犬が『家族を順位付けする』は迷信?
犬が飼い主さん家族を順位付けするという話は、昔からよく聞く話しかと思います。強いお父さんが一位でご飯をくれるお母さんが2位。一緒に遊ぶ子供たちは自分と同等か下位と思っている、なんて話も耳にしたことがあるのではないでしょうか?
家族同様に一緒に暮らしている愛犬が、そんなことを考えていたらなんだかちょっと悲しい気分になりますよね…。
でも安心してください!結論からお伝えすると犬は家族を順位付けするようなことはありません。このような迷信が当たり前のように言い伝えられたのには、ちゃんと理由があるようです。
犬が『家族を順位付けする』と言われる理由
ご存知の方も多いと思いますが、犬の祖先は野生のオオカミであると考えられています。犬自体の研究が盛んになってきたのは、ほんの数十年前から。それまでは今現在の犬の習性も、野生のオオカミに基づいて考えられることがほとんどでした。
動物園内で行われたオオカミの行動研究によると、オオカミの群れには階層構造があり、リーダーとなる順位の高いものが良い食事を食べ、良い寝床で寝る権利があったようです。
そんなオオカミの習性が現在の犬にもあると考えられていたため、「犬は家族を順位付けする」と言われ続けていたようです。
しかし野生のオオカミの群れを観察した結果によると、野生のオオカミの群れでは絶対的な順位関係はなく、親や若いオオカミが幼いオオカミに食事を与えるなど「ごく普通の家族」のように支え合いながら生活していることが判明したようです。
野生のオオカミの群れの生活を観察したことにより、「犬が家族に順位付けする」という考えは迷信であると言われるようになったのです。
犬はなぜ人によって態度が違うの?
犬は家族を順位付けしないということはハッキリとしているようですが、それでも人によって態度が違うことがありますよね?相手によって帰ってきた時の喜び方が違ったり、愛犬の名前を呼んでも来る人と来てくれない人がいませんか?
犬はしっかりと感情を持っている生き物なので、相手がどんな風に自分のことを思い接してくれるのか理解しているのです。犬が相手によって態度を変えるのは飼い主さんの接し方にあるようです。
1.信頼している人に対して
愛犬と飼い主さんに間に一番大切なのは「信頼関係」です。犬は信頼している相手に対しては心を許す生き物なので、その相手に名前を呼ばれればすぐに駆け寄って行ったり、甘えたい時はそばで寄り添ったり、そのまま寝てしまうこともあるでしょう。
日頃から愛犬ときちんと向き合い「嫌がることは無理やりしない」「ダメなことはダメときちんと教える」など、愛犬の気持ちを考えて接している人が多いはず。
愛犬に「この人は自分のことを大切に思ってくれている」という気持が伝わるような接し方をしている人が信頼されているはずです。
2.ワクワクする人に対して
犬が好きなものと言えばご飯やオヤツ。楽しことと言えばお散歩や遊ぶこと。犬自身が「嬉しい」と感じることをしてくれる人に対しては「この人と一緒にいると良いことが起る」とワクワクする気持ちで一緒に過ごしているはず。一緒にいて楽しい人を好きになるのは犬も人も同じなんです。
毎日ご飯を与えてくれる人や、お散歩に連れて行ってくれる人を好きになる傾向が強いでしょう。その相手に対しては近くに寄って行ってオヤツをおねだりするような仕草を見せたり、その人の後をついていくなどの行動を見せることが多いはずです。
3.わがままを聞いてくれる人に対して
犬は飼い主さんに対して多くの要求がありますよね。「一緒に遊んでほしい」「オヤツが食べたい」などの要求を仕草や行動で伝えてきます。
犬の要求行動はお腹をごろんと見せてきたり、前脚でチョンチョンと飼い主さんの体に触れてくるなど可愛らしいものから、吠える唸るなど飼い主さんを困らせるようなものもあります。
吠えたり唸ったりした時に要求に応えてくれた相手に対しては、ワガママな態度を見せることが多いでしょう。愛犬が可愛いから、また好かれたいからという気持で接していてはワガママが増長してしまいます。
吠えて何かを要求してきた時は、無視をして応じないようにしてください。本当の信頼関係を築くためには、「今はダメだよ」ということもしっかりと教えて良い関係を築いていきましょう。
まとめ
一昔前までは、「犬は家族を順位付けしている」という考えに基づいた厳しいしつけ法が一般的でしたが、今では「褒めるしつけ」が主流になっています。
また、今では犬に上下関係の概念もないと言われているので、厳しいしつけはなおさら必要ないようです。愛犬の性格を考慮したうえで信頼関係をしっかりと築けるよう接していきましょう。