1.ワラビ
ワラビは全国的に自生している山菜のひとつ。比較的簡単に採ることができる山菜で、山の奥のほうまで入らなくても自生しているようです。愛犬とのちょっとしたハイキングでも見かける機会があるかもしれませんね。
ワラビは犬が誤って食べてしまうと中毒症状を起こす山菜になります。ワラビにはチアミナーゼという酵素が含まれているため、ビタミンB1を破壊する作用があります。
犬が誤ってワラビを口にしてしまった場合、ビタミンB1欠乏症を引き起こし最悪は命にかかわる危険性もあります。またプタキロサイドという発癌性物質も含まれているため、愛犬が誤って食べてしまわないよう注意しましょう。
ちなみにワラビはしっかりとあく抜きしないと人間でも中毒を起こす危険性があるので、あく抜きの方法をしっかりと確認してから食べて下さいね。
2.ウマノアシガタ
あまり聞き慣れない名前かと思いますが、ウマノアシガタは別名キンポウゲとも呼ばれる野草になります。多年草ですが開花の時期は4~6月。日当たりの良い野山によく自生していますが、公園や道路脇などにも咲いている小さな黄色い花なので意外と身近な植物です。
ウマノアシガタには有毒成分が含まれており、皮膚や粘膜にとても刺激が強いものとなっています。誤って犬が口にすると口腔内が腫れたり、消化器官が炎症し下痢や嘔吐起こしてしまう可能性も。
ウマノアシガタを食べてしまったことに気づかずに放置してしまうと、症状が悪化し血便や幻聴などの異常行動、また最悪は命を落としてしまう危険性もあります。身近に咲いている花なので充分に注意しましょう。
3.イラクサ
イラクサは関東以南の本州や四国、また九州などの比較的暖かい地方に自生している多年草になりますが、温暖化が関係しているのか近年では北海道でも自生しているようです。
多年草なのでどの季節でも注意は必要ですが、開花の時期は6~9月頃で緑色の花が咲きます。野山に群生していることが多いですが、廃屋の周りや畑の隅などでも自生していることがあるため身近な野草かもしれません。
大きさは30~50㎝ほどの高さになり、葉や茎にはトゲがあり触れるだけでもチクチクと痛みが続きます。このことから別名「イタイイタイグサ」とも呼ばれています。トゲにはアセチルコリンやヒスタミンが含まれる袋があり、皮膚にとげが刺さると同時に体内に入り痛みが起こります。
人は食用として食べることが出来る野草ですが、犬が口にしてしまうと皮膚炎や口内炎による痛み、また筋力の低下や痙攣、呼吸困難などの症状を引き起こす危険性があります。
4.アマリリス
アマリリスは日本ではほぼ自生していないものの、春になると大きな公園に植えられていたり、戸建てのお家の花壇で見かけることもある観賞用の綺麗で大きな赤い花です。
アマリリスはヒガンバナ科の植物のひとつで「リコリン」という危険な毒を持っています。誤って犬が食べてしまうと下痢や嘔吐を引き起こす危険性があります。また重症化してしまうと血圧の低下、中枢神経の麻痺、最悪は命を落としてしまうケースもあります。
アマリリスに限らずヒガンバナ科の植物は犬にとって危険な物のなので注意が必要です。
- スイセン
- アガパンサス
- スノードロップ
これらもヒガンバナ科の植物になるのでお散歩コースにある場合は注意しましょう。
春のお散歩で危険な野草以外で注意したいこと
春の愛犬とのお散歩は気候も良く気持ちのいいものですよね。犬に危険な野草や植物の誤食に注意するのはもちろんですが他にも注意していただきたいことがあります。
1.除草剤や農薬に注意
頻繁に道端で見かけるタンポポやクローバー、つくしなどは犬にとって毒性はないものの除草剤や農薬がかかっている可能性があります。危険な植物以外でも愛犬が誤って食べてしまわないよう気をつけましょう。
2.熱中症に注意
真夏の暑い時期には特に注意している飼い主さんが多いかと思いますが、実は犬が熱中症になるのが一番多い季節は春になります。
飼い主さんの「まだ春だから大丈夫かな」という、ちょっとして油断の気持ちと、急激に気温や湿度が上がる日があるのが原因のよう。また個体によっては換毛期が終わっていなく、まだ冬毛が残った状態だと体温が上がりやすいことも考えられます。
春だからと油断せず、毎日の天候と気温をしっかりチェックして熱中症予防もしていきましょう。
まとめ
愛犬とのお散歩の際にはどんな季節であったとしても誤飲、誤食には注意したいものですね。特に野草をはじめとした植物には有毒成分が含まれているものも多々あるため、絶対に食べさせないよう注意してください。
日頃から屋外の植物や落ちているものなどは、口にしないようトレーニングしておきましょう。