致死率はほぼ100%!狂犬病について
狂犬病とは
狂犬病は致死率ほぼ100%の恐ろしい病気です。狂犬病という名前ではありますが、人をふくむ全ての哺乳類が感染する可能性があります。
狂犬病に感染している動物にかまれたり、ひっかかれたりして、その傷口からウイルスが入り感染します。
日本は狂犬病を撲滅した数少ない清浄国の1つです。ただ世界では今でも、毎年多くの人が狂犬病にかかって亡くなっています。狂犬病が確認されている地域に行く場合は、動物にむやみに近づかないようにしましょう。
またそういった地域で感染動物にかまれるなど感染した疑いがある場合は、すぐに流水と石鹸で傷口をよく洗い、消毒します。その後速やかに医療機関を受診して狂犬病ワクチンの接種を行ってください。
犬がかかるとどうなるのか?
犬の潜伏期間は一般的に2週間から2か月ほどといわれていますが、長い場合1年を越えるケースも。発症すると始めは食欲不振や下痢嘔吐、挙動がおかしい、暗いところに隠れるなどの症状がみられます。
その後異常に興奮して攻撃的になり、音や光に過敏に反応する、水を怖がるなどの狂騒期を経て、麻痺期には全身が麻痺して歩行が困難になったり、過剰なよだれをたらしたり、食物や水が飲み込めなくなったりします。
やがて昏睡状態に陥り、呼吸ができなくなって死に至ります。狂騒期がなく、すぐに麻痺状態になるケースもあります。
狂犬病の予防対策とは
狂犬病は発症すると治療方法がなく、ほぼ100%亡くなる病気ですが、ワクチンによって予防できる病気です。
日本では1950年に「狂犬病予防法」が制定され、犬を飼う場合飼い始めてから30日以内に市町村に犬の登録をすること、生後91日以上の犬には年1回の狂犬病ワクチンを接種させることが義務化されています。
日本では1957年以降、動物での狂犬病発症はありません。(狂犬病流行国から帰国や入国した人が日本国内で発症した事例は数例あります。)ですが今後、狂犬病ウイルスが流入してくる可能性もゼロではありません。愛犬と飼い主さん家族の健康のためにも、必ず狂犬病ワクチンを摂取させましょう。
番外編:致死率の高い犬の病気
犬ジステンパー
犬ジステンパーは犬ジステンパーウイルスに感染することによってかかる病気です。せきやくしゃみ、高熱や下痢、嘔吐などの症状が見られます。
発症した場合の致死率が高く、特にけいれんや震えなどの神経症状が出た場合、死亡率がより高まり、治ったとしても後遺症が残ることもあります。これまで人が発症したケースはありません。
犬ジステンパーはくしゃみやせきなどの飛沫感染、感染した犬との接触や、尿、血液、唾液のような分泌物や排泄物などに接触して感染する接触感染でうつります。
感染力がとても強く、水やフードのボウルを共有してうつることも。ワクチン接種をしていない犬が複数いるような環境では、あっという間に広がってしまう可能性があり注意が必要です。
犬ジステンパーそのものに有効な治療薬はなく、対症療法で回復を待つことになります。ワクチンによって予防できる病気ですので、必要なタイミングで摂取させて、しっかりと予防しましょう。
犬伝染性肝炎
犬伝染性肝炎は犬アデノウイルス1型というウイルスが原因の病気です。このウイルスは感染した犬の尿や糞便、唾液に含まれており、それが鼻や口から犬の体に入ることにより感染します。人には感染しません。
発熱や下痢、嘔吐、腹痛、ぐったりするといった症状がみられ、軽症の場合もありますが最悪の場合突然死することもあります。
回復期には角膜浮腫によって目が青白くみえるブルーアイといわれる状態が見られることもあります。犬アデノウイルス1型に直接的に効果のある治療薬はないので、感染した場合は対症療法を行います。
犬伝染性肝炎は特に子犬の発病率・死亡率が高い病気です。ワクチンを接種することで致死率がかなり低くなるので、適切なワクチン接種で愛犬の体を守ってあげてくださいね。
まとめ
今回は、かかるとほぼ100%が死に至る狂犬病と、その他の犬の致死率が高い病気を2つご紹介しました。どれも恐ろしい病気でしたが、ワクチン接種で防げる病気でしたね。
愛犬の健康を守るためにも、かかりつけの動物病院で相談しながら、適切にワクチンを受けさせましょう。