勘違いしやすい「犬の行動」とは
犬の仕草や行動にはさまざまなものがあり、中には人間がつい勘違いしてしまいがちなものもあります。今回はとくに勘違いしやすい「犬の行動」について解説します。
1.人の目をジッと見つめる
犬が人の目をジッと見つめることには「敵意がある」とされていますね。
犬は本当に敵意を持って人の目をジッと見つめているのでしょうか。あなたが犬から目をジッと見つめられた時、敵意を感じたことがあるでしょうか。
もしかすると、犬からの敵意は、あなたの勘違いかもしれません。
- 不安なことがあり助けを求めている
- 抱っこしてほしいと訴えている
- 撫でてほしいと甘えている
- おやつのおねだりをしている
- 「大好きだよ♡」と伝えている
犬が人の目をジッと見つめる時は、このような気持ちである場合があります。
2.自分の手を舐めてお手入れをしている
愛犬が自分の手をしきりに舐めている時、(お手入れしてる…かわいい♡)と感じたことはありませんか? その行動、本当にお手入れをしているのでしょうか。
お散歩から帰った時、ごはんを食べた後、寝る準備をしている時に手を舐めているのは、短時間であれば、お手入れである可能性があります。
ふと愛犬に目をやった時、(あ…また手を舐めてるな…)と、何となく不安を感じたことはありませんか? お手入れの時間があまりにも長い、過度に舐めているのではないか、と感じられたのではないでしょうか。
それは、お手入れのための行動ではなく、「ストレスサイン」である可能性が考えられます。舐めている部分の皮膚が真っ赤になっていませんか。傷になったり出血したりしていませんか。そのような場合、強いストレスによる自傷行為と考えることもできます。
また、指間炎である可能性もあり、強い痒みから執拗に舐めてしまうことがあります。皮膚が黒っぽくなっている時は要注意です。すぐに病院で診てもらいましょう。
3.飼い主の口元や顔を舐める
愛犬が飼い主の口元や顔を舐める理由には、主に2つの説があります。ひとつは「愛情表現をしている」こと、もうひとつは「食べ物をおねだりしている」ことです。
子犬は母犬の口元を舐めることで食べ物をおねだりします。その名残から、飼い主に食べ物をねだって口元や顔を舐めることがあると言われています。
愛情表現や食べ物のおねだりではない可能性としては、次のようなものがあります。
- 不安や恐怖を感じている
- 強いストレスを感じている
- 寂しさを感じている
- 退屈だと感じている
- 栄養が不足している
心理的な要因がある時、飼い主の口元や顔を舐めることで、自分の気持ちを落ち着かせようとしている可能性が考えられます。
お腹が空いて食べ物をおねだりしているのではなく、栄養素が不足していることが原因で、補うための食べ物を本能的に欲して飼い主の口元や顔を舐めている、ということも考えられるのではないでしょうか。
愛犬のごはんを手作りする飼い主もいらっしゃるようですが、必要な栄養素が極端に欠けてしまう場合があります。愛犬に必要な栄養素を全て含んでいるか、量は足りているか、ということも考えながら作るとよいと思います。
4.人や犬に向かって激しく吠える
犬が人や犬に向かって激しく吠える時、警戒しているのではないか、威嚇しているのではないか、攻撃しようとしているのではないかと考えますよね。
こちらに向かって激しく吠える犬がいれば、避けてしまうことがあるのではないでしょうか。
犬が激しく吠える時、「嬉しくて大興奮している」ということも考えることができます。敵意や攻撃性は全くないのです。人や犬が大好きで、会うだけで嬉しくて大興奮し、激しさを増してしまうことがあるんです。
お互いがケガを負ってしまうことがないよう、その場を離れる必要がある場合もあります。飼い主も愛犬を落ち着かせるために必死になることがあります。
ただ、「激しく吠えていても、敵意や攻撃性がなく、嬉しくて興奮している場合もある」ということも知ってほしいです。
まとめ
勘違いしやすい犬の行動を4つ解説しました。
- 人の目をジッと見つめる
- 自分の手を舐めてお手入れをしている
- 飼い主の口元や顔を舐める
- 人や犬に向かって激しく吠える
犬の行動にはさまざまな意味合いがあり、人間は勘違いしてしまっている場合もあるようです。
犬の真意は、その行動からだけではなく、表情・態度・耳の動き・しっぽの動き・目の動き・発する声などからも読み取る必要があると思います。