犬がさらに言うことを聞かなくなってしまう飼い主のNG行為とは
犬は、子犬の頃から家族の様子をよく観察し、自分にとって得な行動を学習しています。飼い主の言うことをよく聞く犬は、飼い主の言うことを聞いたほうが得なこと(いいこと)があるということを知っています。
もちろん犬たちにも性格がありますから、気の強い犬は飼い主に言うことを聞かせた方が得、と学習することもあります。また、それほど気が強くない子の場合も、繰り返し「飼い主が犬の要求をすぐに飲むこと」を学習すると、人間の指示を無視するようになってしまいます。
では、犬がさらに言うことを聞かなくなってしまうNG行為とは、どのような行為なのでしょうか。
1.犬の行きたい方向へ散歩する
毎日の散歩は、犬にとって楽しいイベントです。しかしこの散歩ですが、歩き方によっては飼い主の言うことを聞かない犬を育ててしまうことにつながる危険があるのです。
散歩の際に犬がうれしそうだからといって、犬の行きたい方向へ引っ張られるままついて行っていませんか。歩くスピードも犬に合わせて小走りになっていたり、曲がりたい角は犬任せになっていたりしませんでしょうか。
このような散歩を続けていると、犬は自分が要求すると飼い主がいうことを聞いてついてくる、と学習してしまいます。そのため、人がスピードを緩めようとしたり方向を変えようとしたりすると、「違う、こっち!」と反抗して人間にいうことを聞かせようとするようになっていくのです。
2.犬を構いすぎる
かわいい愛犬を常に見ていたい、触っていたい、抱っこしていたいという気持ちは、犬好きな飼い主さんであればなんとなく理解できます。しかし、犬との接し方には少し注意が必要です。
常に犬の動向をうかがい、遊んでほしそうな素振りがあれば遊んであげたり抱っこしてあげたり、おやつをおねだりされたらちょっとあげてしまったり、と飼い主さんの愛情ゆえの行動が、実は犬の「いうことを聞かない」態度につながる恐れがあるのです。
犬が「構って」といえばすぐに構ったり、「おやつ欲しい」といえばすぐにおやつをあげたり、というように、犬の要求にすぐに応えてしまっているのです。これが続くと、散歩のときと同様に、犬は要求すれば飼い主が何でも言うことを聞くと学習してしまうことにつながります。
この要求に従わない場合、なんでいうことを聞かないんだと犬たちが怒って反抗する行動を起こすことがあります。
3.「褒める」「叱る」のメリハリがない
いいことをしたら思い切り褒め、いけないことをしたらしっかり叱る、というメリハリのあるしつけは犬も覚えやすいです。しかし愛犬が可愛いがゆえに、しっかり叱るべき大事なときにきちんと叱れない飼い主さんも少なくありません。
破壊行動や盗み食いなど、犬を叱るべきシーンでは、場合によっては犬の命に関わることもあります。また人の手に歯を当てる行為などは家族だけでなく、ご近所の方に危険を及ぼさないためにも止めさせなければいけません。しっかり叱って教えてあげることは彼らの命を守ることにもなるのです。
しかし、かわいくて叱れない、いたずらをしてもまあ困ったわと困るだけの状態が続くと、犬は何をしても叱られないと学んでしまい、その結果破壊行動や危険行動をエスカレートさせていくようになります。
犬の反抗心を煽ってしまうダメ行動とは
犬が言うことを聞かなくなったからといって、急に大きな声を出したりリードを引っ張ったりしても逆効果になることが多い、といわれています。
すでに「人間はこうすればいうことを聞く」と学習している彼らにとっては「人間が反抗してきた」と感じられるため、余計に自分の要求を通そうとしてくるでしょう。
散歩中、犬のリードを引っ張って力づくでいうことを聞かせようとすると、犬はその力に反発してなおさらリードを強く引っ張ろうとします。吠えたり噛んだりしたからといって悲鳴をあげたり高い声で「やめなさい!」と言っても犬はその声に更に興奮してしまいます。
犬を叱るときは短い言葉で、その瞬間を見逃さずしっかり叱ってあげましょう。
散歩の途中でいうことを聞かなくなった場合は散歩を中断する、引っ張らなくなるまでその場を動かないなどの方法もあります。犬の好き勝手な要求を通さない、ということが大切です。
まとめ
愛犬が飼い主の言うことを聞かなくなるということは、いうことを聞いても良いことがない、こちらの言うことを聞かせたほうがいいことがある、など飼い主への信頼関係が揺らいでしまっているところから発生します。
犬がかわいくて大切だからこそ、その要求をすべて飲むのではなく、人間と一緒に暮らすルールをしっかり覚えてもらいましょう。
また、飼い主さんとの信頼関係をきちんと結べるように、飼い主さん自身がメリハリのある接し方をすることが大切です。