犬の性格はどう決まる？
犬の性格は『子犬の頃の社会化期をどのように過ごしたか』ということが左右する、と言っても過言ではありません。
基本的には、生後3週齢～16週齢の間を「社会化期」と言いますが、犬種によって異なる場合や個体差がある場合があります。
どのような場合でも、子犬の頃の社会化期はその犬の一生涯のうち一度しかありません。成犬になってからも社会を学び続ける必要はありますが、子犬の頃の社会化期はかなり重要な時期であると言えます。
外の世界での刺激が鍵
犬の性格は、外の世界で刺激を受けることによって決まります。
子犬は混合ワクチンの接種を済ませた後にお散歩デビューをし、「外の世界にはこんなに楽しいことや嬉しいことがたくさんあるんだ！」という経験をすることが大事です。
人と触れ合うのも良し、犬と触れ合うのも良し、もしかしたら野良猫とすれ違うことだってあるでしょう。幼い子供との触れ合いもよい経験になるはずです。
初めは、近所をお散歩する程度でよいです。なるべく車の通りが少ない場所、人混みのない場所、静かな場所を歩くのがポイントです。
慣れてきた頃には、車の通りが多い場所（歩道）を歩いたり、道路（横断歩道）を渡る練習をしたり、騒がしい場所にも慣れるようにするとよいです。
例えば、わざと工事現場の近くをお散歩するのもアリです。その後に経験することがあった時、強いストレスによって体調を崩したり、パニックを起こしたり、トラブルなく過ごすことができるようになります。
育て方の違いに左右される
犬の性格は、飼い主の育て方の違いによって左右されます。
刺激を受けることなく、自宅の中で大切に育てられた犬は、ネガティブな性格になりやすいです。すぐ吠える、すぐ咬みつく、すぐ怒るなどすることがあります。
刺激を受けると、犬はストレスを感じます。その時、攻撃的な一面を見せてしまうのです。
外の世界で刺激を受けることが大切な理由は、どんな刺激を受けた時にも弱いストレスで済むようにするため、ジッと耐える強さを持つためでもあるのです。
愛犬を大切に思うが余り、大切に過保護にしてしまう気持ちは私にもよく分かります。子犬の頃にそのように育ててしまったことによる後悔もあります。
成犬になってからでは遅い、意味がない、ということは絶対にありませんので、今からでも刺激に慣れる練習や社会化をさせてあげるとよいと思います。
犬の性格が突然変わるのはなぜ？
基本的には、生まれ持った性格が変わることはない、とされているものの、ある日突然、愛犬の性格が変わったように感じられることがあります。
犬の性格が変わるのは、学習と経験によるものです。学習と経験が犬の行動や態度をネガティブにもポジティブにも変えることがあります。
ひどく恐ろしい経験をした時、トラウマを抱え、攻撃的で狂暴な性格になってしまう犬もいます。また、人見知りで人を恐れていた犬が、人と交流することの楽しさや嬉しさを知った時、フレンドリーで社交的な犬になることもあります。
「学習と経験」による原因以外にも、犬の性格が変わることがあります。いわゆる犬の高齢化です。
犬も高齢になると、目が見えづらくなったり、耳が聞こえづらくなったり、あまりニオイが感じられなくなるなど、機能が衰えることがあります。
そのような状況になることで、慎重に行動するようになったり、不安がるようになったり、恐怖心から行動することができなくなる犬もいます。やんちゃで暴れん坊だった犬、おてんばでわがままだった犬が、老犬になったことで穏やかで物静かな犬になることもあります。
もともとの性格が変わったのではなく、加齢が原因で変わったように感じられるようになる、ということなのです。
まとめ
犬の性格は、子犬の頃の社会化期をどのように過ごしたのか、飼い主がどのような育て方をしたのかによって、大きく左右されることがあります。
もちろん、犬種による性格の違いもありますし、個体差もあります。同じ犬種でもオスとメスとでは性格が違うと感じられることもあります。
学習や経験、加齢によって、性格に変化が感じられることもあります。
犬の中で最もオオカミに近いDNAを持つとされている柴犬は、「犬界の猫」と呼ばれるほどの塩対応な性格をしているとも言われています。
飼い主は、愛犬のもともとの性格を尊重してあげられるとよいのではないでしょうか。
