「歯磨きガム」の効果とは
犬たちの口腔ケアはいろいろな方法があります。
歯ブラシや歯磨きシートなどを使って直接歯磨きをするのと歯磨きガムを利用するのでは、圧倒的に後者を選ぶ人が多いのではないでしょうか。
直接口の中に指を入れて歯磨きをするより、ガムを与えて置けば勝手に噛んでいるしといって使う方も多いと思います。
確かに、歯磨きガムは歯ごたえもあり、犬が好んで噛む素材です。食べても問題ない素材なので、飼い主も安心して与えることができます。
しかし、「歯磨きガム」だけでは犬たちの歯周病は防げません。歯磨きガムは噛むことである程度の歯垢除去効果や口内の殺菌効果が期待できますが、ガムだけでは歯垢が完全には除去できていないからです。
歯磨きガムを与えると、犬は一生懸命噛みます。その噛んでいる歯については歯垢がとれていくのですが、それ以外の歯については歯垢がとれていないのです。特に「噛む」ことにあまり関与しない切歯(前歯)や犬歯では、ガムでは歯垢が取れないと考えてください。
ちなみに、臼歯(奥歯)では歯垢や歯石の除去効果が見られるそうです。歯ブラシや歯磨きシートで届きにくいところで効果が高いと、飼い主としてはうれしいですね。
歯磨きガムの与える頻度やタイミング
フードやおやつと異なり、「歯磨きガム」は栄養目的ではないため、毎日必ず与えなくてはいけないものではありません。
また、生後何か月から、という目安もありませんが、永久歯に生え変わり、消化器官がしっかり発達してからのほうが良いでしょう。
あくまで歯垢除去の補助アイテムとして歯磨きガムを使う場合、多くても一日一本程度を目安にしましょう。食後数時間で歯垢ができるといわれているので、食事の直後や食事と食事の間(昼など)に与えるようにすると、歯磨き効果が高いかもしれません。
歯磨きガムのやってはいけない選び方とは
愛犬用「歯磨きガム」は、もちろん犬が食べても問題ない素材で作られています。しかし中には選び方を間違えてはいけない場合も。
ここでは、愛犬用「歯磨きガム」のやってはいけない選び方を解説します。以下のような歯磨きガムは選ばないように注意しましょう。
愛犬の体や口のサイズに合わないもの
犬の体や口の大きさとガムのサイズを考え、丸飲みできないサイズを選びましょう。
また、噛んで砕けた時に大きな塊になりやすいものも丸飲みをする危険があるので、砕けにくいものを選んでください。
丸飲みしてしまうと、最悪の場合、窒息や腸閉塞など命の危険があります。
砕けたときに鋭利になるもの
一生懸命噛んだらガムが砕けた、先がとがった状態になった、というガムは避けましょう。食道や消化器官を傷つける恐れがあります。
歯磨きガム自体はあまり噛み砕いてもあまり鋭利にならないとは思いますが、ガムの代わりに牛の蹄などを与える際は注意しましょう。
固いもの
長く噛んでもらいたいからといって、固い歯磨きガムを選んでしまいやすいのですが、あまりに固いものは歯を削ってしまったり、傷つける可能性があります。
また、固いものを噛みすぎて歯が折れてしまうこともあるので、体の大きさや顎の力に応じたガムを選んでください。
まとめ
ガムを与えるときは必ず飼い主が見ている前で、何かあった時にすぐ対処できるよう犬の様子を観察しながら与えてましょう。
子犬や若い犬、フードやおやつなどを丸飲みしやすい犬の場合は、ガムを飼い主さんがしっかり持った状態で噛ませてあげる方法もあります。
また、「物を噛む」という行為が犬のストレス解消につながることもあります。味の良い(犬が好きな味の)ガムを選んであげたり、歯磨きガムが苦手な犬の場合は、ロープや歯垢除去効果のあるおもちゃなどを与えてもよいかもしれません。
愛犬用「歯磨きガム」を正しく上手に使って、愛犬の口内環境を整えてあげましょう。