犬同士でお尻を嗅ぐのはなぜ?
ニオイの種類にもよりますが、一般的に犬は人の数千倍から1億倍、嗅覚が優れているといわれています。ただこれは遠くのニオイを嗅ぎ取るのが得意なわけではなく、ある程度近づく必要があるようです。
パグやフレンチブルドッグといった短頭種は鼻が短いためにニオイを感知する細胞が少なく、嗅覚が少し劣るとされています。そんな嗅覚に優れた犬同士なのに、なぜお尻のニオイを嗅ぐのでしょうか。
実は犬のお尻には肛門腺という器官があり、そこから出る分泌物のニオイは犬それぞれで違います。相手の分泌物のニオイを嗅ぎあうことでお互いのことを認識し、確認してあいさつしあっているのです。
お尻のニオイを嗅ぐというのは、犬にとっては名刺交換のようなコミュニケーションというわけですね。では人間のお尻のニオイを嗅ぐのはなぜなのでしょうか。次から確認していきましょう。
犬が人間の股間を嗅いでくるときの心理とは?
1. 飼い主さんの情報を得ようとしている
犬は飼い主さんの情報を得ようと思って、股間やお尻のニオイを嗅いでいる場合があります。
人間の股間周りにはアポクリン汗腺というものがあり、そこから分泌される汗は犬にとってはその人のことをよく知るための情報源となるのです。ちなみにアポクリン汗腺は他にわきの下や乳房などにもありますが、犬的には最も近い下半身が嗅ぎやすいのでしょう。
またその日1日の飼い主さんの行動を探るために嗅いでいるケースや、犬によっては飼い主さんの体調不良を嗅ぎ取っているケースもあります。股間のニオイを嗅がれるのはちょっぴり気まずいかもしれませんが、「飼い主さんのことをもっとよく知りたい」と言う心理からの行動なら、かわいく思えてきますよね。
2. 興味のあるニオイがついている
「帰宅した際に、クンクン愛犬が股間やお尻まわりを嗅いできた」なら、犬にとって興味のあるニオイがついているから嗅いでいるのかもしれません。
外出先で座ったときに何かニオイのするものがついた、外食で調味料や食べ物をこぼした、焼肉やバーベキューをして肉を焼いたニオイが服についたなど心当たりはありませんか?そういった気になるニオイがたまたまお尻付近についたので、犬がそれに興味をもって嗅いでいるのでしょう。
また犬は排卵期間や月経中、出産前後の女性のニオイが気になって嗅ぎたがる傾向にあります。犬は鋤鼻器(じょびきかん)というフェロモンを感じる器官があるので、そういった女性の変化にともなうフェロモンに反応しているのかもしれませんね。
3. おならが気になった
「家でおならをしたら、犬があわててやってきて股間周りを嗅いできた」「音を出さずにおならをしたのに、愛犬にクンクンされてバレた」なんてケースでは、おならが気になって股間やお尻を嗅いでいるのでしょう。
おならの音という聞きなれない音に好奇心がわいた、飼い主さんのお尻付近から普段とは違うニオイがして嗅ぎたくなってしまったなど、興味をそそられてやってきているのです。
飼い主さん本人にとっては恥ずかしいかもしれませんが、無邪気に「今のは一体なんだろう?」と嗅いでいるのなら「仕方がないな」と思えそうです。
4. 大好きな飼い主さんのニオイを嗅ぎたい
飼い主さんのニオイを嗅ぎたいからというのも理由として考えられます。先ほどもご紹介したように、人間のアポクリン汗腺は脇や股間に集中しており、飼い主さんのニオイを一番感じられる場所でもあります。
よくペットホテルに預けるときに、飼い主さんのニオイのついたタオルなどを持参すると犬も安心して過ごせるといいますよね。犬にとって大好きな飼い主さんのニオイは魅力的で安心できるものなので、そのニオイを嗅いで落ち着きたい気分なのでしょう。
まとめ
今回は愛犬が飼い主さんの股間を嗅いでくるときの気持ちについて、ご紹介しました。人間にとっては恥ずかしい行動でも、犬にとってはごくごく自然のことで、その裏にはさまざまな心理があるというのがおわかりいただけたことでしょう。
愛犬が他の人のお尻周りを嗅ぐのは、失礼になるケースもあるので注意が必要ですが、飼い主さんご家族のお尻周りを嗅ぐのならもう少し寛容になってもいいのかもしれませんね。