『老犬』って何歳から?犬種ごとの違いはある?長生きのために意識すべきことも解説

『老犬』って何歳から?犬種ごとの違いはある?長生きのために意識すべきことも解説

犬の成長スピードはとても速く、人の4倍〜7倍の速さで年を取っていきます。ふと気づけば、人間の年齢に換算すると、飼い主さんよりも愛犬のほうが年上になっていたりします。犬の平均寿命は約14年ですが『老犬』は何歳からなのでしょうか?

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

『老犬』は何歳から?

老犬のゴールデンレトリーバー

犬も人も年齢に抗うことはできません。子犬は成犬に成長し、やがて老犬になります。犬は成長スピードが人よりも何倍も速いので、飼い主さんからするとあっという間に老犬になってしまうように感じるかもしれません。

犬は一般的に小型犬と中型犬は7歳、大型犬は5歳から老犬とされることが多いです。大体この辺りから老化の兆候が見られ始めます。

しかし老犬の年齢には諸説あり、例えば小型犬(10kg未満)は11歳以上、中型犬(10〜25kg未満)は10歳以上、大型犬(25kg)は8歳以上を老犬とすることもあります。つまり老犬の年齢には、明確な定義や区切りがないのです。

そのため、飼い主さんが愛犬の老化のサインに気づいてあげることが大切です。犬の老化のサインとは

  • 反応が鈍くなる
  • 被毛の色が薄くなる
  • 白髪が増える
  • 粗相が増える
  • 睡眠時間が長くなる
  • 動作がゆっくりになる
  • よくつまずく
  • 目が白くなる

などです。愛犬にこうしたサインが出てきたら、老犬の仲間入りをしたと考えましょう。

老犬になる年齢に犬種ごとの違いはあるの?

いろいろな犬種の老犬たち

犬は犬種によってサイズが異なり、そのサイズによって成長スピードおよび老化のスピードに差があります。小型犬は成犬になるまでの成長は早いですが、老化はゆっくりと進みます。大型犬は成犬になるまでの成長はゆっくりですが、老化は早いです。

そのため老犬になる年齢は犬種ごとに違いがあるというより、体のサイズによって違いがあると考えたほうがいいでしょう。

愛犬の長生きのために意識すべきことは?

散歩中のジャックラッセルテリア

犬は人間よりも成長スピードが速く、小型犬で人の約4倍、大型犬なら約7倍のスピードで年を取っていきます。速いスピードで年を取っていく愛犬と1日でも長く一緒にいるためにはどうしたらいいのでしょうか?ここからは、愛犬の長生きのために意識すべきことを解説していきます。

1.適切な食事

適切な食事は、愛犬の健康と長生きに繋がります。適切な食事とは、栄養バランスの取れた食事を適量摂取することです。

総合栄養食のドッグフードは犬に必要な栄養素がバランスよく配合されているため、愛犬にこれを適量与えれば適切な食事と言えます。ただ、ライフステージによって必要な栄養素の割合が異なるため、愛犬の年齢に合ったドッグフードを選ばなくてはいけません。

ちなみに人が食べるために調理された食事は、犬にとっては塩分や糖分、脂肪分が高く健康を害します。犬の寿命を縮めることになるので愛犬に与えるのはやめましょう。

2.適度な運動

愛犬が長生きするためには適切な食事とともに、適度な運動も必要になります。運動不足は、糖尿病や心臓病などさまざまな病気の元となる肥満を引き起こし、寿命を縮めかねません。

散歩は運動不足の解消だけでなく、ストレスの発散にもなるので毎日行うようにしましょう。雨などで散歩へ行けない日は、室内でモッテコイ遊びや引っ張りっこ遊びをして体を動かしましょう。

散歩時間は

  • 小型犬:朝夕各15〜30分くらい
  • 中型犬:朝夕各30〜40分くらい
  • 大型犬:朝夕各1時間くらい

が目安ですが、小型犬でも犬種によっては中型犬並の運動量が必要なこともあるため、愛犬の様子を見ながら調節しましょう。散歩から帰宅後少し経ってから、気持ちよさそうに眠るくらいがちょうどいい散歩時間です。

老犬になっても、筋力の維持や認知症予防のためにできる限り散歩は続けたほうがいいです。ただし、体に負担がかからない散歩時間やコースにしましょう。

3.定期的な健康診断

見た目は元気そうでも、病気が潜んでいることがあります。ある程度進行しないと症状が出ない病気は少なくありません。

その病気を早期に見つけ、治療に結びつけるのが定期的な健康診断です。もし愛犬が病気になっても早期発見、早期治療ができれば、長生きできる可能性が高まります。

小型犬と中型犬は6歳までは年に1回、7歳からは半年に1回、大型犬は4歳までは年に1回、5歳からは半年に1回のペースで健康診断を受けるようにしましょう。

4.快適な生活環境

ストレスは免疫力を低下させ、病気にかかるリスクを高めます。そして、その病気によって寿命が短くなってしまうこともあります。愛犬のストレスを軽減するために、快適な生活環境を作ってあげましょう。

具体的には

  • エアコンなどを使って快適な温度と湿度をキープする(夏場は26℃前後、冬場は20℃前後、湿度は50%前後が目安)
  • コルクマットを敷くなどして床を滑りにくくする
  • 愛犬専用のスペース(クレートなどのハウス)を作る
  • 愛犬の身の回りの清潔を保つ

などです。そして愛犬が老犬の仲間入りをしたら

  • スロープや広めのステップを置いて部屋の段差をなくす
  • 家具と家具の間や家具と壁の間の隙間を埋める
  • 家具や壁の角にコーナーガードをつける

など、老犬になった愛犬が快適に過ごせる生活環境に整えてあげましょう。

5.歯磨き

犬の長生きと歯磨きは無関係に思えるかもしれませんが、実は大いに関係があります。犬に歯磨きをしないと歯周病になり、歯周病が原因で心臓病や腎臓病など寿命に関わる病気にかかる恐れがあるからです。歯周病菌が血管内に入り込んでしまうと、ほかの臓器にまで悪影響が及ぶのです。

犬の口内は弱アルカリ性のため虫歯になりにくい一方で歯周病になりやすく、3歳上の犬のおよそ8割が、歯周病またはその予備軍と言われています。愛犬がその8割に入らないようにするには歯磨きをして、歯周病の原因となる歯垢をしっかり除去することが大事です。

歯周病を予防するために子犬のうちから歯磨きの習慣をつけましょう。わずか3日で歯垢が歯石になると言われています。できれば毎日、それが難しければ最低でも3日に1回は歯磨きをするようにしましょう。

まとめ

老犬のパピヨン

小型犬と中型犬は7歳、大型犬は5歳から老犬とされることが多いですが、それは大体の目安です。老犬の年齢に明確な定義や区切りはないため、飼い主さんが老犬のサインを見逃さないようにすることが大切です。

愛犬には1日でも長生きしてもらいたいものですが、そのために意識すべきことを5つ解説しました。解説したことを愛犬が若いうちから意識するようにして、長生きに繋げていきましょう。

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