犬の鼻に隠された特殊能力
犬の鼻は人間の1億倍もの嗅覚があることは、すでにご存知ですよね。においにとても敏感で、麻薬探知犬のように優れた嗅覚を活かして現場で活躍する犬もたくさんいます。
このように、すでに「犬の鼻はすごい!」ということは十分知られているかと思いますが、実はまだまだ知られざる能力があるのです!
ここでは、犬の鼻に隠された特殊能力の数々をお伝えしていきます。
特定の匂いを嗅ぎ分ける
犬の優れた嗅覚には、特定のにおいを嗅ぎ分ける能力があります。とくに大好きな飼い主のにおいは、離れた場所にいても察知できるといわれています。
犬がにおいを嗅ぎ分けられる距離は、3mほどの範囲といわれています。しかし、特定のにおいに関してはもっと広範囲に及ぶといわれているので、犬は遠く離れていても「飼い主さんだ!」と気づくことができるようです。
相手との距離が離れた場合は、嗅覚だけではなく、聴力も駆使して情報を察知し、より正確な判断をしています。犬の聴覚は人間の約4倍ほどの能力があるといわれているので、優れた嗅覚と一緒に使うことで相乗効果を発揮します。
このような能力があるから、犬は離れていても間違えることなく飼い主を探し出すことができるという訳です。離れていても愛犬がすぐに探し出してくれたら、飼い主としてはこの上ない喜びを感じますね。
人間の年齢や性別が分かる
犬には、人間の年齢や性別が判断できるようです。人間の汗やフェロモンのにおいを嗅ぐことで、「この人は女の人」「この人はまだ子供」とわかります。
人間の赤ちゃんに寄り添う犬は、母乳やミルクなどのにおいや泣き声にも反応をしているのかもしれません。赤ちゃんを前に母性本能をくすぐられるのは、人間だけではなく犬も同じようです。
ただし、年齢や性別が犬の好みにつながるという意味ではありません。「うちの犬は男の人が好き」など好みがあるのは、その人の声のトーンが優しい、タバコのような嫌いなにおいがしない、というような総合的な判断をしているのだと思われます。
相手の健康状態が分かる
「体調を崩した時に愛犬が心配そうに寄り添ってくれた」という経験はないでしょうか。犬は相手が発するにおいの情報から健康状態が分かるといわれています。
さらに、身体の変化や病気を察知する犬もいます。
例えば、VOCから発するフェロモンのにおいから、犬は女性の排卵時期や妊娠や出産を察知することができるともいわれています。
犬がなぜか股の下を嗅ぐ時は、体に何らかの変化が起きているのかもしれません。中には、妊娠した女性の強いホルモンが苦手で距離を置く犬もいるようです。
ほかには、ガンを患った人を鋭い嗅覚で嗅ぎ分ける犬もいます。過去にアメリカ泌尿器科学会は、98%の確率で前立腺ガン患者を見分けた探知犬がいたことを報告しています。
そして、世界には糖尿病患者のために活躍する犬も。低血糖になると知らせてくれる「低血糖アラーム犬」は、睡眠中に生じる低血糖をいち早く察知し、素早く起こして危険な状態を回避させる特殊な訓練を重ねています。
なぜ糖尿病が分かるのかといえば、低血糖時に人間の息に混じる特定のにおいを犬が察知しているんだそうです。
このような病気を持っていなくても、弱っている人間に寄り添う犬の姿には救われるものがありますね。
まとめ
今回ご紹介したように、犬の鼻には驚くほどの素晴らしい能力が隠されています。
いつも一緒にいる愛犬を見ていると「人間の気持ちが分かるのでは?」と思う瞬間がたくさんありますよね。
犬はいつも飼い主のにおいから情報を取り込み、(飼い主さんの気持ちは安定している?)(体調はどうなの?)とまで考えているのかもしれません。
愛犬はいつもただそばにいるだけでないと考えると、心の底から嬉しくなりますね。