1.不安や恐怖を感じている
立ち上がったり少し動いたりしただけで、犬がその人に向かって吠えるとき、「怖い」という思いを抱えているのかもしれません。
元々知らない人が苦手な犬や、その相手に対して苦手意識を持っている犬は不安や恐怖を感じたときに、自分に近づかせないために吠えて威嚇するのです。犬は吠えることで「それ以上近づかないで!」と意思表示し、それでも近づこうとすると歯を剥き出したりうなったりして「近づいたら噛むぞ!」といった警告を出すのです。
そのような場合は、相手から目を離すことなく、じっと見つめながら吠えることが多くあります。相手を遠ざけたいと思って怯えながら吠えている場合は、重心を後ろに置いてやや腰が引けた状態で吠えたり、耳や尻尾を下げたりしていることが多いでしょう。
ただし、積極的に攻撃しようとしている場合は、前傾姿勢になって背中の毛を逆立てたり尻尾をピンと上に立てたりと、違った様子を見せるのでしっかりと観察してみてください。
解決方法
犬が不安や恐怖から吠えている場合は、決して無理に近づこうとしないでください。犬がリードでつながれていたり、囲われている場所にいたりする場合は、逃げ場所がなく攻撃を仕掛けざるを得ない状況になってしまいます。
犬は「それ以上近づくな」という警告を出しているので、その意図をくみ取ってあげてください。犬の不安を取り除いたり仲良くなったりするためのトレーニングはもちろん必要ですが、吠えているときに無理強いすると余計に怖がらせたり嫌われたりしてしまうので気をつけましょう。
2.かまってもらえることを期待している
犬が吠えるのは、決して威嚇や攻撃のためだけではありません。犬にとって吠えることは、意思表示やコミュニケーションの一貫であり、喜びや楽しさを示す手段としても使われます。
そのため、人が好きな犬の場合は人が動くたびに、「かまってもらえるかも!」「こっち来て遊ぼう♪」などというような気持ちで吠えることもあります。
喜びの気持ちの表現や遊びの誘いのために吠えている場合は、尻尾を左右に大きく振っていたり、キラキラとした瞳と明るい表情で相手を見つめるでしょう。敵意があるときの吠え方とは全く異なる様子だと思うので、しっかりと見極めるようにしましょう。
解決方法
犬が喜びや興奮で吠えている場合は大きな危険はないものの、できるだけ吠えさせないようにトレーニングしていくことをおすすめします。
犬が苦手な人はもちろん、犬についてあまり詳しくない人は、吠えているだけで犬に怖い印象を持ってしまうことがあります。また、騒がしさから不快な思いをすることもあるでしょう。
そのため、犬が遊びたい気持ちで吠えているときは、「吠えなければ遊んでもらえる」という学習をさせることが大切です。吠えている間は無視をして、吠え止んでから近づいて遊んであげるようにしましょう。
3.驚いた拍子に吠えてしまった
上記で解説したように、不安による威嚇や警告、喜びによる興奮などといった明確な意思表示をしているとき以外にも、犬は吠えることがあります。
人が動いた拍子にびっくりした犬がつい吠えてしまう、ということもめずらしくありません。その相手が好きな人であっても嫌いな人であっても、犬がぼんやりしているときなどに突然動かれると驚いてしまうのです。
人は犬よりも大きいため、座った状態から立ち上がると特に圧迫感を感じて、びっくりしてしまうのだと思います。
解決方法
驚いたときに吠えるといったような反射的な行動については、それほど気にせずそのままにしてもいいでしょう。しかし、人が動くたびにびっくりしてしまう犬は、精神的に落ち着いて休めなくなったりストレスを感じたりするようになってしまうことも…。
「人が動いてもあなたが怖い思いをすることはないよ」ということを伝えるために、あえて何度も動いて慣れさせるようにするといいでしょう。
まとめ
自分が立ち上がったり動いたりするたびに犬に吠えられると、「嫌われてるのかな…」と悲しくなってしまうこともあるでしょう。
しかし、犬がそのようなシーンで吠える場合は「嫌い」というわけではなく、不安や緊張を感じていたり、反対に「かまってもらいたい」という気持ちを表現したりしていることがあります。
犬が吠えているときは、表情や体勢など全身の状態をしっかりと観察し、どのような気持ちで吠えているかを理解してあげてください。その上で適切な対応をして、より良い関係を築いてくださいね。