離婚した場合の愛犬の扱いについて
まず、日本で夫婦が離婚した場合、その家庭で飼われている犬はどのように扱われるか確認しておきましょう。
犬は日本の法律の上で「物」として分類されるため、人間の子供のように親権や養育費などが発生する存在として扱われません。「物」であるため、親権ではなく「所有権」の問題となり、離婚時には財産分与の対象とされるのが基本です。
ちなみに、結婚した後に犬の飼育を始めた場合は「共有財産」となり、財産分与の対象となりますが、夫婦にいずれかが結婚前から飼っていた犬の場合は「特有財産」としての扱いとなり、財産分与の対象からは基本的に外れます。
多くの家庭では、話し合いでどちらが引き取るかを決めることになるでしょう。
1.世話をする時間があるか
離婚時に犬を引き取る際、考えるべきポイントのひとつが「犬のお世話をできるか」ということです。犬を飼育していれば、当然散歩やご飯を含め、様々なお世話が必要になります。
留守番時間があまりにも長く続くと犬がストレスを抱えてしまいますし、病気になった場合は動物病院に通わなければなりません。そうした様々な状況を想定して、問題なく犬を育てていくことができると考えられる方が引き取るべきだと考えられます。
また、同居する家族や近所に協力してもらえる人がいるか、なども重要なポイントとなるでしょう。
2.経済的な余裕があるか
犬を飼うためには時間や手間はもちろん、お金がかかることも事実です。毎日の食事代をはじめ、定期的に必要なワクチンや害虫予防、健康診断などの医療費も必要です。犬によってはトリミング代やトレーニング代が必要になることもありますし、細々とした雑費もかかるでしょう。
そのような犬に関わる費用を、無理なく捻出できるだけの経済的余裕があるかどうかも、犬を飼う上での判断基準のひとつとなります。ただし、離婚で犬の引き取り手を決める場合は、人間の子供のように引き取らない方が養育費を渡すという手段もあります。
3.愛犬への理解や愛情があるか
非常に残念なことですが、犬を飼っているからといって十分な愛情を持っているとは限りません。可愛がって飼っていたはずの愛犬を、「引っ越しをするから」「離婚したから」といった理由で捨ててしまうということも、この日本では珍しいことではありません。
そのため、犬を飼う上で最も大切なことは、犬に対する十分な愛情と深い理解を持っていることだと考えられます。経済的な問題や生育環境の問題はもちろんありますが、犬を育てるためにまずは愛情がないと乗り越えられないこともあるでしょう。
「どんなことがあっても最後まで面倒を見る」という覚悟を持つ人こそが、犬を飼う資格のある人なのだと思います。
まとめ
犬を夫婦や家族で飼っている家庭はとても多く、普段は家庭内で協力しながら育てていることでしょう。しかし、様々な事情で離婚することになってしまった場合は、その後どのように愛犬を育てていくかしっかりと考えなければなりません。
日本の場合は、犬の扱いについて法的に決められたことは何もありません。そのため、経済面や時間的な余裕があることなどを基本として、誰が愛犬にストレスなく過ごせる生活環境を提供できるか考えてあげるようにしてください。