危険な「ズーノーシス」を知っていますか?
愛犬と過ごす中で、口元をペロペロ舐められる瞬間ってよくありますよね。犬が「飼い主さん大好き!」と愛情表現をするひとつとして顔を舐めるなどの行動を見せることがあります。
そんな愛犬のキスは、大変危険な行為でもあるんです。信じがたいかもしれませんが、命に関わることでもあるので知っておいて欲しい内容です。
実は、犬などペットの口腔内に常在している細菌がキスなどの行為でうつってしまう可能性があるのです。動物から人にうつる病気を「ズーノーシス(人獣共通感染症)」と呼びます。ズーノーシスで感染する可能性がある細菌は以下のようなものがあります。
- カプノサイトファーガカニモルサス
- パスツレラ
- レプトスピラ
- サルモネラ菌
- アメーバ赤痢
カプノサイトファーガカニモルサスは犬の74%が保持しているといわれる細菌です。犬に対しては無害ですが、人が感染すると頭痛や発熱、下痢や嘔吐などの症状を引き起こしてしまいます。放置してしまうと敗血症や心臓発作、あるいは腎不全を引き起こしてしまうので大変危険です。
ほかの細菌も含めて死に至ることも少なくはないので、犬とキスをした後に体調がおかしくなったら早急に対処する必要があります。
これらは免疫力が低い人ほど感染しやすく、重症化しやすいこともぜひ知っておいてください。
犬が顔を舐めてくる時の対策
大好きな愛犬とのキスがコミュニケーションの1つになっている人にとってつらいことではありますが、感染症の恐れがある事実はやはり見逃せません。口から口へのキスだけでなく、傷口を舐められることによって感染症が進行してしまったケースもあります。
では、「犬が顔を舐めてくる時はどうしたらいいの?」と悩む人は、まずは以下の対策から行ってみてください。
一緒に寝ない
毎晩愛犬と一緒に寝ていると、どうしても口元を舐められるタイミングが増えてしまいます。犬と寝ること自体悪いことではありませんが、飼い主が寝ている間の安全性や衛生上の問題からも、別々に寝ることをおすすめします。
口移しで物をあげない
口から口へと細菌は感染することをできる限り避けるために、この機会に犬との距離感を考え直してみてください。口移しで物をあげないように注意して、危険な感染症を避けましょう。
犬が口にくわえたおもちゃなどにも細菌が付着しているので、指先に傷がある場合などは触れないよう注意しなければなりません。愛犬自身だけでなく、住環境も清潔を保つよう心がけたいですね。
まとめ
愛犬からの愛情表現を避けなければならないことは残念かもしれませんが、重大な病気にかかってしまう恐れがあることは頭に入れておいて欲しいです。犬とのスキンシップはキス以外の方法で行うようにして、ほどよい距離感で過ごすことがお互いの心身の健康につながります。
免疫が下がっている時ほど感染しやすいので、体調に不安がある時こそ注意したいですね。飼い主の健康を保つことも愛犬を守るために大切なことです。ぜひ感染への知識を持った上で、愛犬とスキンシップを行うようにしましょう。