犬の分離不安を改善する方法
犬がベッタリ懐いてくれるのはとても可愛い仕草ですが、飼い主と少しでも離れると不安になってしまうような場合は分離不安になっている可能性があります。体調を崩して受診しなくてはいけなくなる前に、まずは出来ることから始めてみましょう。
1.安心できる場所を作る
飼い主と離れることで精神的な強い不安を感じることで症状が起こるのが「分離不安」です。留守番中、飼い主を呼んで吠え続けたり、物を破壊してしまったり、手足やしっぽを噛む自傷行為をしたりすることがあります。
分離不安は、自宅の中に『飼い主以外の安心できる何か』が存在しないことが原因になる場合があります。
たとえば、ケージやクレートを置いていない、愛犬専用スペースがない、などが原因の場合があります。
対策としては、まずはケージやクレートを用意します。ケージやクレートの扉は閉めないようにし、取り外してしまっても構いません。犬が自由に出入りすることができるようにして置きます。
そしてその中には、愛用しているベッドやブランケット、飼い主の服を入れてもよいです。おやつをケージやクレートの中で与えるなど、よい印象を持たせることが大事です。
ただし、絶対に無理やりケージやクレートの中に入れようとしてはいけません。
また、ケージやクレートでなくても良いです。愛犬専用のベッドを愛犬専用のスペースに置きましょう。犬にとって、その場所が『安全で安心な場所』になる時まで、なるべく位置は変えないようにします。
飼い主のベッドの上が安心できる場所なのであれば、留守番中に開放するのもよいと思います。分離不安の改善に役立つはずです。
2.ひとりで過ごす時間が極端に少ない
犬が分離不安になる原因として、「ひとりで過ごす時間が極端に少ない」ということが考えられます。
基本的には、お家に迎えたその日から、少しずつ愛犬に留守番のトレーニングをする必要があります。
しかし、留守番のトレーニングをすることもなくいつもベッタリくっついていたのに、ある日突然留守番の時間が増えたりすると、ひとりで過ごすことに不安や恐怖を感じ、分離不安になってしまう可能性があります。
なお、飼い主が在宅勤務等、終日在宅の場合でも、昼間は別の部屋で過ごす時間を徐々に増やしていくなど、犬がひとりで過ごす時間を与えることがお留守番トレーニングになります。
3.留守番の時間を短くする
犬の分離不安の原因が明らかに留守番である場合、その留守番の時間を短くすることで分離不安の症状は少しずつ改善されることがあります。
- トイレが汚れていて嫌だ
- 排泄を我慢している(外でなければ排泄できない)
- 空腹でいる時間が長い
留守番中のこのような出来事が犬の不安を煽り、分離不安になることがあります。
どうしても留守番の時間を短くすることができない場合には、トイレを複数用意する・トイレトレーニングをする・自動給餌器を使用するなどで対策することもできます。
仕事の後に買い物をして帰宅することが習慣になっている場合、一度自宅に戻り、愛犬とスキンシップやコミュニケーションを済ませた後で買い物に行く、という方法もおすすめです。
愛犬がひとりで過ごす時間を数十分でも減らしてあげることで、不安な気持ちを減らしてあげることができます。
4.かかりつけの獣医師に相談
愛犬の分離不安に飼い主が悩むということは、重度な症状があるということなのではないでしょうか。
まずは、かかりつけの獣医師に相談しましょう。専門医を紹介してもらうこともできると思います。分離不安の専門医やドッグトレーナーを飼い主が自ら探す方法でもよいです。
育ってきた環境や経験によるトラウマを抱えたことが分離不安の原因になることがあります。もともと不安や恐怖を感じやすい性格から分離不安になる犬もいます。
まとめ
犬の分離不安を改善する方法を4つ解説しました。
- 安心できる場所を作る
- ひとりで過ごす時間が極端に少ない
- 留守番の時間を短くする
- かかりつけの獣医師に相談
犬を通じて知り合った方が『愛犬の分離不安を治すために仕事を辞めた』ということがありました。愛犬の分離不安がそれほど重症化してしまい、命の危機があったそうです。
犬の分離不安の症状は、些細なところに表れます。ごはんを食べなくなったり、わざと粗相をしたり、飼い主の気を惹くような行動をするなどすることがあります。
自分の手足やしっぽを噛んだり、噛みちぎったりしてしまう犬もいます。ストレスや不安を解消するための自傷行為です。感情を上手くコントロールできないのです。
その原因が分かれば飼い主や家族で改善することも可能ですが、分離不安だと気づいたらなるべく早く獣医師の診断を受けてください。専門家の力を借りることで、早期に改善される可能性があります。