犬界隈である「イジメ」とは
では、犬界隈にもある「イジメ」とはどのようなものなのでしょうか。
1.特定の犬を攻撃する
気に入らない犬に噛みつく、威嚇するなどの攻撃です。双方の犬がケガをするかもしれないので注意が必要です。
同居している犬だけでなく、散歩コースでよく会う犬でもこのような事態は起こり得ます。相性が悪い犬と会ったら距離をとる、コースを変えるといった対策が必要です。
2.おもちゃを取り上げる
多頭飼育で先住犬と新入り犬の間で起こりがちです。新入り犬がおもちゃで勝手に遊び、先住犬が怒って取り上げるというのはよくあります。
先住犬がおとなしければ、逆に新入り犬がいじめるケースもあります。多頭飼育を始めたら些細なことでケンカが発生するものと思って飼い主は注意しなくてはいけません。
3.可愛がられている犬を威嚇する
新入りや若い犬は特にかわいがられやすいので、先住犬は嫉妬しやすいです。撫でられているときやおやつをもらっているときに吠えて威嚇するのはよくあります。
先住犬を叱ってしまう人もいると思いますが、偉いのはやはり先住犬です。別々にスキンシップの時間を設けるなど、どちらもかわいがってあげてください。
4.仲間外れ
群れをつくる野生動物は順位付けをし、リーダーに従って暮らします。しかし、リーダーの犬が高齢になると若い犬が戦いを挑み、新しいリーダーになって群れを統括します。
野生動物の習性ですが、現代の家庭犬でも稀にこのような事態が起こることがあります。3頭以上の多頭飼育の環境で、高齢の犬をみんなで仲間外れにする、というケースです。
また、若い新入り犬であっても、先住犬たちに受け入れられなければ仲間外れにされます。
1頭だけ他の犬と関わろうとしない、近づくと威嚇されるなどしていたらイジメの可能性があります。
5.飯競争
母犬が子犬たちにおっぱいを与えている、子犬が集まってごはんを食べている、などは微笑ましい光景ですが、どうしてもここで競争に負けてしまう子犬はいます。
子犬には、『みんなでごはんを分け合う』などという考えはありません。強い子はどんどん成長し、弱い子は生きられない、というのが野生のルールです。
現代において、人間の助けなしに生きられない犬がほとんどです。生まれたばかりの子犬を育てるときは、母乳以外にミルクを用意し、弱い子に与えてあげなくてはいけません。
「イジメ」と「じゃれ合い」の違いを判断する方法
では、犬の「いじめ」と「じゃれ合い」の違いはどう判断したら良いのでしょうか。
表情の違いを見分ける
犬同士のじゃれ合いは取っ組み合いになって行うので、イジメとの区別がつきにくいです。
しかし、犬が鼻にしわを寄せて険しい表情をしたらトラブルが発生する予兆。明らかに単なるじゃれ合いではないため、すぐに引き離してください。
鳴き声の違いを確認する
犬は楽しいときに「ガルル」「ウゥー」などの唸り声をあげることがあります。
実際に仲良く遊んでいるなら良いのですが、どちらかが「キャン」と悲鳴を上げたら引き離してください。
噛む力や噛み方を確認する
犬は遊ぶときもケンカのときにも噛みますが、遊びのときは相手が痛くないように甘噛みをします。
しかし何度も同じ部位を噛む、頭や首など獲物を仕留めるときと同じように噛んでいたら危険です。じゃれ合っている犬からは目を離さず、危険と感じたらすぐにやめさせてください。
まとめ
人間と同じでどんな犬にも相性の悪い相手はいます。(うちの子は大丈夫!)と思っていても、それまで相性が合わない犬に出会わなかっただけかもしれません。
犬同士でのイジメを発見したら、弱い犬だけを優遇するということはしないでください。
トラブルになっている犬を引き離し、それぞれのプライベートを大切にしてあげましょう。