愛犬が寝る前にクルクル回る理由は?2つの心理
愛犬が寝る前に同じ場所を何度かクルクル回ってから、満足げに横になる姿を見たことがある飼い主さんがほとんどですよね。毎晩のように行われるこの行動を不思議に感じたことはありませんか?
実はこの行動、基本的には犬の祖先と考えられている狼からの習性の名残りと言われています。犬がクルクル回ってから寝るという行為は本能のひとつではあるものの、ちゃんとした理由や心理があるようです。
1.安心するため
犬の祖先と考えられている狼は寝る時だって危険と隣り合わせです。多くの専門家によると犬が寝る前にクルクル回るのは「安全確認」をしているのではないかと考えられています。
いつも安全ではない場所を寝床にしていた狼は安心できるための寝床を作るため、クルクルと回って360度全ての周囲の状況を確認していたようです。外敵や捕獲者が近くにいないか確認するための行為だったよう。
現在、人に飼われている犬の場合は、狼の習性の名残りから「安心感を得るため」にクルクル回っていると考えられます。
2.心地良く寝るスペースを作るため
犬が寝る前にクルクル回るのは、心地良く寝る場所を作るためとも考えられています。人間が寝る前に枕の高さを調節したり、ベッドや布団を整えて気持ち良く寝る準備をするのと同じような行為です。
野生の狼は草むらや石や小枝が落ちている場所で寝ていました。草むらを平らにするため、また石や小石を取り除くためにクルクル回ったり、前足で掘るような仕草をして平らな寝床を作っていたようです。
寝るための場所がボコボコしていたり、異物があると気持ちよく寝られないのは犬も人も同じです。愛犬もクルクル回ることで、寝る場所を平らにして寝心地良くしているのでしょう。また寝る位置を決めるための行為でもあります。
犬が寝る前にする行動
犬はクルクル回る以外にも「寝る前にする行動」がいくつかあります。これらの行動が見られたら「そろそろ眠いのかな?」と思っても良いでしょう。
1.前足でホリホリする
犬が寝る前にクルクル回るのと同じくらいの頻度で見られる行動が、前足でホリホリする仕草。この行動も野生の狼の習性の名残りのひとつ。
野生の狼はクルクル回って周囲の安全を確認すると共に、身を守るために穴を掘って巣穴の中で暮らし眠っていました。犬が寝る前にソファやベッドをホリホリするのはこの習性の名残りになります。
もしもソファやクッションなど、破壊してしまうほど激しくホリホリしてしまうのであれば意味合いが違うこともあります。何かしらのストレスがあり、発散させるために激しく穴掘り行動をしている可能性があります。
多くの犬は運動不足や、飼い主さんとのコミュニケーション不足がストレスになることが多いです。心当たりのある飼い主さんは生活スタイルを見直してみましょう。
2.口をくちゃくちゃ鳴らす
あなたの愛犬は思う存分クルクル回ったりホリホリした後に、パタンと横になって口をくちゃくちゃさせることはありませんか?
この行動は、とてもリラックスした心理を表す仕草になります。甘えん坊な性格の犬によく見られる行動で、飼い主さんに寄り添って寝る時に多く見られるよう。
実はこの行動は子犬が母犬の母乳を飲んでいる時の仕草で、愛情表現のひとつでもあります。子犬が母乳を飲んでいる時間は至福の時間。寝る前に口をくちゃくちゃしていたら、とても心地の良い状態で安心しきっていると言えるでしょう。
3.ため息をつく
犬は眠たくなってくると、鼻からフゥーっと息を吐くようにため息をつくことがあります。ため息もリラックスしているサイン。「そろそろ寝よう」と、寝る準備に入った時にため息をつくようです。
犬のため息は飼い主さんが優しく撫でている時や、ブラッシングしている時などに緊張感がほぐれて力が抜けた時にもよく見られる仕草です。
逆に、人間と同じようにがっかりした時にもため息が出てしまうことも。この場合のため息は身体に力が入っていて緊張状態が見られるはず。状況や愛犬の表情から見分けてあげましょう。
まとめ
人から見ると不思議な愛犬の行動も理由がしっかりあったり、何らかの心理が働いていることがほとんどです。寝る前にクルクル回ることは習性であり本能です。問題のない行動なので優しく見守ってあげましょうね。