愛犬への正しい叱り方
愛犬のしつけがなかなか上手くいかない時、感情的になって怒ってしまったことはありませんか?
「怒る」とは、イライラしたり腹が立った時に相手に感情をぶつけてしまうこと。一方「叱る」とは、相手を正しい方向へ導くために気づかせること。似ているようでまったく違う意味を持ちます。
犬も感情を持つ生き物です。怒られたり、あまりにも強く叱られてしまうと傷つきますし、飼い主さんに対して恐怖心を抱いてしまいます。愛犬との関係性にひびが入ってしまう危険性も。
愛犬のため、またより良い信頼関係を築くためにも正しい叱り方とやってはいけない叱り方をチェックしてみて下さい。
1.短く一喝する
愛犬を叱る時は理解しやすいように伝えることがポイント。犬は短い言葉であれば、何度も繰り返し声をかけられることで記憶し理解することが可能です。叱る時の言葉であれば「ダメ」「いけない」「ノー」など、短い言葉を低い声のトーンで伝えるのが一番理解しやすいでしょう。
犬は単語だけで言葉の意味を理解するのではなく、飼い主さんの口調や態度などとセットで記憶していきます。叱る時は飼い主さんは立ったまま、犬を見下ろすような状態であれば伝わりやすいでしょう。
2.コマンドを統一
叱る時のコマンドは「ダメ」や「いけない」などを使用することになると思いますが、飼い主さん家族全員同じコマンドに統一しましょう。人によってコマンドが異なってしまうのは愛犬を混乱させる原因のひとつになります。
3.叱る強さを適切に調整する
「いけない」という統一した単語で叱っていても、優しい口調と強い口調では愛犬への伝わり方が違います。叱っている時の愛犬の様子を見ながら声のトーンや強さ、大きさなどを調節していきましょう。
愛犬の耳が震えていたり、大きく後ろに倒れている場合は強すぎ。あまりにも平然としているようであれば、弱すぎて伝わっていない可能性があります。
飼い主さんに注目するようにアイコンタクトがとれていたり、軽くシッポを振っている状態であれば、リラックスしながらコマンドを聞くことが出来ているので、ちょうど良い強さと言えるでしょう。
4.タイミングを計る
イタズラを叱る時は現行犯で叱りましょう。イタズラをしている時、またはその直後が効果的です。犬は短期記憶があまり得意ではなく、せいぜい十数秒前の出来事しか覚えていません。時間が経過してから叱られても、何に対して叱られているのか理解することが出来ないのです。
5.叱ったあとに褒める
愛犬が「してはいけないこと」をしてしまった時は叱ることもありますが、やはり楽しい時間ではないはず。叱ったあとはフォローするためにもたくさん褒めたり、ハグをしたり、一緒に遊ぶなどの時間を作りましょう。
これは飼い主さんの気持ちの切り替えにも繋がりますし、愛犬と仲直りすることも出来ます。良い信頼関係を保つためにも叱ったあとのフォローを忘れないようにしましょう。
やってはいけない叱り方
強い恐怖心を与えてしまう、また嫌がらせのような叱り方などやってはいけない叱り方もいくつかあります。
- 長時間叱る
- 名前を呼んで叱る
- マズルを掴む
- 怒鳴る
- 体罰
叱る時につい愛犬の名前を呼んでしまうことはありませんか?犬には「名前」という概念がありません。自分の名前を耳にするたびに叱られていると「名前を呼ばれる=叱られる」と学習してしまいます。
愛犬の名前を呼ぶ時は褒める時など嬉しいことが起る時、また呼び戻しのトレーニングの時に使用しましょう。
マズルを掴む、大きな声で感情的に怒鳴る、体罰も犬に対して大きな恐怖心を与えてしまいます。飼い主さんとの信頼関係が大きく崩れる原因になりますので決してやらないようにしましょう。
特に体罰は言うまでもなく、絶対にしてはいけないこと。飼い主さんとの信頼関係だけでなく、人間自体をまったく信用できなくなってしまう危険性もあります。
まとめ
愛犬のしつけは時に難しいと感じることもあると思います。なかなか上手くいかないとイライラしてしまうのも悪い感情ではないはず。
しかし、それ愛犬にぶつけてしまってはいけません。気持ちをおおらかに持ち、いつか上手くいくことを信じて根気よくしつけをしていきましょう。叱る時も愛犬への愛情を忘れずに接することで気持ちも伝わりやすくなると思います。