犬種による必要な運動量の違い
犬を飼育する上でついて回るのは、散歩の問題です。
いくら小さな犬であっても、リフレッシュと運動不足解消のためには、毎日散歩する必要があります。しかし、運動大好きで元気いっぱいなボーダーコリーやレトリバーのような犬種がいる一方で、運動をそれほど必要としない犬種も存在します。
まず小型犬、愛玩犬と呼ばれるグループの犬は、柴犬やコーギーなどの中型犬のグループの犬に比べてそれほど運動量を必要としません。特に、愛玩犬として生まれた犬の場合は、骨が極端に細いうえ、マズルが短い短頭種や手足が短い子が多いのでもともと運動には向かない犬が多いのです。
また、短頭種で長毛なペキニーズ、狆などは、室内飼育をして1日10分~15分程度の家の周りの散歩程度で十分であるという専門家もいるようです。さらに、マルチーズ、ヨークシャー・テリアなども体が小さいため、長い距離や長時間の運動は苦手な場合があります。
しかし、小型犬でもパグやシー・ズーは意外と体力があるため、長い距離の散歩を好む犬もいます。とはいえ、彼らも決して骨が太かったりマズルが長く呼吸がしやすいタイプではないため、飼い主さんが適宜調節してあげる必要があります。
「運動が苦手」と言われている犬種
では、犬種によって必要な運動量の違いがあることが分かった上で、今回は特に「運動が苦手」と言われている犬種について解説したいと思います。その理由と、散歩や遊びをさせる際に注意すべきこともあわせて解説します。
1.ブルドッグ、フレンチブルドッグ
「ブルドッグ」と呼ばれる犬種は、短頭種の代表のような短いマズルをしています。そのため、運動によって呼吸が荒くなると、すぐに呼吸困難や体温調節が難しい状態になったりしてしまいます。その結果として、散歩自体が苦手な子が多いようです。
また、ボール遊びや短い距離を走ったりする運動自体は好きだけれど、すぐ息がつらくなるので長く続けられない、という犬もいます。
短頭種の場合は、パンティング(口を開けて舌を出してハッハッハとする呼吸)でも上手く体温を発散できず、熱がこもってしまいやすいのです。そのせいか、見た目に寄らず他犬種と比べると体力がない子も多く、余計に運動が苦手になっている可能性があります。
2.ミニチュアダックスフンド
もともとウサギ狩りなどで地面を走り回ることに長けているダックスフンドですが、体力もあるため、散歩は好きな犬が多い印象です。
しかし、手足の短さと胴の長さ、骨の細さがネックとなり、実はそれほど持久力もなく小回りも利かない犬種です。
一直線に走る分には良いのですが、ボール遊びなどで走り回らせたり、不意に方向転換させるような運動をさせると椎間板や膝、股関節に大きな負担がかかります。ジャンプしてボールをキャッチするようなこともできないので、そういった遊びには不向きと言えるでしょう。
3.チワワ
頭が大きく、手足や体の骨が細いのが特徴のこの犬種は、長時間や激しい運動をすると骨折や脱臼といったトラブルが起こりやすくなります。
体の大きさの割に走るのが早く、愛玩犬の中でもマズルが長く短頭種とは言えないチワワですが、小さい体に見合わないほどのスピードと瞬発力があります。そのため、単純な駆けっこなどは大好きなのですが、その体の小ささゆえにケガのトラブルが多く報告されています。
段差をジャンプしたり、ボールをジャンプしてキャッチしたりといった、アクロバティックな動きはできなくはないものの、健康のためには控えたほうが良いようです。散歩は、短い距離で短時間にし、1日に2回、3回くらいしてあげるとリフレッシュできます。
まとめ
今回は、「運動が苦手」と言われている犬種をご紹介しました。
今回ご紹介したこれらの犬種でも、性格によっては「運動や散歩が大好き♡」という犬も多いと思います。
ただし、体格的にケガをしやすかったり呼吸困難などのトラブルを起こす場合もあるため、飼い主さんはしっかりと愛犬を観察して、適宜運動量を調節してあげましょう。