犬の「態度が悪い」時に考えられる理由
今回は、犬の「態度が悪い」時に考えられる理由について考えてみたいと思います。
1.反抗期
人間にも、精神の発達過程で、親や周囲に反抗的な態度を示す時期、いわゆる「反抗期」があります。人間の場合、自我が発達してくる3~4歳ごろと、思春期頃(5~6年生から中学生頃)に現れやすいと言われています。
3歳ごろといえば、親と一体化している時期から自分でいろいろやりたくなる時期ですね。また思春期の頃は身体やホルモンバランスの変化、世間のルールの矛盾などに悩み、精神的に不安定になることから反抗的な態度に出やすくなる頃です。
これは人間に限った事ではなく、犬にも当てはまります。生後半年から10か月ほど経つころに自我の意識が強まり、反抗期が訪れることが多いようです。特に男の子の場合は、性ホルモンの影響で闘争心や競争心が強まることがあり、余計に反抗的な態度に出ることがあります。
2.飼い主を見下している
悪いことや飼い主にとって望ましくない行動をして叱られている最中に、唸って威嚇したり歯を見せてきたりするような場合、その犬は飼い主を認めておらず、見下している可能性があります。
子犬の頃から「可愛い可愛い」と育てることは悪いことではないのですが、いけないことをした時にしっかり端的に叱るということを繰り返していない場合にこのような傾向がみられることがあります。
可哀そうだからといってしっかり叱らなかったり、犬の要求を叶えてばかりいたりすると、犬は「なんでもいうことを聞いてくれる」と飼い主の事を勘違いしてしまいます。それが続くと、犬にとって嫌なこと(叱ること)をしてくる人間に対して、自分のいう事を聞かせようとして態度に表すようになるのです。
3.緊張をほぐそうとしている
「態度が悪い」と感じる犬の行動のなかで「あくび」や「目を逸らす」「地面のにおいを嗅ぐ」などがある場合、それは態度が悪いのではありありません。これは犬の「落ち着きたい」というサインだということを覚えておきましょう。
犬は言葉が話せない代わりに、豊富なボディランゲージを駆使してお互いに意思の疎通をはかっています。
前述したあくびや目を逸らす、地面のにおいを嗅ぐという行為は、興奮している相手から受けるストレスを自分なりに解消しているというサインであり、相手に対して「敵意はない、落ち着こう」と言っているサインなのです。
4.体調がよくない
名前を呼んでも反応がない、薄い、ご飯を嫌がるなどという場合や、特定の部位を触ろうとすると嫌がって唸るなどという場合は、ひょっとしたら体調不良やケガのせいかもしれません。
下痢や嘔吐、ぐったりしている、熱っぽいなどの症状がないか、あるいは体の一部を気にして舐めていないかなど、犬の様子をよく観察してみましょう。
また年齢によっては聴覚や視力が低下していることも考えられます。
犬の「態度が悪い」時の対処法
犬の態度が悪い場合、その理由は何なのかをはっきりさせることから始めましょう。
また、飼い主側も犬のボディランゲージを学んだり、体調の変化をよく観察したりすることも必要です。
反抗期である場合は特定の時期を過ぎると落ち着くことが多いようです。反抗的だからといって、普段より厳しくしつける必要はありません。「していい事」「悪い事」の線引きをしっかりと行い、いつも通りに接してください。
人間を見下している犬の場合、長い時間をかけて犬がそのように学習してしまっているので、飼い主と犬の関係を再構築しなければいけません。ごはんや散歩の時間は飼い主が決め、それ以外の要求は「いけない」と心を鬼にして断り、決定権は人にあるのだということを教えてあげてください。
まとめ
犬の態度が悪い場合、反抗期だったり人を見下している態度を見せたときは、しっかりと関係性を改善するよう働きかけたほうが良いでしょう。その状態を放っておいたり、なんでも要求を通したりすれば、当然犬は増長し、やがて飼い主を信用しなくなります。
また、態度が悪く見える行動の中には、犬が自主的に自身のストレスへの対応をしている場合や、体調不良の場合もあります。
人間の行動に勝手に当てはめて「態度が悪い」と勘違いしているケースもあるので、まずは「態度が悪い」原因を突き止めるように心掛けましょう。人間側も勉強が必要ですね。