけではないということは、私たちも経験で知っています。わんこにとって、味と同様に大切なのは「匂い」です。
嗅覚が優れているわんこにとって食べものの「匂いの良さ」は、人間よりもずっと高いウェイトを占めていると考えられています。
2.温かい
食べかけのおやつを穴に隠す習性があるように、わんこはもともと腐肉食者です。そのため冷たい食べものを極端に嫌うようなことはありませんが、やはり温かい食べものの方がより美味しいと感じるようです。
これは温めることで「匂い」が立つことにも大きく関係します。食べものの美味しさに「匂い」が重要な役割を果たすのは上記の通りです。
3.中タンパクのもの
純粋な肉食である猫とは異なり、わんこは雑食です。ですが、やはりお米や麦といった穀類よりは、肉を主体としたタンパク質の多いごはんを好む傾向があります。
特に全エネルギーのうち25〜30%がタンパク質由来である「中タンパク」の食事を最も好むというデータも出ています。
4.高脂肪のもの
美味しいものには脂肪が多く含まれている…というのは時に私たち現代人を悩ませますが、高脂肪のものを美味しいと感じるのはわんこも同じ。
これは味がどうというよりも、脂肪の含有量が食べものの歯応えや、舌触りといったテクスチャーに大きく影響を与えるからと考えられています。
5.甘いもの
猫の舌は「甘味」も欠如しているとご紹介しましたが、わんこの舌はしっかり甘味を感じますし、甘いものが大好きです。ただし人工甘味料は苦味を含むため、拒否反応を示すことがあるので注意が必要です。
ズバリこれ!わんこが好きな食べもの
わんこの「美味しい」の基準を満たす大好物、それはやはり「肉」です。特に肉の中でも牛肉を一番好み、次いで豚肉→羊肉→鶏肉→馬肉の順に好きだと言われています。温めて供してあげると更に喜ぶでしょう。
苦いものや高塩分のものは嫌い
逆にわんこが「まずい」と感じる味覚として、「苦味」「辛味(塩味)」が挙げられます。「苦味」は動物にとっては「毒」と認識されるからです。
また「辛味(塩味)」は肉食動物全般が嫌うとされており、これは主食である肉に適量の塩分が含まれているからと考えられています。塩分の高いものは心臓に負担をかけるため、わんこの健康の面からも避けるべきです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?美味しいものを食べると「愛犬にも食べさせてあげたい!」と思うのが親心ですが、わんこは同じものを食べても、実は違う味に感じているということです。
ちょっと寂しく感じるかもしれませんが、わんこの嗜好をよく理解したうえで愛犬が「美味しい」と感じるものを食べさせてあげたいですね。